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6年間勤めた地銀からベンチャーへ転職した話

昨年の8月に新卒から勤めた地元の地方銀行を退職し、地方都市のベンチャー企業に転職しました!

今回は、自分の転職を振り返り、転職に至った経緯、感じたことなどを徒然なるままに書こうと思います。

現在、「転職したほうがいいのかな?」「転職したい!」と思っている方の参考になれば嬉しいです。

なんとなく就職して、なんとなく仕事した

私が就活を行っていた当時は、リーマンショック後数年経過しており企業の採用活動の冷え込みがある程度緩和されてきた、「そんなに悪くはないかな」といった就活環境だったと思います。

当時、学生時代のほとんどをガチ系部活動に捧げてきた文系大学生であった私は、部活動での活動を唯一の武器として就活に臨んでいました。特にやりたいことがあるわけでもなく、「人が多いところが好きではない」という理由から漠然と地元に帰って仕事をしたい、と考えていましたね。
(というか、地方金融機関を志望する就活生で「なんとなく」以外の志望動機のほうが少ないのでは?と考えてしまうのは、私の心が汚いからなのでしょうか…)

田舎あるある「地元で一番大きい企業は地銀」のご多分に漏れず、我が地元の優良企業といえば地元の第一地方銀行であったため、適当な志望動機を取り繕い面接を受けたのですが、体育会系人事に気に入られ、そのまま採用されてしまいました。

初任店では、主にローンの仕事をしましたね。カーローン、教育ローン、カードローン、そして住宅ローン。最近は、20代前半で年収300万未満でも共働きなら3,000万円程度の住宅ローンが組めちゃうんですよね…
なんとなく就職した私は、なんとなく言われるがまま無難に仕事をこなし、休日は同期の奴らとなんとなく過ごす、という日々でした。
就職する際に変な期待感を抱いていなかったが故に、仕事や職場への不満は特になく、今思えば「無気力な若者」だったように思います。

様々な経営者に触れて芽生えた仕事観  

3年ほどその支店に勤めた後、県外の支店へ転勤となりました。その支店では、転職するまでの3年間法人営業の仕事をさせてもらいました。
具体的には、担当する企業の経営者と会って融資や金融商品の提案を行っていました。

今振り返って銀行の仕事で得た一番の財産は、この支店で得た「様々な経営者にお会いした経験」だと思っています。銀行員ほど若くして経営者と対等(に近い)な立場で会話できる職業は中々ないんじゃないでしょうか。

壮大な夢を語る経営者
従業員を大切にする経営者
金にがめつく、ケチな経営者

考え方も行動も全く違う色々な経営者がいて、そんな方々の話を聞くことは私にとってとても勉強になりました。不感症だった私の心も「この人たちの役に立ちたい!」と仕事に対してやっと真剣に向き合い始めることができました。そんな私が考えたことは、楽しくやりがいを感じて仕事がしたいということ。

正直、当時の私は仕事が楽しくやりがいがあるとは感じていませんでした。

必要がない会社へ融資のお願いをして必要がないお金を借りてもらう
ご高齢のお客様に最適とは言えない金融商品を売りつける

心を少しずつ、すり減らしながら仕事をしていたように思います。自分が良いと思えない商品を売ることは、想像以上に自分の心を蝕んでいくものなんですね。転職後の今は、より強くそう感じます。

そんな中横を見ると、飲み会で上司や会社の悪口しか言わない同僚や先輩。人事異動以外に酒の肴がない上司。転職を考え始めたのは自然な流れだったと思います。

転職活動を始めて気づいた自分の「薄さ」

2019年の8月末に退職した私ですが、転職活動の始まりは2018年の11月頃でした。転職活動といっても、開始当初はネットでおススメされていた複数の転職サイトにとりあえず登録して送られてくる求人票を漠然と眺める日々。

