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ホルモン注射を打ちトランスを始めたてのころの私は、見た目をとても気にしてた。髪の毛の長さ、女性に見える服装(膝丈のスカート)や靴(ヒール)、派手なメイクにネイル・・・外見ばかりに気を取られていた私が、飲食店に行った時にこんな経験を・・・

私が大声で店員に「すみませ~ん、生ビール1つ追加おねがいします~」と呼び掛けた時の事、店員は隣のテーブルに座っている別のグループの男性に向かって「生1つですね、かしこまりました~!他には?」 と返事をしたのだ。

男性たちは自分たちではない事と伝えると、店員が店内をキョロキョロしているところに、私が地声で「あ、こっちですこっちです」と伝える。一瞬ぎょっとした顔し、事態を察してくれる。

無理もないことだろう。見た目が女性なのに、声や話し方が完全に男性のままなのだから。

洗面所やメイクする際くらいしか自分の姿を目の当たりにしないから全く気にしていなかったが、バイト仲間や上司、スーパーや飲食店の店員など、自分が接する相手はつねに、私の女性化した見た目と声のギャップを抱いているのだ。

私はとても思い悩んだ。知らない人の前では声を発することを極力やめようとも思った。しかし、一言も発しずに済む日常生活などあるわけがない。

ネットを検索して、他のトランスジェンダーたちはどうしているのかを自分なりに調べつくした。

調べた結果、大まかな方法は3つ。

1. 声帯を細くする手術をする

2. ボイストレーニングをする

3. 声帯のケナコルト注射をする

「万が一、手術が失敗して声が出なくなったら」と大きな不安がよぎる。このころは、豊胸や顔の整形をする前だったこともあり、手術に対しての不安が大きかったように思う。

一緒に暮らしていた彼に相談するも、「声帯をいじって、取り返しのつかないことになって声が出なくなったら大変」と非常に心配されたこともあり、ひとまずボイストレーニングを選択することになった。

おそらく、一般的に「メラニー法」と言われているものだが、個人的には、「あっこちゃん(矢野顕子)発生法」と呼んでいる。


とにかく、あっこちゃんの歌い方をまねてファルセットが自然に出せるようになるまで練習をし、ファルセットに地声を混ぜて話す方法。練習のコツは以下の通りである。

1. 喉(声帯)を閉めて発声する。

2. 裏声に地声を混ぜる。

3. 口、鼻から息を抜いて語尾を軽くする

実際、1年足らずで女声を出すことに成功した。実際の声はTwitterにアップした音声ファイルをチェック✨




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