韓国情勢から学ぶべきこと
昨夕、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案が可決されました。
今回は、最近の韓国の状況を見ていて、思うところを記述したいと思います。
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その前に、私は以前、東アフリカに所在する日本大使館で勤務したことがあり、その頃、ある韓国人との交流がありました。
彼の名は姜(カン)さん。
韓国大使館の外交官で、人手不足のため総務・政務・広報・領事などを幅広く手掛けるとても優秀な方でした。
カンさんは、公使(次席)という要職にあるにも関わらず、ご夫婦とも庶民的で親しみやすく、子供たちも素直で可愛らしいお子さんばかりでした。
アフリカという日本から遠く離れた異質な国で、日常的にほとんど東洋人を見かけない環境下に置かれると、不思議と韓国人がとても近しい存在に思えました。
何故、この話を持ち出したかというと、「どこの国にも心がけの悪い輩も居れば、敬愛すべき真っ当な人も居る」ということを、前置きしておきたかったからです。
さて、ここからは、韓国について批判的な内容になりますが、あくまでも、それは韓国社会全般や体制を対象としていますので、予めご了承ください。
きっかけ
私が、最近の韓国情勢を見て一筆書きたいと思ったきっかけは、時折、この国の行く末に関わる大切なお話を発信して下さっている akiyochan 様のこちらの記事でした。
記事の中でご紹介されている声明文を見れば一目瞭然だと思いますが、私達が今みているお隣、韓国で起きている出来事は民主主義の崩壊です。
偏った報道から、ユン大統領の方が民主主義を崩壊させているように見えるかもしれませんが、そうとは限りません。
ユン大統領の真意は
私には、ユン大統領のこの声明の方が真相のように見えます。
そこには、大統領職にあるユンさんにしか分からない危機感があるのでしょう。
それは、国政を麻痺させてきた韓国の巨大野党こそが諸悪の根源であるということです。
ユン大統領は、当初から自分が弾劾訴追にかけられることは織り込みの上で、自らの政治生命をかけて行動を起こしたと思われます。
やり方に多少問題があったかもしれませんが、世直しのためには、最小限の戒厳令でショックを与えることが必要と考えたのではないでしょうか。
多くの国民が左翼野党に心を奪われ、国の行く末を危うくしている状況に鑑み、「国民よ、いい加減に目を覚ませ」と一喝したいのが本音かもしれません。
韓国の民主主義崩壊の兆候は、前政権期において、しばしば見受けられました。
兆候①:対馬仏像盗難事件
ひとつは、2012年、長崎県対馬市の三つの神社・寺院から、韓国人窃盗団によって重要文化財の仏像2体などが連続盗難された事件です。
朴槿恵(パク・クネ)政権末期の2017年1月、反日政策に引っ張られる形で、韓国の裁判所が、盗難仏像の日本への返還を拒否する判決を下しました。
行政や立法に巣食う左派勢力の意向に司法判断が歪められ、「この国の三権分立(注1) は機能しているのか」と感じた方も多かったのではないでしょうか。
兆候②:FCレーダー照射事件
もうひとつは、文在寅(ムン・ジェイン)政権下の2018年12月、警戒監視のため能登半島沖の日本海を飛行中だった海上自衛隊のP-1哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」(クァンゲト・デワン)から、FCレーダー(注2) の照射を受けた事件です。
このビデオでは、クルーは冷静さを保っていますが、今にもミサイルを撃たれる寸前の緊張状態に置かれたのです。
政権交代で政策が揺らぎやすい自由主義諸国では、国家の根幹を成し、積み上げに10年単位の歳月を要する安保政策については、通常、政権が変わっても無闇に変更しないものですが、
それまで自衛隊と韓国軍の間で保たれてきたミリ・ミリ(Military to Military)の信頼関係は、この事案を機に一挙に崩壊しました。
その後、日韓の亀裂に危機感を持った米国が仲裁に入り、何とか日米韓の連携を立て直そうとしたことは周知のことと思います。
兆候③:反故にされた日韓合意