この時、私は自分の「薄さ」に気が付きとてもショックを受けたことを覚えています。当時感じた自分の「薄さ」とは、主に以下の2点です。

①ビジネスマンとしての「薄さ」                   正直私は、銀行内ではそこそこ仕事ができている、と思っていました。
しかし、転職活動の際に職務経歴書を埋めていく際にこう感じたのです…
あれ…なんか俺の職務経歴って微妙じゃない…?
ある程度の営業成績は残していました。それっぽいことを書いて書類を埋めることはできましたが、改めて自分で見てみると「所詮、社内実績だったな」と感じてしまいました。

②ヒトとしての「薄さ」
楽しい仕事がしたい!と意気込み、求人票を眺めるも、自分が何を仕事にしたいのかピンとこない。銀行の志望動機も「なんとなく」だったので当たり前かもしれませんね。「日々、だらだらと生きていてお前はそれでよいのか」と自分自身から突き付けられた気がして辛かったのを覚えています。転職活動を始めて、

自分は何が好きなのか、何に対して喜びを感じるのか
自分は何に対してやりがいを感じるのか

転職活動を通じて、自分を見つめなおす良い機会になったと思います。
転職エージェント(求人企業と求職者の仲介業者)の方10名程度との電話面談を重ね、自分は事業コンサルの仕事がやりたいんだという考えに至り、2019年5月に本格的に転職に向けて動き始めました。なので、実質的な転職活動期間は3ヶ月ですね。仕事をしながら、濃密な3ヶ月間だったと思います。

ベンチャー企業への転職

2019年5月に転職活動を本格化した私ですが、実は面接を受けたのは現在勤めているベンチャー企業1社のみです。田舎出身で親も含めて、周りには「大企業に退職まで務めることが美徳」と考える人が多かったので、「不安はなかったの?」とか「上場企業からベンチャーなんてバカなんじゃないの」とか色々なご意見を頂きました。

当たり前ですが不安はありましたし、バカなことをしたかもと思うことはありますが、全く後悔はしておりません。

会社が創業間もないためやることは多いため、残業時間は2倍以上になりましたし、より専門的な業務内容を担当しているので勉強の日々ですが「自分の仕事がお客様のためになる」と確信ができるし、「より良い仕事を追求する」ことが業務上の第一目的であるため、銀行員時代にうんざりしていた社内政治と無縁なので精神的に非常に楽になりました。

あなたがもし、「やりがい」や「楽しさ」を求めて転職を考えているのであれば、ベンチャー企業は選択肢の一つとして考えてよいと思います。

現代における「楽な」ビジネス人生を考える

2019年に入り多くの大手企業が業績が悪くないのにも関わらず、リストラを実施しました。主に45歳以上や管理職の希望退職を募っており、リストラ実績はリーマンショック時を凌ぐそうです。

新卒採用のあり方も今後更に変わってくるでしょう。既に、昔ながらの「新卒入社した会社に定年まで勤めて退職金をもらう」という標準的なビジネス人生は一般的なものではなくなりつつあります。

また、後継者不在の会社は全企業の6割を超え、会社の寿命は明らかに短くなっています。

そんな環境の中、「何が真のリスクなのか」ということも変化しつつあるのでしょう。個人的には、目まぐるしく変化するこれからの時代においては、「安定に身を置き自分自身を更新しようとしないこと」が大きなリスクになるのではないか、と考えています。

確かに、安定に身を置きなんとなく生きることはとても心地いいです。楽に流されるのは、人の常ですから長いものに巻かれ、自分の意思を他者に委ねることは簡単です。

転職するしないにかかわらず、「真に楽をしたい」のであれば、社内だけではなく社会に通用する自分だけの「牙」を研ぎ、「会社に過度に依存しない」ことを意識しながら日々を過ごすことが大切だと思います。

皆さんの中で、「現状に大きな不満はないが漠然とした停滞感を感じる」方は転職するかしないかはとりあえず置いておいて、転職活動をしてみてはいかがでしょうか。自分を見つめなおす良い機会になると思います。

皆さんの人生が、より幸せなものになりますように!

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