社会の成長・発展

榊正壽

社会の発展には「成長」が必然との考え方がある。岸田政権の「新しい資本主義」ついても「分配」を重視しつつも「成長」無くして「分配」はできないという考え方は有力である。
さて、「寿司魂」という漫画作品がある。この作品は「江戸前の旬」という銀座の寿司店にまつわる物語のスピンオフ作品であるが、時代背景が戦後~高度成長気というところに特徴がある。
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この作品では「江戸前の旬」の主人公の父の半生が描かれているが、本質は日本の高度成長期=戦後昭和のメインの時代がどんな社会であったか、にある。
この時代は社会課題が山積していた。戦後の後始末、公害、経済的貧困、学生運動を起因とした過激派による事件、などのネガティブ要因。
一方、急激な経済成長による社会生活の改善、未来に向けての希望、オリンピック等の国際イベントでの日本人の活躍、等によるポジティブな側面もあった。
現在のノスタルジーでは、昭和時代の評価として、このポジティブな側面を強調するきらいがある。
しかしながら、この時代のネガティブ要因は相当なもので、公害で言えば、水俣病、イタイイタイ病のなどの被害は顕著であったが、多くの人口がいた東京においても河川の汚染によるジワジワとした健康被害等、現在では考えられない環境にあった。
その他、職場における劣悪な労働環境、前時代の価値観による労働者への圧迫(また、それを美談とする風潮)、女性を男性の下に置く風潮、経済成長を過度に優先することによる犠牲をいとわない慣習、等もあった。
これらの事実を俯瞰すると現在は確かに社会的に好転しており、弊害は多いと言うものの、トレンドとして、「変化」や「成長」を否定するものでない、と考えるのである。
「心」という観点では、今後、成長・発展すると思える状態はかなりのプラスのエネルギーであり、「寿司魂」で描かれる時代の莫大なネガティブ要因を打ち消してしまうほどの効果は何なのか、興味深いテーマである。


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