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次のチャレンジ。

突然ですが来年から、役職が変わります。
僕、HODになります。
HODとは Head Of Department の略で、HOF (Head of Faculity)と言われたりもします。
いわゆる数学科主任ですね。

来年から教育指導要領がかわること時期に主任になるのは地獄のような状況に自分から向かっているようなものなのですが・・・今日は、なぜ僕がこの挑戦を選んだのかをここに書いてみようと思います。

今年、うちの学校の数学科は、ものすごく力のある先生がたで構成されたいいチームでした。しかし、主任の定年退職と同時に、チームは散り散りに。
副主任は東海岸の学校へ移り、やり手の若手二人の先生は、一人はオーストラリアに、一人はニュージーランドでもトップの学校へ異動。
もう一人の南アフリカから来た先生は、自宅の近くの学校に異動。

7人中、残ったのは、僕と中国人の先生の二人だけ。

実は、チームが散り散りになったの、ここ2年間で2回目なんです。
そのたびに新しい先生方と関係を構築して、その先生がたとどんな仕事ができるのかを考え、必死に働いてきました。
この同じ繰り返しは本当にしんどいんです。どんな先生が来るんだろう?どれだけの先生が残るのだろう?そんなことを考えながら仕事するのにもう疲れていたのに、またこの繰り返し。

主任になる理由の一つは、楽しいチームを作って、先生方に長くいてもらうことでした。

そして、もう一つの決定的な理由を少しだけ長くなりますがここに書きます。

今年、とんでもなく力のある先生がそろい、自分は自分の仕事に集中できました。
が、なぜかいつもわいてきていた情熱が半分ぐらいしか出てこないんです。
今年は、そういう年でした。

正直焦っていました。
情熱の量だけは、今まで誰にも負けないと自負していたからなんです。

で、気づいたんですよね。
その情熱量は、チャレンジの量に比例するということに。

2022年までは、英語がネイティブでない僕が、ネイティブの先生方とガチンコの勝負を挑んでいたので、それだけで大きな挑戦だったんですよね。
でも、もう僕は地元の人たちに認知され、町を歩いてると「おぉ!あなたがあの有名な数学の先生ですね!」と声をかけられるほど、地域で有名な数学の先生になってしまい、普通に授業をしていると、60%ぐらいの力で周りからすごく感謝されちゃう状態になってしまった。

これがよくなかった。60%でいいということは、60%しか情熱も出てこないんです。
あかんです、こんなの。
60%の力で過ごす人生なんて、俺は望んでない!
いっつも100%人生を楽しみたいんです。

そんな事を考えていた時に、ノミの話を聞きました。
ノミを瓶の中に入れ蓋をすると、最初は蓋にぶち当たりながらジャンプし続けます。しかし、蓋にぶち当たることに慣れると、ノミは蓋の高さまでしかジャンプしなくなるそうなんです。だから、しばらくしてから蓋を外しても、ノミは外に出ることができなくなります。

つまり、限られた枠の中では、限られた力しか発揮できなくなる。

その限られたジャンプ力しか発揮でくなくなってしまった状況を打破するには、2つ方法がある。

ひとつは、ジャンプ力が制限されていないノミと一緒に蓋を外した瓶に入れる。

もう一つは、環境を変えてあげる。
ニュージーランドのトップレベルの学校に行くのもいいかもしれないですが、恵まれた環境でいい結果が出せるのって、普通じゃないですか。それではたぶん情熱は80%ぐらいしか出ない。しかも、そこで定着してしまったら、また60%に戻ってしまうと思うんです。

というわけで、来年から、数学科主任に役職を変えることにしたんです。
これからは、僕がいい授業をして、僕が担当する生徒の力を伸ばす、という目標から「この地域の数学教育を楽しいものにする」に変えることにしたんです。

ほら、これで、そうそう全力でジャンプしたところで到底届かない目標になったでしょ?

全力で行っても届かないぐらいの目標の方が、自分の力を100%引き出しやすくなる。

そう決めてからは、お酒の量を減らし、食事に気を付け、来年に向けできる限り最高の準備ができるように、体調管理から気を遣うようになりました。

こんなに緊張しながら突入する年末の休みは初めてです。
でも、あの噴きあがるほどの情熱が心に戻ってきました。
2024年から2年かけて強いチームを作ります。
そして、2026年から、そのチームで地域の数学教育を変える方法を模索します。

まずは、チーム作りから。
2週に一回、数学科オリジナルTシャツを着て、うぇーい!って言いながらお菓子食べながらはしゃいだり、チームワークで難しい局面を乗り越えたりしようと思います。

そこで楽しく協力し合える先生方を集めて、この船を前に進めていこう。
麦わらの一味みたいな、個性豊かな先生たちと一緒に、でっかい目標に向かって船を勧めていきますよ!

このタイトルの写真は、僕が主任の枠に申し込もうと決心した時のうちのベランダからの眺めです。
2024年も、南の果ての小さな島国で、日本人数学教師が無双しますんで、目を離さないように!

それではみなさん、よい一日を!

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