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日本語は「予見」の文化、英語は「結果」の文化 (子どものスピーチコンテストから思ったこと)

タイトルは主語を大きめにした実に雑な意見ですが、インパクトを出したくて言い切ってみました。

というのも。

私は小中学生の二人の子どもをバイリンガル子育て中なのですが、英語力もさることながら、子育ての中では「自己表現力」と「日本語力」にも重きを置いています。
その一環として、どちらの子どももスピーチコンテストに挑戦させたことがあるのですが、先日下の子が某スピーチコンテストで優勝したのです。

実は、数年前に上の子も別のスピーチコンテストで優勝しています。

スピーチの言語は英語だったり日本語だったりいろいろです。でも、出場者にバイリンガルの子(もしくは英語を学習している日本人)が多いようなタイプのものです。

そこで気づいたのですが、スピーチコンテストで自分の番が始まる前に「よろしくお願いします」が言う子が少ないな、ってことなんです。



英語には「よろしくお願いします」がない


よく考えてみると、英語には「よろしくお願いします」にあたる万能な言葉がないです。そのシーンごとに応じて、例えば、

子どもの新しい友達の親御さんと初めてメッセージのやり取りをするときに「今後よろしくお願いいたします」って言いたいときなどは

「We're looking forward to getting to know each other!」

みたいなことは言えるし、
(「あなたにお願い」するのではなく、「私が楽しみ」って言い方ですね)

これからスピーチをするぞ、ってときなら

「I appreciate your attention and look forward to sharing my thoughts with you.」

「Thank you for the opportunity to speak today, and I hope you enjoy my presentation.」

みたいなことになりますよね。
(「与えられた機会/注目してくれること(=事柄)に対する感謝」って言い方ですね)

日本語の「よろしくお願いします」は特に何も考えていなくてもスルッとでる言葉なのに対して(万能なのでことあるごとに使うから)、
英語のそれは状況に応じてその場で考えて言う言葉だからスルッという感じではなく、「言わない」か「言うぞ!と決意して言う」のどちらかになるような気がするのです。

(一方、英語でのプレゼンテーションや、英語を話す子のスピーチなどの後は、かならず「Thank you」か「ありがとうございました」は付く、と感じた記憶があります。日本語話者だといい忘れる子もいるような気がするのですが、英語話者だとほぼ必ず言うような気がします)


仮説:「よろしくお願いします」を言えると心証アップでは?


そんなわけで、「よろしくお願いします」が言える日本文化って素敵だなと思うし、こういう感性をバイリンガルになったり英語に慣れたりしても忘れないでほしいな、と思うのです。

そして、今回スピーチコンテストで優勝したのは(他の出場者もとても魅力的で引き込まれるスピーチでした)、この「よろしくお願いします」を言ったからじゃないかなー、という気がするのです。

それで、審査員の方々の心証がよくなって、みなさんからプラス1点くらいいただけたのでは?と。

というわけで最初の話に戻ると、美しい日本語の素敵な慣習「よろしくお願いします」を言うと得をするかもしれないので、スピーチコンテストやプレゼンテーションなどのときには意識的に言ってみてはいかがでしょうか?というご提案でした。


スピーチや作文のコンテストは〇〇〇なものが狙い目


作文やスピーチのコンテストっていろいろ見ていますが、大きなコンテストになると「素材勝負」になっているな、と感じます。いかに感動的な題材を持っているかみたいなところが大きです。
(命、人の死や誕生に関わることとか、家族に関わる何らかの困難を乗り越えた経験など)

その子らしい日常的で小さな努力のエピソードなどでは「優勝」というものは勝ち取れません。なので、優勝にこだわる必要は全くないと思っています。それはその子の技量だけでなく「題材」に対してもらえるものですからね。

ですが、子どもの自然で小さな、その子らしい面を出してより評価してもらいたいな、と思うのだとしたら、小規模なコンテストがおすすめかな、って思います。

大切なのは、「いいプレゼンテーションをしよう」と決意したり、「あとから『もっと頑張ればよかったな』って後悔しないようにしよう」と心に決めて、それに向かって一生懸命に考えたり練習したりすることです。

我が子が優勝したコンテストも規模は小さいものですが、それでも「優勝」誉れ高いことだと思うし、なにより、人前で話すのが大の苦手で棄権したいとまで言いながらもコツコツと練習してやり切ったことを、とても誇りに思います。

いい経験だったな、と思うと同時に、タイトルにあるように、日本語は予見(先読み)の文化、英語は「結果」の文化なんじゃないか、と思い、
だから日本人は先のことをあれこれ心配したり、言葉の裏を読んで攻撃し合ったり、「かもしれない」にとらわれがちだったりして、
英語だと「とりあえずやってみよう!」「うまくいかなかったね、じゃあ次どうしようか」のように行動がシンプルになるのかな、と思ったのでした。

乱暴な言い草なのは百も承知で言ってみた、本日のnoteでした。

というわけで、私たちも、あんまり先読みしないで、できるだけ早いうちにトライしてみたり辞めてみたりするのもアリだと思いますよ。

「将来のためにやらなきゃいけないこと」だけでなく、「今やりたいこと」にフォーカスしてみるとかね。

チャレンジの結果には「成功」と「経験」しかないと思っているし、違ったら、やり直したりまた戻ったりすればいいのだもの。


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