日本に学びに行く若者が、村を発展させる

地球市民の会のミャンマー事業スタッフが書くミャンマーにまつわるエッセイ。第70回は鈴木が執筆しました。

※この記事は、地球市民の会のミャンマー復興支援基金に10万円以上ご寄付いただいた方、継続ご寄付いただいている方(Mサポ会員様)への限定記事となりますが、寄付者以外の方でもご購入いただけます。売上金は地球市民の会の活動のために使わせていただきます。

※Mサポ会員様には記事内容をメールでお送りいたしますので、note上でご購入いただく必要はありません。


オンライン日本語教室

昨年より、タンボジセンターではオンラインでの日本語教室を月に2度実施しています。日本にいる支援者さんと、ミャンマーのタンボジセンターをzoomでつないで、楽しみながら少しずつ日本語を学んでいます。コロナやクーデター以降、日本の方と交流する機会がほとんどなくなっているタンボジセンターにとって、大変貴重な機会です。先日、今年度の第一回目の日本語教室を実施しました。

日本語教室の最後に記念撮影

タンボジセンターの生徒の何人かは「高校を卒業したら、日本に行って働きたい」という目標を持っています。クーデター以降、国に希望が持てず、経済状況もよくないので、若者の多くは外国への出稼ぎをしたいと考えています。私の住むシャン州周辺では、学歴がない人はイリーガルな方法でタイに出稼ぎに行き、少し学歴がある人は日本や韓国を目指します。

日本で働くには、日本語を勉強したり手続き関係にお金がかかったりして大変なのですが、それでもチャレンジする若者がたくさんいます。当会のスタッフが「私の村ではほぼ全員の若者が日本語を勉強してます。このままいくと、数年後には日本には日本人よりもミャンマー人の人口のほうが多くなるかもしれません(笑)」と冗談を言うくらいの状況になっています。

タンボジセンターに来ている高校生も、少し年上の出稼ぎブームに触発されているようで、日本に行きたい子が増えてきているようです。zoomでの日本語教室は月に2回ですが、やる気がある子はチャンスを利用して、どんどん日本語能力を磨いていってもらいたいです。


日本に学びに行く若者が、村を発展させる

現役のタンボジ生だけでなく、卒寮生の中にも日本で働くことを目指して頑張っている子たちがいます。すでに日本語の勉強もかなりしています。高校生のときに2年間様子を見ていますが、しっかりと頑張る性格の子たちで、センター長も「この子たちだったら推薦できる」と言っています。地球市民の会でもなんとか受け入れ先が見つけられないか、試行錯誤しているところです。

ミャンマーの地域開発をやっている地球市民の会が、なぜ若者が外国に出稼ぎに行くのを応援するのか。地域から人材が流出するのは、地域の損失ではないか。そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

今のミャンマーにとって、外国で働くことは、その人個人のためだけではなく、村全体の発展にもつなげられるのではないかと、私たちは仮説を持っています。例えば、農業の分野で日本で数年経験を積み、ミャンマーの農村に帰ってきた若者がいたら、その村はどうなるでしょうか。それが一人ではなく、複数人いたら、その村の農業はどんどん伸びていくのではないかなと思います。ミャンマーの農業のレベルと、日本の農業のレベルは全く異なります。日本の農業のレベルを身に着けた人が、ミャンマーで日本レベルの農業を実践していったら、ミャンマーの農村の未来は明るくなりそうです。

そのために、まずは私たちがよく知っていて安心できるタンボジの卒寮生2名を日本に送りたいと考えています。もし、受け入れできそうな農家さんをご存知の方は、お知らせいただけますと幸いです。以下、地球市民の会のFacebookに投稿した募集文です。


\\ご紹介お願いします!//

タンボジ寮生OBを受け入れてくださる農家さんいませんか??

地球市民の会は、ミャンマーシャン州でタンボジ農業畜産研修センターを運営しています。ここでは優秀ながらも経済的に進学が困難なこどもを選抜し、将来の農村リーダーになるため育てています。

数か月前、このタンボジ寮の卒寮生2名から、特定技能の「農業」で日本に行きたいと相談を受けました。

いくつかの農家さんに声をかけましたが、まだ受入れ先が見つかっていません。

ミャンマーは今も大変な状況です。いずれは、TPAとのかかわりの中で日本が好きになった子たちが、こうして日本で農業技術を身に付け、日本にもミャンマーにも貢献できるような人に育っていく・・・というような事業もできるといいな~とぼんやり考えていますが、まだ実現は先。

今回は、この2名だけでも受け入れ先が見つかるといいなと願っております。

もし何か関係する情報をお持ちの方、紹介できるかも?!という方、情報お寄せいただけますと幸いです。


※この記事は、執筆者の個人的意見です。地球市民の会を代表する意見ではありません。

※この記事は、ミャンマーの状況を解説したものであり、政治的な意図は一切含みません。

※こちらはMサポ会員様、購入者限定公開の記事となります。記事内容の転送・転載はお控えください。


【7/28】ミャンマーオンラインスタディツアー〜ローカル市場で食い倒れ!&ミャンマーでお買い物!〜

「コロナと政変で、大好きなミャンマーに行きたいけど行けない・・・」
そんなミャンマー好きの気持ちに応える地球市民の会のオンラインスタディーツアー。7月のテーマは、「市場」です!

人々の生活に欠かせない「市場」。一言で市場と言っても、地球市民の会の事務所があるミャンマーのタウンジーにはいろんな市場があります。

・ほぼ毎日開催されている常設の市場
・5日に1回開催される五日市
・夜に屋台が並ぶナイトマーケット

日本人からすると、何に使うのかよくわからないものや、珍しい食べ物など、面白いものがいっぱい!
地球市民の会のローカルスタッフが、ローカル市場の雰囲気をお伝えします♪

■開催日程:2023年7月28日(金)19:30-21:00
■開催場所・方法:オンライン開催(ZOOM)
■お申込みはこちら


ここから先は

410字

¥ 1,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?