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幸せになってほしいと思えるまで

少し前までは相手の幸せなんて
とても願えないと思っていた。

もちろん私にだって沢山の非はあるのだけれど
隠し通すつもりだった好きという気持ちを
強引に表に出す流れを作られ
挙句やっぱりお互い今の相手を大切にすべきで
一緒になるべきではないと結論を突きつけられ
(私も同じ考えだったとはいえど)

勝手に始めて勝手に終わらされて
私のこの感情はどこにぶつければいいのかと
少し恨めしい気持ちを持っていた。



そんな一連の騒動から少し時間が経つと
今度はSNSで突然彼女の投稿を
大量に見せられるようになったり
かと思いきや私にもどんどん擦り寄ってきて
自分からもう会わないとか連絡取らないとか
宣言してきたことを全部ひっくり返され
見事に日々振り回される生活を送っていた。

正直しんどかった。
いつか終わると分かった上で
2人の時間を過ごすことが。
それでも会いたいと思ってしまう自分が。

彼女の話だって本当はあまり聞きたくなかった。
私は極力夫の話を避けていたのだけれど
そういった配慮はこの人にはないのだなと。

でも彼のこれまでの経験や過ごしてきた日々を
聞けば聞くほど、知れば知るほど
自信家に見えて本当は劣等感が強いし
すごく繊細で誰かに認められたい人なのだと
彼の今のちぐはぐな行動の動機が
うっすら見えてきたような気がして
幸せになって欲しいと思えるようになり始めた。



その界隈では有名なスポーツ選手だったけれど
それこそオリンピックに出るような
世界で戦えるレベルにはいけなかったこと。
一方で同じ学校の同級生やら先輩後輩には
今も尚世界で戦っている人達が沢山いること。
きっとそこに対して劣等感が強い。

だから今の運動に関わる仕事を通じて
ついてくれた自分のファンに
変に憎まれ口を叩いたり
相手の気持ちを試すような発言をしたりして
そんなことないと否定してくれるか
それでも自分についてきてくれるか
試すような行動をするのかなと。

後はこれは正直私にも当てはまるのだけれど
母親を早くに亡くしたっていうのも
そういう試し行動をしてしまう原因なのかも。

それから、学生時代は
本当にモテなかったと言っていて
本当か?と疑っていたけれど
そもそも練習でそれどころではなかっただろうし
自分よりも格上が沢山いる中では
恋愛をするのも確かに難しかったのかも
しれないなぁと。



そんなことをぼんやりと考えていたら
突然、本当に急に
幸せになって欲しいと思えるようになった。

正直彼女との投稿は見たくないけれど
私の知らない他の誰かと一緒になるくらいなら
今の彼女とそのまま上手くいってほしい。
散々同棲の愚痴やら合わない部分の話やら
そういうことを聞いてしまったから
色々思ってしまう部分もあるけれど。

そしてどうか少しでも彼の自尊心が満たされて
穏やかに日々を過ごしてほしい。


もしもまだ彼が私のことを求めてくれるのなら
私はちゃんとありのままの貴方を好きになったと
伝わるような行動が出来たらなと思った。

それと同時に、やっぱり好きという気持ちは
少しずつ上手く消化して消していって
ただのファンに戻らねばなと。
多くを求めたり期待してしまう
そんな自分からは卒業しなければなと。

きちんと自分の気持ちに折り合いをつけて。
彼にも幸せになってほしいし
私も幸せになりたい。



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