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『グルメ探偵ネロ・ウルフ』A Nero Wolfe Mystery(2000~2002)について

2024年現在、本国アメリカで作られたネロ・ウルフの映像化としては最も新しいドラマになります(ロシアやイタリアでは、この後も製作されています)。
海外ミステリーを集中して読んだり観たりし始めた頃にWOWOWで放送されているのを偶然観て、ネロ・ウルフ好きにさせてくれた思い出深い作品です。


紹介と感想

ジャズ調で作品に合わせて曲や映像を変えるお洒落なオープニング、50年代のアメリカを舞台に繰り広げられるノリ重視の軽ミステリー、ネロ・ウルフ劇団と言えるシリーズ内でレギュラーメンバー以外の役もお馴染みの役者が演じ分けていくスタイルなど、特徴的な要素が多くあります。

原作の一人称に合わせてアーチーによるナレーションが多いのも特徴で、主演だけでなくプロデューサーに監督にとティモシー・ハットンの活躍が目立ちます(ちなみに、お父さんのジム・ハットンはエラリー・クイーンを演じているため、親子で米国代表名探偵に深く関わっていることになります)。

上記に書いた通り、レギュラーキャラクターだけでなく、毎回の事件関係者も同一の役者が演じていることが多いため、前回は殺人犯だった人が今回は被害者だったりという趣向も面白く観れました。
ちなみに、キャストにカナダを拠点に活躍する役者が多いのも特徴の一つです。

ドラマ化された作品には日本未訳の長編も多いのですが、最近論創社から出版されているネロ・ウルフシリーズの翻訳で長編も中編も手軽に読めるものが増えてきました。

明るく楽しいキャラクターのやり取り、1940~50年代のアメリカの雰囲気など、原作で好きな要素がしっかり映像化されている好きな作品です。

特にお気に入りの話は、
長編からは「ゴールデン・スパイダーズ」「ネロ・ウルフ対FBI」「我が屍を乗り越えよ」「女の死」「法廷のウルフ」「依頼人が多すぎる」「語らぬ講演者」
短編からは「殺人鬼はどの子」「ねじれたスカーフ」「クリスマス・パーティ」「スイートコーン殺人事件」「求む、影武者」になります。


ドラマ概要

   原作/レックス・スタウト『ネロ・ウルフ』シリーズ
製作総指揮/マイケル・ジャッフェ、ティモシー・ハットン、ハワード・ブラウンスタイン

レギュラーキャラクターキャスト
     ネロ・ウルフ/モーリー・チェイキン
アーチー・グッドウィン/ティモシー・ハットン
    クレイマー警部/ビル・スミトロヴィッチ
  フリッツ・ブレナー/コリン・フォックス
  ソール・パンツァー/ソール・ルビネック(P)、コンラッド・ダン(S1~2)
  フレッド・ダーキン/フルヴィオ・セセレ
   オリー・キャザー/トレント・マクマレン
    ロン・コーエン/ジェリー・クイグリー(P)、ソール・ルビネック(S1~2)
  ステビンズ巡査部長/R.D.リード


エピソードリスト

パイロット版(2000)
ゴールデン・スパイダーズ The Golden Spiders
 
第1シリーズ(2001)
1.ネロ・ウルフ対FBI The Doorbell Rang ※ハットン監督
2.シングルマザーはなぜ殺された? Champagne for One ※ハットン監督
3.容疑者が多すぎる Prisoner's Base
4.殺人鬼はどの子 Eeny Meeny Murder Moe<短編>
5.ねじれたスカーフ Disguise for Murder<短編>
6.死の扉 Door to Death<短編>
7.クリスマス・パーティ Christmas Party<短編>
8.我が屍を乗り越えよ Over My Dead Body ※ハットン監督
 
第2シリーズ(2002) 吹替版あり
01.女の死 Death of a Doxy ※ハットン監督
02.法廷のウルフ The Next Witness
03.真昼の犬 Die Like a Dog<短編>
04.スイートコーン殺人事件 Murder Is Corny<短編>
05.マザー・ハント Motherhunt
06.ポイズン・ア・ラ・カルト Poison à la Carte
07.依頼人が多すぎる Too Many Clients
08.死の前に Before I Die
09.求む、影武者 Help Wanted, Male<短編>
10.語らぬ講演者 The Silent Speaker
11.巡査殺し Cop Killer<短編>
12.殺人はもう御免 Immune to Murder



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