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ストレングスファインダーを使って部下と1on1面談できる完全マニュアル

上司と部下が定期的に1対1で面談を行う「1on1」。
部下の育成やコミュニケーション不足の解消に効果があると言われています。
テレワークにより顔を合わせる機会が減ったことで1on1に力を入れる企業も増えていますが、「何を話したらいいのか」「どうやって育成につなげればいいのか」と迷うこともあるでしょう。

このnoteでは、アメリカで開発された強み発見ツールであるクリフトンストレングス(ストレングスファインダー)を利用して、メンバーの強みを伸ばす1on1の手法を紹介します。

※ストレングスファインダーとクリフトンストレングス
かつてはストレングスファインダーという名称だった強み発見のテストですが、2019年9月から日本でも正式名称がクリフトンストレングスになりました。
ストレングスファインダーもクリフトンストレングスも内容は一緒です。
現在は両方の名称が併用されている状況ですが、このnoteではクリフトンストレングスという名称で進めていきます。

名称未設定のデザイン

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (27)

このnoteは、部下の強みを知って、活かしたい管理職の方向けのものです。

部下と面談をしなければいけないけれど何を話していいか分からない新任管理職の方にも使っていただけるように、面談で話す内容や言葉の使い方についても書いています。

部下がストレングスファインダーのテストを受けていることが前提となっています。
ただし、ストレングスファインダーの結果は、会話の糸口としてのみ使います。
管理職の方にストレングスファインダーの知識がなくても対応できますので、ご安心ください!


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (2)

私は、クリフトンストレングスの専門家であるGallup認定ストレングスコーチとして300人以上の方と1対1で向き合い、強みを深堀りしてきました。
ストレングスコーチとして独立するまでは会社勤務をしていまして、管理部門の管理職として人材育成にも携わっておりました。

このnoteでは、これまでの経験を組織内で使えるようにアレンジして紹介いたします。

・1on1面談をすることになったけれど、何を話せばいいか分からない…
・自分とタイプが違う部下の育成をする自信がない…
・部下が自分の言うことを聞いてくれるとは思えない…

といった悩みを解決することが、このnoteの目的です。

会社内で面談をするのは上司-部下の関係が多いと思われるため管理職の方を想定して書いていますが、強みを活かした育成をしたい全ての人に参考にしていただける内容です。

こちらのnoteの構成ですが、無料部分と有料部分に分かれております。

無料部分:面談の基本の流れと注意事項
有料部分:具体的なトーク例や面談に使える強み解説シート


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無料部分は、クリフトンストレングスを使った1on1面談を行いたい全ての方を対象に、基本の流れと注意事項を書いています。
無料部分と目次を見ていただくだけでも、クリフトンストレングスを使った1on1を進める手順がお分かりいただけるように、このnoteの半分近くの約1万字を無料で公開しています。

面談に慣れている方や話し上手な方は、無料部分をお読みいただくだけで、クリフトンストレングスを使用した面談をしていただけると思います。


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有料部分は、1on1面談やクリフトンストレングスを使った育成が初めての方でも安心して取り組んでいただけるように、面談で使える具体的なトーク例を盛り込んでいます。
また、オフライン・オンラインに関わらず、実際に面談の場でご利用いただける「強み解説シート」もプレゼントいたします。

こちらのパートには各ステップにおける質問の例を具体的に書いているため、メンバーの方々へのネタバレ防止のために有料にしております。
(それもあって、買うのに少々勇気のいる金額設定としておりますが、その分、ご購入者限定特典をお付けします!)

面談が苦手だったり部下と何を話せばいいのか全く見当がつかない方は、有料部分を参考にしていただくことで、メンバーと強みについて対話ができるようになります。

有料部分をご購入くださった方は、下記の特典をご利用いただけます。

メモ (2)

このnoteの有料部分をご購入いただいた方に、以下の2つの特典を用意しております。

特典1:強み解説シート
特典2:メールで質問を受け付けます


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この面談では、クリフトンストレングスを受けたときに発行されるレポートを活用して進めますが、レポートは文章が長く、ときには日本語訳が分かりにくい部分もあります。

そのため、核心にたどり着きにくい一面があるので、各資質ごとの本質部分を抜き出した「強み解説シート」を作りました。
各資質ごとに7つの短い文章でそれぞれの資質の核の部分をまとめています。文章を短くすることで解釈の余地が生まれ、ヒアリングの幅が広がるように意識して作っています。

