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【カヌーポロ】最高峰の大会の話

先週末は第25回保田ヶ池カップカヌーポロ大会が開催されました。1部8チーム、2部13チーム、3部3チームと久々にたくさんチームが集まる大会で、非常に盛り上がりました。
一方その頃、遠くドイツのエッセンでは51th International Deutschland Cupが開催されていました。この大会は1971年の第1回大会が開催されてからずっと続いているカヌーポロ界では最も長い歴史を持つ大会です。
今年の参加チーム数は
Men Class1 32チーム
Men Class2 24チーム
Women Class 23チーム
U21 10チーム
U16 15チーム
U14 15チーム
合計119チーム!
ですが、これでも例年よりはやや少ない印象です。キャンセル待ちが発生するほど人気がある大会ですが、幸運なことに筆者は過去2回この大会に参加することができました。
全部で8面のコートという規模にも驚きますが、カヌーショップ、食堂、ビール屋台などの出店もあり、とても楽しい雰囲気です。

全8面のコート。一番端まで行くのは大変・・・
ビールのお店。コートの目の前に出店してます。
お店のヴァイツェンビール。試合観戦のお供に最高でした。

ドイツはこの時期、非常に日が長く日没が22時頃なので、朝7時から夜の21時頃まで8面コートすべてにギッチギチにスケジュールが組まれています。わずか3日間の開催ですべてのカテゴリで予選リーグから順位決定戦まですべてをこなします。組み合わせの都合で、朝8時からの試合と最終試合に当たってしまった時はさすがに絶句しましたが、とてもいい経験になりました。

地続きならではの大会

地元ドイツのクラブチームはもちろんたくさん参加しているのですが、ヨーロッパ各地のクラブチームが参加しています。地続きなので車で遠征してくるようです。会場でテント泊や車中泊をしているチームも多く、大きいクラブだと2~30人くらいの大所帯なんてこともあるので、巨大なテントを持ち込んで共同生活しているのも見かけました。

住宅展示場で見るようなテント。どうやって空気入れたんだろう?
これまた巨大テント。
中を見せてもらったけど食事時は机を並べて食堂、寝るときは寝具をズラッと並べるそうです。

クラブチームの大会

日本国内では当然クラブチーム単位で大会に出場しますが、アジア選手権・世界選手権には国の代表チームが出てきます。日本の場合は残念ながら海を渡らないと海外のクラブチームと戦う機会はありません。
ヨーロッパのクラブチームと対峙するというのはとても貴重な経験です。代表じゃなくてもとんでもない選手はゴロゴロいるし、元代表のレジェンド選手なんかも見かけます。今まで食らったことないような芸術的な戦術や、130㎏の巨体によるゴリゴリのプレスにコテンパンやられたこともありました。
他のスポーツ同様、強豪国の代表はその国のスター選手の集まりなので当然すごいのですが、日頃から練度を高めたクラブチームってのは別の強さがあるかもしれません。

大人から子供まで

U14からカテゴリがあるので、親子がそれぞれのカテゴリに参加しているケースもありました。
日本ではたまに親子で同じチームで出場してるのを見かけますが、ちゃんとカテゴリ分けされているこの大会では、一流どころのクラブチームの選手が、今度は別のコートの子供を大声で応援している、なんてこともあります。スポーツがしっかり根付いているということを垣間見た気がしました。
ある時、とある海外の選手に「カヌーの練習は平日にやって、週末は家族と過ごす」なんてことを聞きました。もちろん大会のある時は土日に遠征するのでしょうが、生活の中にスポーツが当たり前にあって、仕事と家庭とスポーツが共存できる環境が整っているのです。とても羨ましい限りですね。

大会運営の力

世界最大規模の大会でありながら、運営本部に行ってみると驚愕。わずか3,4人のオジサン・オバサンが大会を回しています。上位リーグや決勝などはICFレフリー招聘していますが、基本的には出場チームが他チームの試合の笛を吹く、草大会形式。膨大な数の試合がほとんどスケジュールが狂うことなく進行しているのにはとても驚きます。
これの秘訣として、日本ではありえないルールがあります。
試合に遅刻すると、点数のビハインド、あるいは罰金が発生するのです。これは自分が出場する試合だけでなく、審判する試合を遅刻しても適用されるのです。
5分以内の遅刻は20ユーロか2点ビハインド。5分以上は50ユーロか5点ビハインドというなかなか厳しいルール。
私が出場した時は、チームメイトが全員、翌日の第一試合の審判を失念しており、まさかの20分遅刻。次の試合、5点ビハインドはキツイということで泣く泣く50ユーロを払うことにしました。
しかし、いざ試合を迎えてみてビックリ。なんと相手チームも全く同じ遅刻をしていたようで、相手は5点ビハインドを選択していたのです。
「そんなことなら先に言っといてくれよ~」ということで5-0からスタートしたのですが、なんとそのチームには8-9で負けてしまいました・・・。
50ユーロを払った上に試合も負けるというトホホな出来事でした(笑)

まとめ

今回は、カヌーポロの最高峰とも言えるドイツの大会について紹介しました。カヌーポロをやっているなら一度は体験して欲しい!!と筆者は強くおススメします。できることなら現役選手のうちに、自分の力試しや世界を体感するために参加できるといいと思います。
必ずモチベーションアップの刺激になるし、上達のきっかけにもなるはずです。
ちなみにコチラに今年の大会の動画のリンクを貼っておきます。


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