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なぜシンプルなファッションが長続きしないか/体温と社会性

夏に向けたファッション誌を見るといつも「シンプル」というキーワードが出てくる。

実は年始に向けたファッション誌でも同じようにシンプルとかベーシックとか言われる。

でも本当にシンプルでベーシックな格好をずっと続けている人を見たことがある人はいないと思う。私もシンプル系が好きだが、どうしてもどっかに「凝った部分」が入っているものを買ってしまう。

守るもの

まず服とは何かを考える。

服は究極的には「自分を守るもの」である。

そのうえで「体温を守る」「ケガから守る」そして「社会性を守る」なんて枝分かれするものだ、というのが私の意見だ。

私は真夏でも革靴を履いて仕事しないといけない。体温にとって不利だが、社会性にとっては有利なのでこうする。

おしゃれのために夏でもブーツを履くひともいる。これも体温にとってはサンダルのほうがぜったい有利なはずだ。きっと社会性のためだろう。

どのポジションに立ちたいか

社会性というのは、いつもはあんまり意識していないが、とっても大切なものである。

それはマナーという意味もあるけど、それを超えてどうしても「他人からどう見られているか」を気にしてしまう。

しかも「他人の目線なんて気にしなくていい」という人に限って装いにこだわっていたりするから、集団生活をするうえではもう避けられないのだろう。

とくに、「かっこい・かわいいと思われたい!」という人は少なくても「ダサい・古いと思われたくない!」という人はけっこう多いんじゃないだろうか。

マイペースで歩けない

というわけで、ダサい人・古い人と思われないために、まだ使えるはずの服を売って新しい服を買ってしまう。

ヘタすると、自分ではそこまで素敵だと思っていない腕時計を付けている人もいるかもしれない。

のんびりマイペースで歩きたいが、早歩きの人混みに入ってしまうと、実際にはのんびりマイペースで歩けないのだ。