こちらのシートは、私が個別セッションでお客様の強みを掘り下げるために使っているものを、クリフトンストレングスに馴染みがない方にも使い勝手が良いように見やすく改定したものです。

このシートは、私のセッションを受けた他の認定ストレングスコーチの方もGallupのレポートより使い勝手がいいからとご自身のセッションに採用していると聞きまして、今回特典としてご用意しました。


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このnoteの内容は、本当は対面の実践的な研修でお伝えしたいものです。
しかし、このご時世、お集まりいただいてのセミナー開催は現実的ではないためnoteにしました。

しかし、対面の研修では質問を自由にしていただくことで理解が深まるのに、noteだとそれが叶わないことが心残りでした。
ですので、このnoteをお買い求めくださった方にはメールにて質問を受け付けます。
わかりにくい部分や、もっと詳細にお知りになりたい部分など、ぜひご質問いただければと思います。

部下の強みを活かした面談の成功をとことんサポートいたしますので、ぜひご活用ください!

メモ (1)

こちらのnoteを有料部分まで全文読まれた方から感想をいただきました!

とても具体的で、再現性高くメソッド化されている点が特に有益だと思います。
ストレングスファインダーだけでなく、コーチングや傾聴のスキルも散りばめられていて、部下にとっても上司にとっても幸せなコミュニケーションになりそうだと思いました。
(M.Sさん)
実際にかける言葉が具体的に書かれていたのでとても実践しやすいです。
(Y.Yさん)
会社の業績等の問題もあり、若手職員のやる気を引き出したり、適材適所に悩んでいたため、ストレングスファインダーを受けて、こんな風に面談出来たら活性化するだろうなと思いました。
(ストレングスファインダーを全員に受けさせることがまず第一段階のハードルですが、頑張ってみます!)

価格設定についてですが、最初少し高いのでは・・・と思ったのですが、個別セッションを受けさせていただいた際に静さんからご質問された手法やノウハウ的なことも盛り込まれていて、高くないと思います。
特典1「強み解説シート」もとても役立つと思います。
(M.Hさん)
クリフトンストレングスを使った面談方法がとても丁寧に、順序立てて書かれており、面談に苦戦している(もしくはもっと効果的な面談をしたい)と思っている方には朗報でしかないnoteだと感じました。

もし私が上司として部下に面談をする立場なら、このnoteを常に手元に置いておきたいと思うほどです。また、面談でなくとも「人の話を聞く」というシチュエーションならばいつでも役に立つと思います。

ボリュームがあるので1回ですべてを理解することは難しいですが、だからこそ何度も読み返し、自分のものにしたいと思いました。
素晴らしいnote、ありがとうございました!
(ゆかねぇさん)


その他頂いた感想もブログに掲載しております。
購入をご検討されている方は、こちらも参考にしてください。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (3)

まず前置きの後、STEP1から面談について具体的に触れていきます。

無料部分はSTEP9の途中までです。

クリフトンストレングスの基礎知識

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (1)

面談の手順に入る前に、クリフトンストレングスとは何かについてご説明します。

クリフトンストレングスは、人の心理と行動経済学を80年以上研究しているアメリカの調査会社Gallup社が開発したテストです。
職業も知識も技術も経験も多種多様な約200万人を対象に「強み」をテーマにインタビューを実施して、その思考・感情・行動のパターンを34種類に分類したものが、クリフトンストレングスのテストで明らかになる「強み」です。

クリフトンストレングスの基本のテストを受けると、自分の「強み」のTOP5を知ることができ、追加料金を払うことで、全34資質の順位がわかります。(なお、その人が持つ「強み」の数は人により違い、概ね8〜14個と言われています)

クリフトンストレングスは世界で2000万人以上の人が受験していて、海外では世界企業番付「フォーチュン・グローバル500」社の9割が導入し、チームメンバーの育成や相互理解、チームビルディングに役立てているという実績があります。

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (4)

クリフトンストレングスで明らかになる「強み」を、私はスマホに搭載されているアプリのようなものだと考えています。
端末(本人)に搭載されているアプリ(強み)次第で、その人が何ができるかが変わってきます。

