ウエハースサンド

ウエハースサンドは菓子界のスシ

 ウエハースサンド、それはクリームなどを挟んだスポンジケーキをウエハースで挟んだお菓子である。あまり売ってないので知らない人もいるかもしれない。それに対し有名な日本食であるスシ。知らない人はいないだろう。わたしは今日ウエハースサンドにスシ性があることに気が付き、至急発表することにした。

 一つ目、それは見た目である。スシは酢飯を魚の切り身と皿でサンドしたものである。上の魚の切り身はネタという。ネタの種類によってスシは姿と見た目を変える。鮮やかな赤色のまぐろ、だし香る黄色のたまご、ピンクと白のストライプのえび……この多様な見た目はおいしさとかわいらしさをもち老若男女に人気なのもうなずける。ではウエハースサンドはどうか。ウエハースサンドにおいてネタにあたるのは外側のウエハースである。ウエハースはピンク、黄緑色でカラフルでおしゃれだ。このカラフルでキュートなウエハースに黄色いスポンジケーキがはさまれている。2色の鮮やかな佇まいは見ているだけで楽しむことができる。種類の豊富さという点ではスシより圧倒的に少ない。だがかわいらしさは負けていない。ウエハースサンドも老若男女に人気が出る可能性は十分あるのだ。

 二つ目、それは食感である。なぜスシが現代まで人気で世界に羽ばたこうとしているのか。その要因に食感が含まれているはずだ。生の魚の肉は弾力があり少し噛み切りにくい。その噛み切りにくさは絶妙でそれが酢飯と相性がいいのだ。握った酢飯は口の中に入れるといとも簡単にばらけ口の中に広がるのがわかるだろう。ごはんは細かい粒の構成体でありそれぞれは粒がもつ粘性で緩くつながっている。それゆえ軽く歯を入れるだけで崩れるのだ。噛み切りにくい魚の肉と崩れやすい酢飯。これをドッキングしたスシを口にしたらどうなるか。酢飯は軽い力で崩れ、魚を噛み切るのを邪魔しない。この驚異の食べやすさによって魚と酢飯の味を同時に味わうことができるのだ。酢飯があることでボリュームが増し一個でも十分満足感を得られる。しっかり噛む必要のある魚があることで酢飯の味もしっかり味わうことができて刺身とは違う味わいがある。食感の違う二種の食材が組み合わさり新たな味わいが生まれるのだ。

 同じことがウエハースサンドにもいえる。外側のウエハースは弾力性を備えており食べるとのどにひっついたりする。内側のスポンジケーキはその名の通りスポンジのような細かい穴が空いており空気を含んでいるので非常に軽い。口に含むと軽い力で崩れふわっとした食感を味わえる。そう、この食感の違いによって独自の食感が生まれるのだ。ウエハースサンドを口に含むと、歯はまずウエハースを噛み切ろうとする。ウエハースを噛み切った瞬間、同時にスポンジケーキは崩れるのだ。つまりウエハースの弾力性を感じながらスポンジケーキの味を感じることができる。ウエハース単体だけではボリュームがなく、スポンジケーキ単体だけでは歯ごたえがない。二つが組み合わさることで生まれる食感。これがスシとウエハースサンドがもつ強力なうまみであるのだ。

 スシとウエハースサンド。それはかわいらしさと独自の味わいをもつ優れた料理である。しかしながらスシにくらべてウエハースサンドの知名度は低い。スシと同様次の世代に受け継がれてほしいとわたしは思っている。ゆえにこのnoteを投稿する。ウエハースサンドは菓子界のスシである。きみも買って食べてみて、その食感を味わってほしい。

そして目指せ世界へ……