身なりは綺麗にしたいが見栄えはムリしたくない
おしゃれすぎる花屋に行った。正確にはグリーン系の観葉植物をメインに、花を少し置く店だった。
来客はみんな綺麗に着飾っていた。私は靴やサンダルに少し詳しいから、彼らの足元を見ることで、どれくらいお金を持っているのかある程度イメージできた。
店の内装もミニマリズム風で洗練されていた。雑誌『BRUTUS』の部屋特集みたいなシックな空間が実際にあることを知って私はおどろいた。
いっぽう、私のファッションセンスは年々落ちている。というか、ここ数年はもう自分の体とライフサイクルにとってちょうどいいものを選ぶようになった。
もちろん私だってみんなと同じ時代を生きているから、周囲とかけ離れた格好をしているわけではない。自分の心がときめいたものを衝動買いすることだってある。
服装の良すぎる人たちが放つあの不自然なオーラの正体は何なのだろう?
おしゃれじゃないことを「やぼ」というが、「やぼ」の反対は「いき」ではなく「きざ」だそうだ。これはお金持ちに限った話ではないけれど、服装がきざなのは好きじゃない。
その人が嫌いなのではなく、虚栄心の影響を受けたくないのだ。それはカメラを向けられた時だけつくる笑顔と似ている。
でも、その反対のような格好の人にも不快感をかんじる。極端に安価か、状態の悪いもので全身を構成するスタイルも好きじゃない。
その中間というか、小さなこだわりとぼんやりした全体像ぐらいがちょうどいい気がする。