端末自体にも個性はあります。

・バッテリーが大容量で長持ち
・落としても壊れない
・防水性能完璧
・処理速度が早い
・メモリ容量がとにかく大きい

などなど。

そこに「強み」というアプリが加わって、端末の個性と掛け合わせることで、唯一無二のその人らしさが生まれます。

「強み」の一例:
・着想:アイデアがどんどん湧き出る発明家
・共感性:人の気持ちを理解するのが上手な優しい人
・達成欲:やり始めたことは最後までやりきる努力家
・活発性:行動が早い活動家

自分に搭載されているアプリを上手に使いこなすと、最大限のパワーを出すことができます。
搭載されていないアプリを使うと、結果がなかなか出ずに、ただ疲れます。
アプリの中には、相性が悪くて起動すると端末(つまり自分自身)が落ちてしまうものもあります。

クリフトンストレングスのテストを受けることで、自分にプリインストールされているアプリ、ダウンロードすれば使えるアプリ、相性が悪いアプリを知ることができます。

ただし、このアプリは、持っているだけでは上手く使えません。
使い方を学び、上手に使いこなすことで、強みとして使いこなすことができるのです。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (5)

クリフトンストレングスを用いた面談では、上司とチームメンバーが相互理解による信頼関係を築いた上で、能力開発を行っていきます。

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社員の仕事のパフォーマンスを上げ、前向きに仕事に取り組んでもらうために、上司がメンバーの強みを理解することはとても効果があります。

カオナビHRテクノロジー総研の調査によると、「上司があなたの個性(強み、弱み)や事情を理解することは、仕事のパフォーマンスに良い影響があると思いますか?」という質問に、約60%の回答者が「良い影響がある」と答えました。
特に20代の回答者では80%以上の回答者が「良い影響がある」と回答したそうです。

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また、上司が自分の強みや弱みを理解していると感じている回答者は、会社への満足度が高いこともわかりました。

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※出典:カオナビHRテクノロジー総研 (グラフも転載しております)
https://ri.kaonavi.jp/20190327/


このnoteでは、上司とメンバーの相互理解を深めるために、クリフトンストレングスを用いて下記の3種のアプローチをします。

相互理解のためのアプローチ
・メンバーが上司に理解してほしいと思う「強み」の明確化
・上司が知っているメンバー本人が気づいていない「強み」の伝達
・「強み」がどういうときに発揮されるかの言語化


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これまで「強み」という言葉を使ってきましたが、正確にはクリフトンストレングスで導き出される結果は「資質」であり、「強み」ではありません。
資質は持っているだけでは強みにはならず、適切に使い続けることで強みへと磨かれていくのです。

テストの結果を、既に強みとして使える資質と、強みとして使うために磨くことが必要な資質に分類します。

もう少し磨く必要がある資質については、使う訓練を重ねることで強みへと導きます。

このnoteでは、どのように使う訓練を重ねていくかも解説します。

メモ (1)

※言葉の定義について
ここまでは「強み」という言葉を多用してきましたが、ここから先は入っているアプリ(学習欲、成長促進といったテスト結果)のことを「資質」、上手に使いこなせる資質のことを「強み」と呼びます。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (8)

少し話が逸れますが、このクリフトンストレングス面談と私が現在行っている個別セッションとの違いを説明します。

私の個別セッションでは、お客様の強みが最大限発揮されるパターンを見つけ、取扱説明書としてお渡ししていますが、このnoteでは取扱説明書作りには触れておりません。

私のセッションのゴールは、お客様の自己理解が深まることと、お客様がご自身で能力開発できるような手掛かりを見つけることです。
一方、このnoteのゴールは、上司とメンバーの間の相互理解が進むことと、上司がメンバーの能力開発を手助けできるようになることです。

私のセッションは、お客様とは初対面のため、お客様が普段こなしている役割から離れた本質の部分にアプローチします。
お客様の本質に触れ、お客様がご自身では明確に捉えきれていない強みを明確にし、言語化していきます。

一方、このnoteでは、同じ職場で仕事をしている人同士での面談を想定しています。
普段どのような仕事をしているのかを知っているからこそ、具体的にその人の強みにアプローチすることが可能です。
そして、同じ会社にいるからこそ、毎日の仕事の中で強みを活かす方法を共に考え、実践することができます。
このように共に歩んでいくことを念頭に作ったnoteとなります。


クリフトンストレングスを使った初めての面談

それでは、メンバーとの1on1の実践編に入ります。​


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (9)

