今から50年間快適で省エネで暮らすための方法【断熱に関する基礎知識編 Q値】
数多くのお客様とお話しする立場でお仕事をしていて考えたりお伝えしている部分と実際に自邸を建てる上で考えたこと、実験してみたこと体感していることを包み隠さずお伝えしたいと思います。
最近感じるのはSNS等で情報が簡単に手に入る一方で間違えた知識やもっともっと先進的に家づくりをしていたりする会社さんもあるのに一般の方が色々発信されているのが良くも悪くも感じているのでもう少し専門的にただマニアックになりすぎないようにお伝えできればと思います。
まずは断熱の基礎に関すること
そもそも世界基準で考えたときの日本の住宅の断熱性能は低すぎます。建築の大学ですら教えてもらったかどうか・・・業界で働いて色々勉強して初めて知りました。住宅購入者さんが知るはずもないですよね。とても重要な基準であるにも関わらず・・・国の基準も全然なく制度化される予定だったものも延期されました。
最低限のことは住宅を購入される方には知っていただきたいと思っています。
今回は【Q値】についてお話できればと思います。
数年前は断熱といえばこのQ値が使われていました。そこから国の審査基準はUA値に変わり今に至ります。しかしこのQ値は非常に重要な数字になっています。まずはその定義からお伝えします。
家から出ていく熱量を床面積で割った値をQ値と呼びます。
UA値と違う点については割っている数字が外皮面積と床面積が違う点とQ値については換気による熱損失も含む点になります。
単純な断熱性能を知る場合はUA値をみて、家から出ていく熱量を知る場合はQ値をみていきます。このQ値を知ることによって家全体の室温がどのように変化していくのか。どのぐらいのエアコンを買えばいいのかなどが判断できるようになります。活用できる方法がより多いのがQ値になります。
ここで目標となるQ値なんですがUA値が0.46ぐらいの数字になるとQ値がおおよそ1.8~1.9ぐらいの数字になります。そのぐらいの数字をしっかりと確保しないといけません。その数字がどんな数字かを少し検証してみましょう。
仮に100㎡(約30坪)の家だとします。
Q値1.9W/㎡・K × 床面積 100㎡ = 190W/Kとなります。
この数字は温度差が1°あたりの熱損失になります。冬を想定して考えますと外の気温が0°で室内の温度が20°だとします。そうすると
1°あたりの熱損失 190W/K × 温度差 20° = 3800W となります。イマイチ数字が出てきてもイメージしにくいですよね?ただこんな数字どこかで見たことありませんか?
電気ストーブやドライヤーでご覧になっているかと思います。800Wとか1200Wと書いてあるあの数字です。実は熱量だったんですね。
このぐらいのお家になってくると電気ストーブを4台ぐらいつければ家全体が保温ができたり暖たたまってきます。エアコンですと能力の半分も出さずに暖めることができます。実際に14帖エアコン1台で十分に暖めたりすることができます。間取りによっては家全体を暖めることが可能になります。
このあたりは今後自邸のデータなどをもとにお伝えできればと思います。
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