詩 「またね」
またね と
手をふってから
百年目の秋
やっと
きみに会えた
せっかく会えたのに
もうお別れなんて
さみしいね
今日からちょうど百年後の秋
たそがれが街を染めるころ
ぼくは今日と同じように
またここへ来るから
そのときまで
またね
遠くにいても
はなればなれでも
また会える日がくると
信じる心があるだけで
ぼくは百年の孤独を
生き抜ける
きみが
どこか遠くで
悲しみに暮れるとき
きみが
ひとりぼっちで
誰にも知られず涙を流すとき
ふたつの
またね が
そばにいるよ
百年の月日が
きみの記憶を塗りかえて
きみが ぼくの顔さえ
思い出せなくなったとしても
またね は いるよ
またね は あるよ
だから
おねがい
ときどきでいいから
お空に手をふって
またねって言ってね
ぼくも
ひろい宇宙のどこかで
またねって手をふるから
そうやって
何百年
何千年と
またね を
つないでいくために
ぼくときみは
ここにいる
ぼくたちは
これからも
なんどでも会える
いつまでも
またね
ずっとずっと
またね
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