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コント『自己合コンPR』


田辺、居酒屋で楽しそうに話している

田辺「へぇ、そうなんだぁ!二人ともどこ住んでんの?ひかりちゃんは?へぇ!って事は京王線?え、俺も俺も!あ、二人とも京王線なんだ!もしかしたらどっかで同じ電車乗ってたかもね。(笑)」

山田、スマホを見ながら入ってくる
田辺に気付き近寄るも田辺の様子を見て戸惑う

田辺「それにしても山田遅いなぁ。(山田に気付き)お!山田!こっちこっち!」

山田、名前を呼ばれ周りに会釈しながら恐る恐る隣に座る

田辺「紹介します!こいつは俺の大学の友達の山田!で、(山田に対して)こっちがひかりちゃんでこっちがのぞみちゃん!あ、お前飲み物生で良い?」

山田「あ、うん…。」

田辺「すみませーん、生ひとつ!いやぁ皆ホント今日は来てくれてありがとうね!(来たビールを貰って山田渡しながら)では、この素敵な出会いに、かんぱーい!!」

山田「いやいやいや、ねえ。」

田辺「ん?」

山田「え、ずっと一人で何してんの?いやお前に飲みに誘われたと思って来てみたらさ、ずっっっと一人で喋ってんの。えぇ、こわ!?と思って。周りの人もすげぇお前の事見てるし。こっちこっち!って呼ばれた時なんかめちゃめちゃ気まずかったからね?」

田辺「…。(正面を向いて)なんかごめん、急にこいつ変な事言い出して。(笑)」

山田「え?続けんの?!どういう事?どういうノリなの?これ。」

田辺「じゃあ早速王様ゲームでもしよっか!(ポケットから割り箸を取り出し)ジャーン!もう用意してありまーす!家で作ってきましたー!先っぽが赤の人が王様ね!(正面に割り箸を突き出しながら)ほら抜いて!ほら!」

山田「(正面に向かって)あぁ、大丈夫ですすみません。いや、あのさここカウンターだからね?前店員さん居て、『え?僕ですか?』みたいになってたから。」

田辺「じゃあひかりちゃんこれで、のぞみちゃんこれね!はい、山田。」

山田「あとお前、架空の女の子に新幹線の名前付けてるな。もっとあっただろ。」

田辺「では!王様だーれだ!(白々しく)ああ!俺だ!じゃあねぇ~1番と3番がぁ~」

山田「おい!もうホントにやめて!なんか夢に出てきそうだわ。(田辺の肩を掴みながら)なぁどうしたんだよ!なんでこんな事してんだよ!」

田辺「(少しの間沈黙して)俺、知ってんだかんな…。」

山田「え?」

田辺「お前が俺呼ばずに合コンしてんの知ってんだからな!!」

山田「あ?あぁ、まぁしてるけど。なんの関係が…。」

田辺「(泣きそうになりながら)お前!俺の事合コン出来ねぇ奴だと思ってんだろ?!だから呼ばないんだろ!なぁ!そうなんだろ?!」

山田「まぁ、他にも色々理由はあるけど。」

田辺「だからさ!俺、今日お前に見せてやろうと思って!俺でも合コン出来るんだぞぉ!ってとこ!合コン上手い事回せるんだぞぉ!ってとこ!!」

山田「他にやり方あっただろ…。(笑)」

田辺「それにほら、王様ゲームの準備も良かっただろ?なぁ!」

山田「いや、多分家で王様ゲームの棒せっせと作ってるやつキモいって。」

田辺「(山田に泣きつきながら)なぁ!頼むから呼んでくれよぉ…、俺も合コンに行ってみたいんだよぉ…。合同でコンパりたいんだよぉ…!!」

山田「(周りを気にしながら)おーおー、分かった分かったいつかな。うん、いつか呼ぶわ。とりあえず今日は俺、あのぉ用事あるの思い出したから帰るわ。これ、飲み物代。うん、じゃあな!」

山田、そそくさと帰る

田辺「(王様の割り箸を見て)じゃぁあ…、1番と2番と3番が…王様を合コンに誘う!王様の言う事は、絶対!」

田辺、カウンターに泣きながらうずくまる


おしまい

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登場人物

田辺(男)
大学二年生。大学デビューに失敗するも、まだキラキラキャンパスライフの夢を捨てきれていない。最近YouTubeの広告で見た脱毛クリームをまんまと買ってしまった。

山田(男)
大学二年生。田辺の同級生。多趣味な為自然と友達が多く、色々な飲み会に誘われる。別に合コン等を自分から開くタイプではない。グロい漫画はだいたい好き。

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