更に、2015年12月、安倍さんの大きな政治決断によって進められた、いわゆる「日韓合意」の件です。
この合意では、今後一切、慰安婦問題を蒸し返さないことが確認され、2016年8月、日本は韓国が設立した元慰安婦を支援する財団に10億円の拠出を履行したはずですが、
その後、交代した文在寅(ムン・ジェイン)政権は、その合意を一方的に踏みにじり、慰安婦像の撤去を履行せず、更に、2019年7月には財団を一方的に解散させました。
我が国から拠出された10億円は、一体どこへ消えたのでしょうか。
韓国は、政権が変わると前政権の政策や日本などと交わした約束事を反故にしてきた経緯があります。
約束事を履行しないのは専制主義国家の最たる特徴であり、これでは、もはや民主主義国家とは呼べません。
本質的な問題は何か
厳しい言い方になるかもしれませんが、この状況は、近年、韓国国民の「心の守り」が弱体化し、大多数が左傾化したが為に、自ら墓穴を掘ってしまったようにも見受けられます。
つまり、問題は必ずしも政治的なものばかりではなく、国民全体の心の在り様にも起因するということです。
日本と韓国の大きな違い
そういう意味では、日本には韓国にはない大きな強みがあります。それは、これまでにも何度も取り上げてきた「日本の心髄」のことです。
日本の心髄とは、すなわち「八百万の神々と神道」、「武士道」、「和の精神」、そして「万世一系の天皇」など、日本の宝ともいうべき真心の総称のことです。
冒頭でご紹介したカンさんは、「日本には天皇が居るので羨ましい」と仰られておりました。
それは、日本文化の素晴らしさを理解していたカンさんの、真実の言葉なのだろうと思います。
私たち日本人は、天皇陛下や神道を中心とし、武士道の一部や和の精神が浸透した日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに真っ当な人間としての真心が育まれているのです。
難しい経典がなくとも、高い精神性や倫理観が文化として根付いており、苦しい時は神社仏閣を訪れるだけで、荒んだ心が回復される。
その事がどれだけ「尊い」ことか。
韓国も含め、世界中どこを見渡してもそのような国は他にありません。
脅かされる日本の心髄
しかし、今、その美しい日本の心が、脅かされています。
本来、国の守りは物心両面から行うものであり、国民の「心の守り」が疎かになると、近い将来、韓国のような結末を辿る恐れがあるのです。
今、多くの日本人が、LGBTQや夫婦別姓など、闇雲に外国基準に合わせようとしたり、左翼メディアやネット上に流れる偽情報に心をを奪われ、本質を見失っていることを、とても危惧しています。
だから、日本もそうならないようにするためには、次の事に注意する必要があります。
● 真偽を見極める力を養い、氾濫する偽情報に惑わされない
● 深く考えないまま、ただ闇雲に、現状変更に加担しない
● 具体的な改善策を伴わない批判は、ただの他力本願的な行為でしかない
私たち大人が、たくましさを育むことを忌避し、楽に生きることばかりを追求したがる風潮に軽々しく加担していては、一体、どうやって子供たちの明るい未来を守る事ができるのでしょうか。
おわりに ~ 韓国は何処へ向かうのか
ユン大統領が更迭されると、恐らく、次は「反日闘士」の異名を持つ李在明(イ・ジェミョン)が大統領に選出される可能性が高くなります。
そうなると、韓国では再び反日政策が蒸し返されて、日韓関係は急速に冷え込むことが予想されます。
2023年3月、岸田首相と尹大統領の間で正常化された「日韓GSOMIA」(注3)も反故にされ、日本の安全保障にも影響が出てくるでしょう。
そして、韓国が自由主義陣営から遠ざかったその先にある最悪のシナリオは、反日の「統一コリア」が誕生することかもしれません。
私が最も恐れていることは、日米韓の足並みが崩れることによって、中国、ロシア、北朝鮮を更に勢いづかせてしまうことです。
そう考えると、あんな国でも、今は、何とかして自由主義陣営に引き留めておきたいところです。
未だ、混乱冷めやらぬ韓国ですが、今後、あの国が左派勢力に取り込まれないよう、ユン大統領や、カンさんのような真っ当な心を持つ方々には、何とかして頑張って欲しいと思ます🍀