読書記:「『捨てない末来』はこのビジネスから生まれる」(岩元美智彦著、ダイヤモンド社) (2018.12.2日経産業新聞寄稿)

----後日のコメント------------------------
2021年後半、気候変動とエネルギーの問題が注目されるなか、経済的なエネルギー問題として石油の高騰がいろいろ言われています。
この本で紹介されているのは「日本環境設計」という会社の技術ですが、環境対策の運動論に届まらず、サステナブルなビジネスモデルとなっていることが、エネルギー問題の根本に繋がると考えています。
このビジネスモデルの社会的ポーションの拡大や技術的な発展と利権の固まりである石油ビジネスとの関係がずっと気になっています。
今程度の社会浸透度合いで進展していくのがサステナブルであって、あまりに拡大すると良薬が劇薬になって反作用を呼び起こしはしないかと少しドキドキしています。

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古着からジェット燃料を作る技術を持った会社の経営者の著作であるが、この本を読むとその技術にとてもない可能性があることがわかる。単なる技術ではなく、繊維製品の再生においてはコスト面も含めて事業として成立する仕組みで、サステナビリティー社会の具体的なソリューション事例として大変興味深い。
都市鉱山からの資源再生という優れた技術がベースになっているビジネスモデルである。古着の回収を理想論ではなく現実的に実現するための仕組みづくりが重要な成功要因となっており、その部分については会社のビジネスではなく社会貢献否動としての位置付けになっている。このリサイクルプロセスには企業だけでなく、消費者が重要な役割を果たすことが背景にあり、消費者が共感できる仕組みでなければ成立しない。
「循環型社会」で社会を変えるというマルチステークホルダーを意識したプロジェクトなのである。さらに、こういった社会貢献型のビジネスでありながら、会社自体は常に黒字であることが、サステナブルなビジネスモデルで

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