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ミステリー案内シリーズ第3弾『大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭』(2022)紹介と感想

現代を舞台にしたファミコン風旅情ミステリーADVの第3弾になります。
不満点もありましたが、メインゲーム部分は満足度が高く、今回も面白かったです。


あらすじ(公式サイトより)

大分県 別府市……。風光明媚なこの土地で、別府の伝統工芸の1つである竹細工と最新のデジタルアートを融合させた大型アートイベント「テクミックス」が、開催を間近に控えていた。
芸術家を輩出した名家『阿南家』の当主と最先端技術を駆使したアートクリエイティブ集団「アルテヌーブ」社が手を組んだその斬新な催しの開催が近づくにつれて期待と注目を集めてゆく反面、代表者たちの知名度の高さ故、羨望や反感の的にもなり、開催を快く思わない者たちによる誹謗中傷や犯行予告までも呼び寄せていた。
その頃、主人公(プレイヤー)と後輩刑事「ケン」は、日頃の活躍と捜査手腕を評価されたのか、そのイベントの警備強化に携わる特別任務に就くこととなり、急遽大分へと赴くのだった。大分の地でイベントに携わる者たちの姿と思いに共感し、その成功を祈り、警備チームとして尽力しようと決意する主人公(プレイヤー)とケン。

しかし、事件は二人の思いも寄らない所で起きてしまうのだった……。

特別班ができるの刑事ドラマっぽくて良い

シリーズ概要

ハッピーミールが開発し、フライハイワークスより発売されている作品で、2019年に第1作が発売してから現在まで、本編にあたるゲームが3作、スピンオフとして第3作目の時間軸にシリーズレギュラーである正義のルポライター西沢紘一が何をしていたのかを描いた小説、第1作の登場人物をメインに描いたドット絵サスペンスドラマ、実写インタラクティブドラマが作成されています。

本編は以下の3作
1.伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠(2019)
2.秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花(2020)
3.大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭(2022)

短いながらも満足度の高い1作目、冗長な部分はあるがその分盛り上がりがシリーズ随一の2作目、最もシリアスなシナリオと程よい長さの3作目になります。

今回も様々な観光地を巡りながら事件を捜査していく

感想

今回のシナリオはゲームセンターCXの構成作家であり、本シリーズではスピンオフのドット絵サスペンスドラマにも参加した岐部昌幸さんが参加されており、シリーズの中でも特にシリアス度が高いものになっていました。
いつも通りケンによる食レポなどもありますが、そんなケンですら明るさを引っ込めてしまう場面も目立っていました。

事件は、ある一点の方向性を間違わなければ比較的分かりやすいものでした。
しかし、真相がある程度わかってしまうと、それはそれで救いの無さに胸が痛んでしまいます。

今までで一番ケンの食レポに癒された

また、現代を舞台にした作品なのでスマホを使うことも出来ますが、捜査にSNSを活用したりと上手くシナリオに組み込まれていました。


シリーズお馴染みのキャラクターはもちろん、今回の事件に絡む登場人物達も印象的な人物が多く、特に好きだったのは今回のヒロイン枠で事件を通した成長が著しい麻生文花と、あまりにもキャラが濃い家政婦・ミツさんになります。

文花はシリーズで一番好きなキャラクターになったかもしれない


ゲームとしてはオードソックスなコマンド選択式ADVですが、ファミコン風の見た目に反してメッセージを一瞬で表示できるように設定できたり、セーブも10か所保存出来たりと利便性は高いです。
また、シリーズお馴染みのゲーム内で読めるファミコン風の説明書も良かったです。

やたら数字に細かいミツさん


このように基本的な部分に関しては満足度が高いのですが、クリア後に複数ある隠しシナリオの開放条件がノーヒントな上に普通にクリアするだけでは一個も解放されないという所はさすがに気になりました。

シナリオ中に軽い分岐要素はありますが、メインシナリオ部分は一本道のADV、しかもクリアまでそこそこ時間がかかる内容で何度も繰り返しプレイを求めるのは相性が悪いと思いました。

シリーズ中でもトップレベルでヘイトが高いキャラクター・平田


隠し要素部分で少し気になる部分がありますが、メインゲーム部分は満足度が高かったので、更なるシリーズの続編を期待して待っています。

(クリアした日:2024年4月30日)

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