詩 「存在」
1.
生まれなかった息子よ
今どこで何してる
顔も知らぬ娘よ
苺味の飴をあげる
広い宇宙のどこかに
影を持たない君がいて
まだかまだかと待っている
わたしの連絡待っている
草や木のように
石や砂のように
揺るぎない信念で
ただそこで待っていて
2.
どこへ行くのときかれたら
ちょっとそこまでと答えます
存在しない手のひらの
ぬくもり探しに出かけます
愛をささやく船が出て
君の名前を呼びました
声は夜空に消えたあと
君の髪を揺らす風になる
悲しみのように
赤い血のように
穢れない信念で
まだそこで待っていて
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