STEP1 面談の設定(面談時間について)

このnoteで紹介している面談では、初回に1時間、2回目以降は30分の面談時間を想定しています。
2回目以降の時間は、面談頻度と順調か手こずっているかによっても変わってきます。

面談の頻度が多かったり、日常のコミュニケーションがまめに行われていたり、業務に問題がなく進んでいる場合は、1回の面談が15分程度となる場合もあるでしょう。
しかし、久しぶりの面談だったり、解決すべき問題が多い場合は、それに応じて長引く可能性もあります。

ただ、初回の面談はメンバーの強みと向き合う時間を充分に取りたいので、少なくても1時間は時間を確保するようにお願いします。
また話の内容が周囲に聞こえる場所ではなく、安心して話せる会議室を準備したほうが、よりスムーズに進みます。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (10)

STEP2 クリフトンストレングスの受験

まずは、チームメンバーにクリフトンストレングスの試験を受けていただきます。

このnoteでは、TOP5の資質を見て1on1面談をする前提になっています。
TOP5がわかるテストを受けるためのテストコードの購入方法は2種類あります。

1つは『さあ、才能に目覚めよう』という本を購入すること。(1980円)
本1冊に付き、テスト1回なので、中古本を買わないように注意が必要です。
本屋で購入の際は、一番後ろの袋とじが開封されていないことを確認してください。
Amazonで購入の際は、中古ではなく新品を選びましょう。

『さあ、才能に目覚めよう』のamazonサイトはこちら。
https://amzn.to/3pPiTX7


もう1つは、サイト上でコードのみを購入する方法です。(2340円)

TOP5を知った後に全34資質の順位を知りたくなった場合は、上記のサイトで追加で4680円を支払うと見ることができます。
もし最初から全34資質を見る予定の場合は、全34資質が分かるテストコード(5850円)を購入したほうが割安です。

なお全34資質を知ると、先程触れたアプリの例えでいうところの、自分にプリインストールされているアプリ、ダウンロードすれば使えるアプリ、相性が悪いアプリを知ることができます。

メモ (1)

全34資質を知るとわかることの詳細はこちらを参考にしてください。
(私のブログ。無料記事です)


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (11)

STEP3 面談前の下準備

メンバーとの面談前に、準備をします。
メンバーのテスト結果がわかったら、サイトからダウンロードできるレポートを見ます。
もしくは、該当する資質を『強み解説シート』(購入者特典。この記事の一番最後に添付しています)から探します。

※『強み解説シート』とは
全34資質一つ一つについて、基本的な特徴、活躍するシチュエーション、暴走すると発生する問題点について、一般的な見解を記載しています。
こちらは一般的な見解なので、その資質を持つ人が必ずそういう言動をするものではありません。
そういう傾向が高いというだけです。

1位の強みについての説明を見て、そのメンバーの普段の言動に表れている部分があるかを考えてみてください。
特に、その言動がプラスに現れている例を探しましょう。
どうしても見つからない場合は、保留で大丈夫です。

これを1位〜5位まで、5つの資質それぞれに行います。



クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (12)

STEP4 面談時の心構え-クリフトンストレングスはコミュニケーションツールである

面談が成功するかどうかは、上司側の心構え次第です。
STEP4〜5の面談時の心構えを心に叩き込んでから面談に臨んでください。

まず、心構えの1つ目。

クリフトンストレングスはコミュニケーションツールです。
メンバーのことを一方的に暴いて丸裸にするものではなく、相互理解のためのツールです。

クリフトンストレングスは正解を示すものではありません。占いでもありません。
なので、このテスト結果を元に相手を決めつけてはいけません

例えば、「社交性」という新しい人と知り合うことが好きな傾向がある強みがあります。
あなたのメンバーが社交性を持っていたとしても、「あの異業種交流会に行ってきて。社交性あるから行きたいでしょ?」と決めつけてはいけません。

人によって、知らない人が集まるパーティーが好きな社交性もいますが、明確な目的がある場でのみ社交性を発揮するタイプもいるのです。
相手の「社交性」がどういうときに発動するかを知らないまま、「あなたってこういう人だよね」と決めつけることは危険しかありません。

また、「あなたはこの資質がないから、これができないね。」と決めつけることも危険です。
他の強みを組み合わせて工夫すればできる場合もあるのに、できないと決めつけられることで試行錯誤をする意欲もなくなってしまいます。

