詩　「わかってる奴」

好きなものを
たくさん集めながら
ぼくのセンスは育ち

ぼくの好きなものを
好きそうな人のことを
センスがいい人、と
呼ぶようになった

ぼくの好きな
あの感じを
わかってるから
彼らはみんな
わかってる奴ら

わかってる奴のやることは
わかってる奴ら同士で
わかり合ってるから
わかってないやりかたしたら
わかり合えなくなっちまうよな

センスがいい奴は
わかってる奴らを
がっかりさせるような
わるいことができない

ルールとマナーの奴隷になって
いい子にしてたら
わかってる奴らが
褒めてくれるかも

でもぼくは
わかってる奴に
わかってもらえないような
わるいことをたくさんしたい

わかってる奴が
わかってる奴らと
わかり合えないような
わからんものをたくさん見たい

わかってる奴よ
ダサくてセンス悪い奴らは
とっても自由で
とってもすてきなんだよ
知ってたかい