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死ねなかった人間のたれごと
08/14
自殺を試みたが失敗した。
暇な日があると死んでしまう。
そんな事は分かっていたから、できるだけ予定を詰め込んで生活していた。
そんな中台風のせいで2日間も予定のない日が出来てしまった。
これは死ぬための絶好のチャンスだと思った。
急いで自転車を走らせて、実家に行き父がサボっているインスリンを盗みに行った。
【せめて死ぬ時は美しく】
と念入りにお化粧をし、髪を整え、1番気に入ってる服を着た。
本来週に一度刺せば良いインスリンを一気に6本打ち眠剤を飲めば、少しの低血糖症状と眠気で首を吊って死ねるだろうと思った。
予め作っておいた、死ぬ時に聞く曲を聞きながら人生最後のタバコを1本吸った。
お腹に注射器を当て薬を打って
カーテンを見ながらドアノブに掛けたベルトに首を通した。
「苦しい」そう思った瞬間体が息をする姿勢に戻っていた。
何度も試したがやっぱり死ぬことは出来なかった。
多重業務が出来なくて出勤する度に注意されて無くなっていく自尊心
人が自分のせいで死んでしまうかもしれない恐怖心
親を愛して上げれない申し訳なさ
未来のないセフレと過ごす時間が楽しくてきれない依存
誰からも必要とされない、愛されない孤独と劣等感
全部全部しんどくて辛いのに、死ぬほうが苦しんだ。
自分のしんどさや辛さは死ぬには値しない気持ちでただの甘えだったのかと思うと余計に悲しくなった。
死ぬのって難しいだな。
あーあー全部やだな死にたいな。
(死ねなかった奴が何いってんだろ)
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