この人はできる/できないと頭から決めつけるのではなく、「どういうときならできるかな?」と考えることが大切です。

メモ (1)

全34資質の順位を見たときに、下の方にある資質についても同様です。
「着想」というアイデアが湧く資質が最下位だからといって、その人が全くアイデアを出せないかというと違います。
上位にある強みを組み合わせて、アイデアを出せる場合があるのです。

例えば「収集心」という情報を集めるのが得意な資質で情報を集め、「アレンジ」でその情報を組み合わせることで、新たなアイデアを生み出している人もいます。
この人の場合、情報をしっかり収集できる環境にあればアイデアが出せる、というように、工夫すればアイデアが出せるのです。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (13)

STEP5 面談時の心構え-面談はメンバーの話を聞く時間

面談は、メンバーの話を聞くためにある時間です。

メンバーとの面談というと「何を話そうか」と悩む上司がいますが、そこに悩む時間があったら「何を聞こうか」と考えてください。

特に初回面談のうち最初の30分は、上司 1:メンバー 9 くらいの発言数を目指します。

特典の『強み解説シート』は口数が少ないメンバーでも話しやすくなるように、解釈の余地が多く生まれるように作っています。

メンバーが何も話してくれなかったら、こちらも黙って待っていればいいのです。

沈黙は悪いことではありません。
沈黙でも居心地が悪くならないようにするためには、まず上司側が沈黙を心地よく味わうことです。

目の前のメンバーがなぜ黙っているのか、予想してみてください。
何を話そうか、一生懸命に言葉を探しているのかもしれません。
話したいことはあるけれど、口に出していいのか迷っているのかもしれません。
理由はどうあれ、こちらから声がけする必要はありません。
メンバーが何かしら発信するのを待ちましょう。

こちらから声を掛けるのは、メンバーが考えることを諦めたときです。
困った顔であなたの顔を見てきたときや、考えることを放棄して全く別のことを考え始めたとき(外を見たり、時計を見たり、上の空になったりしたとき)です。

とにかく、この面談では、待つことが大切です。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (14)

STEP6 初回面談の目的

それでは、ここから具体的に面談の手法に入ります。

まずクリフトンストレングスを使う面談の初回の目的は、メンバーの強みを「共に」理解することです。

上司がメンバーの強みを見抜いていても、それをメンバー本人が強みだと思っていなければ、強みを活かすことはできません。
逆に、メンバーが自分には強みがあると思っていても、上司がそれを理解してくれないと、強みを発揮しずらくなります。

メンバーの強みを言語化し、上司とメンバーで共有することが大切なのです。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (15)

STEP7 初回面談で用意するもの

初回面談で用意するものは、メンバーのTOP5の強みの説明レポート(もしくは『強み解説シート』)です。

オフラインで面談する場合は、プリントアウトします。

オンラインで面談する場合は、メンバーに共有できるように準備しておきましょう。
画面上で共有できるのであれば、その準備を。
画面上で共有できない時は、事前にメールで送るなどして、同時に見られるようにしておきます。

この準備ができたら、いよいよ面談のスタートです。

名称未設定のデザイン


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か

STEP8 初回面談-1(導入:想定所要時間3分)

さっそく面談が始まりました。
メンバーは、これから何が始まるのか興味半分不安半分といった状態だと思うので、まずクリフトンストレングスを使用した面談について説明をするところからスタートします。

ここで伝えることは以下の4点です。
・チーム全員の強みをそれぞれ理解したいと思っていること
・それぞれに自分の強みを伸ばしてもらいたいこと
・今後はチーム全員が強みを活かした仕事ができる状態を目指したいこと
・そのために、今日のこの時間であなたの強みを知りたいこと

トークの一例:
「先日はストレングスのテストをお疲れさまでした。
 この時間はこのテストの結果を元に話をしていきます。
 皆さんにテストをしてもらった理由は、皆の強みを知りたいからです。
 皆の強みを知って、今後はそれぞれの強みを伸ばしていける環境を作りたいと考えています。
 すぐには難しい部分もあるかもしれないけれど、皆が強みを生かした仕事ができると、このチームが強いチームになると考えています。
 そのためにテストを受けてもらいましたが、テストだけではわかりにくい部分があるので、あなたの強みをもっと具体的に知るために面談の時間を取りました。
 どうぞよろしくお願いします。」

