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くじらの谷

私の親愛なる先生が考古学者で、彼の手がける大学院生のためのstudy tripに毎週末半ば強制的に参加しています(楽しいです)。いつもはカイロの博物館や美術館ですが、先週の金曜日と土曜日は、Fayoumという町にstudy trip と言う名の観光に行ってきました。

ちなみに、イスラームでは金曜日が祝日なので、エジプトの週末は金曜日と土曜日になっています。

Fayoumは昔、海よりも水深が低い場所に位置しており、くじらやワニ、亀の化石がたくさん発掘されています。ナイル川の水が流れ込んで大きな湖ができたため、砂漠の中であっても美しい滝やオアシスを見ることができるんです。しかもギザのピラミッドなどに比べて圧倒的に観光客が少ない、というかほぼいないので超オススメスポットです。

カイロからさらに何キロも南下した場所にあるので、朝早い出発です。運転手の鬼電で5時に起きました。こういう時に限ってしっかり時間守るじゃん、ぴえんぴえん

基本どこでも寝られるタイプですが、エジプトでは、外の風景(特に田舎の風景)は見ていて飽きないので、もったいなくてずっと起きていました。

エジプトは、都会と田舎がいろんな面で全然違います。田舎の男性はガラベイヤという長いワンピースのような服を着て、頭にターバンを巻いている方が多いです。田舎では外を見渡すと、男女が一緒にいる姿をほとんど見かけません。保守的な考え方が残ってるのかもしれません。

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日本の田園風景とはちょっと違って、ヤシの木が生えていたり、そこらじゅうに牛とか馬とかヤギとか羊とかたくさんいます。田舎の人たちは結婚するときにお金じゃなく家畜を用意するって聞いたのを思い出しました。馬に乗ってるおじいさん、大量の羊と戯れる親子、家畜の世話をする子供達を見てると、ほっこりしました。

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休憩地点でポーズを決めてくれたお兄さん。「昔コメディアンだった」と言ってましたが、もし本当ならどういう風の吹きまわしで魚屋に転職したのだろうか。

ちょっとした町を抜けると、目的地まではずーーーーーーーーーーーーっっっと砂漠、しかも12月なのに日差しが夏みたいで、これ迷ったら絶対死ぬなと確信しました。「ずっと砂漠だからご飯買っときなよ!」って言った先生、バナナ房ごと50本くらい買ってるの見てめっちゃおもしろかった

いつの間にか寝ていたようで、「着いたよ」と言われた時に私は地球にいませんでした。もうね、タトゥイーンだった。star wars。

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ここWadi El-Hitanは、くじらの谷と言う意味です。大きな坂道になっていて、化石が発掘されたあらゆる地点に目印があります。ここの坂道を降りたところのfossil and climate museum という博物館で、くじらの骨を見ました。くじらって可愛いと思っていたけど、歯が私の手くらいの大きさだったのでちょっと、、ってなった


「私が書きたいことを書く!」とか二つくらい前の記事で豪語したのでぶっちゃけて言うと、私、剥製とか化石を見ると「絶対つくりもんだろ!」と思う癖があるんですよね。だって、すごく状態がいいんですよ。先生に言ったらそんなわけないと怒られました。

その後も谷をみんなでずんずん歩く。砂の色と雲ひとつない青空のシンメトリーが美しかった。東京の時間に追われる忙しい全ての人に来て欲しい。時計なんかなくて、太陽が昇ったら起き、沈んだら寝る。「そんなに生き急ぐことないよ」って言われている気がしました。そんなに慌てることないよ、みんな

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ここが海だったなんて、誰かが調べないと絶対にわからなかっただろうし、そういうことの積み重ねでたくさんの発見がこの世に存在するんだと考えると、人生一度きり出来るだけ好きなことを発見しながら過ごしたいですよね。

帰りのバスの中からふと見上げた空が、無料のプラネタリウムみたいで泣きそうになりました。夏にはキャンプもできるみたいなので、ぜひ。

この日の夜は、修道院に泊まるという超カオスイベントがあったのですが、眠くなったので次回。サラーム🐪


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