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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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2021年3月の記事一覧

ホロコースト否定論への反論入門(4)

3.遺体焼却処理・火葬場の基礎3.1 アウシュヴィッツ火葬場の基礎知識ホロコーストというよりも、火葬場に関してはアウシュヴィッツ限定の話です。否定派が持ち出すテーマは、基本的には「そんなたくさんの遺体を焼却処分できるわけない!」の一点のみです。論点が多くあるガス室の否定論に比べ単純そうに思えますが、全くそんなことはありません。 その話はまた後でするとして、アウシュヴィッツの火葬場と言えば、多くの人がイメージするのは下記のような写真ではないでしょうか? これは、現在、アウシ

ホロコースト否定論への反論入門(3)

2.ガス室問題2.1 ガス室の基礎知識ガス室の問題に入る前に、前回書き忘れたことがあるのでお伝えしておきます。もし仮に、私が今まで量産してきた記事の中から何かの情報を知りたいと思ったら、googleのサイト検索を使ってください。以下のように検索窓に入力します。例えば検索したい言葉を、Leichenkellerだとすると以下のようになります。 Leichenkeller site:https://note.com/ms2400/n/ 当然普通のGoogle検索のように、複数

ホロコースト否定論への反論入門(2)

1.ホロコースト否定論に対応するための心掛け1.1 情報量の多さにどう対処するか。前回記事で、ガス室について触れようと予告しましたが、その前に、ホロコースト否定論から提供される「情報量の多さ」や、その他の心がけのような内容について解説しようかなと思いました。 先ず否定論との戦いは、情報量との戦いでもあります。前回記事でも述べましたが、今でもずっと延々世界各国の歴史学者を始めとして、調査・研究が続いている分野です。それを考えるだけでも、莫大な知識がないと立ち向かえないのではな

アウシュビッツの様々な議論(25):ルドルフ・ヘス−Wolzekの矛盾

ヘスは、親衛隊大将エルンスト・カルテンブルンナー国家保安本部(RSHA)長官の弁護側証人としてニュルンベルク裁判の法廷に立つわけですが(1946年4月15日)、そこでこんなヘスの宣誓供述書の内容がアメン弁護士によって読み上げられます。 ヴォルゼクだなんて名前の絶滅収容所はないわけです。ホロコースト否定派はどんな些細な証言のミス、要するに「矛盾」を見逃さないので、このウォルゼクに噛み付いたわけです。「なぜヘスは存在しない絶滅収容所の名前を言ったんだ? おかしいぞ?」ってなわけ