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はじめまして、ミセストランスジェンダーのキノちゃんです。
note初の投稿で何を書こうか悩みましたが、一生の伴侶である夫との出会いについて残したいと思います。


私は30歳を過ぎてからトランスを始め、32歳で戸籍を女性に変更し、本人曰く、異性愛者だと言う夫と結婚をした。

夫と出会ったのは、1990年代、私がまだ男の子だった20歳のころ。

私は、地元札幌でビジネスホテルのフロントマンとして働きながら、LGBT当事者男女4人グループで、クラブイベントなどのステージでヴォーグダンスなどのパフォーマンスをしていた。メンバーは、のちに「札幌を代表するドラァグクィーン」となる"LUCI"、"MAMI"、"YASU"と私である。

1994年の秋、とあるチャリティクラブイベントのオファーがあり、複数のパフォーマーやファッション関係、クラブ関連のスタッフ達が打ち合わせに集まった。今までにない大きなイベントだし、オシャレな人も多く来るはずだからオシャレしていかなくちゃと、支度に時間がかかってしまった私は当時付き合っていたメンバーのYASUと遅れて会場に入った。その私の目をくぎ付けにしたのは、一際目立つ190センチの高身長現役モデルパフォーマーBAKUだった。のちに私の夫となる人物である。


出会ったと言っても、その頃のBAKUは美しいモデルの彼女とカップルパフォーマーだったし、私も同じグループのYASUと付き合っていた。
オーラ全開のモデルカップル2人を前に、緊張して話すことすら出来なかった私は、結局一言も話をする事もなく打ち合わせは終了、イベント中、一度BAKUに話しかけられたが、YASUが受け答えをしたため、私は本当にBAKUと一度も話す事なくイベントが終了した。

そのイベントから約1年半。プレシャスホールで行われる美容師によるクラブイベントに、私は一人でモデルとして出演する事になった。その当時、市内の美容師が集まるクラブイベントがよく開催されていて、各店舗がステージでヘアカットやスタイリングをする"ヘアショーバトル"が行われた。
ショーが終わってクラブイベントを楽しんでいた私に対して、背後から話しかけてくる男がいた。

「キノ、ひさしぶり!俺のことわかる?今日のショーかっこよかったよー!」

BAKUとの再会は突然だった。

「あ…あー!BAKUくん?? 久しぶり…」

190センチのイケメンに突然話しかけられて、心臓が止まりそうになりながら受け答えをした私

「バ…BAKUくんは元気だった?ショーを見ててくれたんだねぇ。今日は彼女と一緒に来たの?」

「いや、彼女とはもう一緒にいないんだぁ。今日は美容師の友達何人かと遊びに来た。キノは彼氏とパフォーマンス続けてるの?」

「あー、そうだったの??
僕もYASUとは別れてから一緒にパフォーマンスしてないよ〜」

「そっかそっか。
あ、この後、別の店でみんなで飲むんだけど、キノも来る?」

思いがけないBAKUからの誘いに少しお酒が入って気が大きくなっていた私は思い切って行くことにした。

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