なお、想定所要時間は3分を予定していますが、厳密に考えなくて大丈夫です。
1分で終わったら、そのまま次に進んでください。
メンバーから質問が来たら、3分を超えても構わないので、メンバーが納得するまで答えてください。


クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)とは何か (1)

STEP9 初回面談-2(ヒアリング:27分)

導入が終わったら、初回面談で一番大切な肝の部分であるヒアリングに入ります。
ここでメンバーが話をしてくれればくれるほど、強みを共有しやすくなります。

なお、ここでの想定所要時間は、前置き2分+各資質ごとのヒアリング5分×5資質の計27分と置いています。
ヒアリングは1つの資質に付き5分が目安ですが、話が盛り上がったら5分を超えますし、話が膨らまなかったら早めに次の資質に移っても大丈夫ですが、5つの資質トータルで25分くらい話を聞くと強みが見えてきます。

ヒアリングした内容は、後で見返すことができるようにメモを取りながら聞きましょう。

ヒアリングの目的は2つあります。

1つ目は、そのメンバーの強みをいろいろな角度からあぶり出すことです。
会社で共に働いていると、その人の強みは割当てられた仕事を通して見出されますが、表面から見えにくい部分で強みを発揮している場合や、その人の強みと仕事がマッチしていない場合には、強みが見逃されてしまいます。
見逃している強みを見つけるために、5つの資質を通して様々な方向から話を聞きます。

2つ目は、そのメンバーの強みの解像度を上げることです。
「あの人は営業が得意」というように強みが把握されている場合でも、どのようなお客様でどのようなシチュエーションのときに特に成果が出るのかといった具体的なところまで言語化されていないことがほとんどです。
その人の強みを言語化して再現性の高い強みとするために、強みが発揮される状況を細かく聞いていきます。


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-最初の質問

ヒアリングは、まず最初に「テストの結果を見てどうでしたか?」と質問するところから始めます。
自分らしいと感じた資質と、ピンとこなかった資質を聞いてみましょう。

この質問の目的は、この先、TOP5の資質を一つずつ深堀りしていくための順番を決めることです。
自分らしいと感じる資質については話しやすいため、ヒアリングがスムーズにできます。

なので、メンバーの答えを聞いたら、理由は聞かずに次に進んで大丈夫です。
(メンバーが進んで理由を教えてくれたら、聞きましょう)


メモ (1)

実はピンとこない資質こそ、その人の本質を表していることが多いです。
本人の奥底に資質が入り込んでいるため、自分がその資質を持っていることが見えないのです。
なので、本人が「私にはこの資質はないと思う」と言っても鵜呑みにはせずに、「そう思うのですね」と流してください。



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-各資質のヒアリング

いよいよ、資質一つ一つについてのヒアリングに移ります。

本人が「自分らしいと思う」と答えた資質1つのレポート(又は『強み解説シート』)を渡して(オンラインの場合は共有して)、「これに目を通して、当てはまるところがあったら教えてください」と伝えます。

なお、「自分らしいと思う」と答えた資質が複数ある場合は、その中のどれから始めても大丈夫です。
決まりはありませんが、あなたもそのメンバーらしいと思う資質から始めると比較的やりやすいです。

メンバーに紙を渡したあとの反応は3種類に分かれます。

メンバーの反応
A:1行ずつ目を通して、「これは当てはまります。これは当てはまりません」と一つ一つ答えていくタイプ
B:まず全体に目を通してから「これとこれとこれは当てはまります」とまとめて答えるタイプ
C:紙をほとんど見ずに、自分の話したいことをバーっと話すタイプ

Aタイプは、人の言うことに従いながら順序立てて物事を進めていくタイプ。
Bタイプは、自分で考えて納得してから動きたいタイプ。
Cタイプは、思いついたことはすぐにやりたい、じっとできないタイプ。
の傾向が高いです。

メンバーから話を引き出すためには、このA、B、Cそれぞれのタイプに応じた相槌を打つことが大切です。



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-相槌の打ち方

このヒアリングのパートでは、双方の会話量を上司1:メンバー9にすることを目指します。
メンバーが何を言おうとも、上司はひたすら「うん、うん」と相槌を打つのが基本姿勢ですが、そのポイントをお伝えします。

Aタイプ(その都度答えていくタイプ)の場合

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