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虚実綯交ぜ骨折り日記③~初めての入院生活から手術、ドキドキの全麻篇

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今回は、手術までの一週間と、3月14日(木)の手術当日についてまとめました。殆ど実の内容になってしまった。

3 「全麻は身体の内部から気持ち悪くなる、と思ったら意識飛んでた」

入院初日は、入院説明や身の回りの物品を整えるために看護師さんと売店へ行ったりと、忙しくしているうちに夕食となった。

安静にしていれば起床時の痛みは自制内だったので一安心。朝早くに起きてしまった時に痛みが気になることはあったが、こちらも我慢できない程ではなかった。
とはいえ、常に痛みが続いている生活は気持ちの良いものでは無かった。

車イスも、子どもの頃に母親が働いていたデイサービスに遊びに行った際に乗らせてもらっていた経験を身体が覚えており、自分の足のように動かすことが出来た。

病棟は22時消灯、6時点灯だが、こちらも普段の生活ペースと大きく変わりない。
また、よほど劣悪な環境じゃない限り、ある程度環境に慣れてしまえる人間なので、数日も経てば前から入院生活をしていたかのようにベッド上でくつろげるようになった。

生活で少し困ったのはトイレ。左足は上げた状態でいる必要があり、当然足を床に着けることはダメなので、トイレ内でちょうど良い姿勢を探して用を足すのに数日かかってしまった。
いつもより便秘気味になったのは、動かないだけでなく心理的なものもあった気がする。

病棟生活よりも、Wi-Fiが無いため速度制限に怯えながら暮らすことと、家のHDDレコーダーの容量が心許ないという方が大問題だった。
HDDレコーダーの容量については、不安すぎて2度ほど夢に出てきてしまった。

睡眠も、眠れることは眠れたが、足のことがあり姿勢に制限があることと、寝具が違うことで暫く浅眠傾向が続いた。
見る夢は、HDDレコーダーの悪夢もあったが、なんだか懐かしい人が出てきたりするなど、最近の夢の傾向とは違っており面白いものが多かった。

手術日の前日、麻酔科や看護師からの術前説明を受ける。
麻酔科からの説明で使われている資料に、大学時代に授業をしてくれていた麻酔科医だった先生の絵が使われており懐かしくなった。

また、来週の火曜日までシャワーに入れなくなるため、シャワーに入れたのは嬉しかった。
この時はあまり考えてなかったが、良く考えると6日間と人生で一番長い期間シャワーに入れなくなるのだった。

前日の夜は、眠れるようにとブロチゾラム0.25mg半錠を貰った。
普段飲まないため、毎日のように見ていた夢を見ることもなくグッスリと寝ることが出来た。

手術当日は、思ったよりもドキドキはなく、平静な気持ちで迎えることが出来た。
時間も朝一だったため、待ち時間があまり無いことも良かったのだと思う。
むしろ、手の甲に点滴のルートを入れられる時の方がドキドキした。

9時頃、実は聞いてなかった主治医からの術前説明を聞いてから、ストレッチャーに乗ってオペ室へ向かう。
ストレッチャーに横になり、天井を見ながら運ばれている状況に、かなりの非日常を感じた。

オペ室では、バイタルサイン測定後すぐに全身麻酔が体内に入ってきた。
全身麻酔が身体の中を広がっていく感覚が、思った以上に気持ち悪かった。
種類は違うが、造影CTをする際に造影剤を入れた時の、横になっているのが落ち着かなくなる程の火照りを感じた時と似た感じの気持ち悪さだったと思う。

しかし、注入した瞬間に
(あー、これは気持ち悪いわー)
と思うと同時に意識が無くなったので、気持ち悪さが持続することはなかった。

次に覚えているのはオペ室で呼ばれている時だが、それもぼんやりとしか覚えていなく、すぐに眠りについたのだと思う。
完全に目が覚めた時には自分の病室に運ばれていたのだから、分かっていたことだけれど驚いた。
人が全身麻酔をされているのは何回も見ているのに、自分の身体で感じるのはやはり違う。
この日の昼食はキーマカレーだったのに、手術で食べられないことだけが心残りだった。

手術の効果はすごいもので、安静にしている限り足の痛みは術前とは比べ物にならないくらい感じなくなった。

しかし、ルートが入った時から分かっていたことだが、これからの数日間は足の痛みより利き手の甲に入っているルートに悩むことになる。
手の甲に入っているため、どうしても動かした拍子に引っ掛かりやすく、洗面の時なども気を遣わなければならない。
一番困ったのは就寝時。身体を横にした際にベッド柵に引っ掛かったり、掛け布団に引っ掛かったりと、気を遣うことも多かった。
地味にテープが突っ張ってくる痛みも気になった。

抗生剤の点滴は16日の夜で終了。
最後の点滴の時にはルートが詰まり気味なのか落ちが悪すぎて、主治医の許可もあり25mlほど落としたところで中止となった。

無事に手術を終えて一安心だが、リハビリも始まり、入院生活はここからが本番なのだった。

──続く


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