【桜井】作詞について

Mr.Childrenの楽曲の多くは、作曲→編曲→作詞の流れで作られていますが、その中で作詞の話。

ミスチルの楽曲のほとんどを作詞作曲しているのは、桜井和寿さん。
桜井さんは、曲と詩が同時に降りてくることもあるようですが、大抵、曲が先に生まれるようですね
そして、その曲のイメージから詩を貰うと言うんです。

>曲が先?詞が先?
【桜井】
「ほぼ、曲ですね。たぶん曲が訴えたいこと、それから歌いたいこと、叫びたいことの、何かイメージを持って生まれてくるんだと思うんですよね。そのメロディーが頭の中で出来て、なんとなくキーを決めて、で、自分の口で適当なラララであったり適当な英語であったり・・叫んでるその口の開き方とかその声のかすれ方でこれは怒りなのか優しさなのか、その音から自分はもらうんですね。」(2010)

【桜井】
「言葉の乗ってないメロディーの中にも言葉の断片があって・・・たとえばさようならだったりとかはあったりするんですけど・・・それ以外はラララで歌ってて、それを聴きながらみんな演奏するんだけど、(メンバーの演奏は)その雰囲気にちょっとずつ断片としての具体的なものをそのメロディーにつけてみせてくれる。で、僕はその音を聞きながらさらに具体的に言葉で歌詞をつけていく。」(2012)

ミスチルノ楽曲アレンジは、メンバーがセッション形式でやっているようですが、その時点では具体的な言葉としての歌詞はなく、適当な英語やラララの仮歌を当てているようです。
桜井さんの感覚では、言葉ではない叫びであっても、その口の開き方や声のかすれ方には怒りや優しさといった意味があると考えていて、適当英語やラララの音の響きを大事にしつつ、歌詞を付けていくようなのです。
意味より響きを尊重して言葉を付けていき、結果として意味のある歌詞ができるって言うから驚きです。
『HANABI』の“もう一回”について、桜井さんは「意識的にこの言葉を選んだのではなく、このメロディ自体もう一回もう一回と歌うために生まれてきたところがある」のようなことを話していて、これは「歌詞は音からもらう」一例かなと思います。
適当英語で歌っているものは、REFLECTION初回特典のデモ音源(公開は終了)やレコーディングドキュメンタリーで聴くことができましたが、その仮歌の言葉の響き、声の伸ばし方切り方や強弱の雰囲気は完成した作品に残されているんですよね。「わったらびー」が「あったらしーい(新しい)」になっていたりとか・・・。
『ラララ』の“そんなラララ”は仮歌のラララの名残ですね。このラララの響きにあう言葉を当てはめるのが作詞ということのようですが、この楽曲では敢えてそのまま残したとのことです。

さらに、メンバーの演奏の雰囲気からも歌詞のインスピレーションを得ているようですね。メンバーがメロディーに激しい音を付ければ激しい歌詞になり。穏やかな音を付ければ穏やかな歌詞になるってことかな?
あのメンバー4人がセッション的に曲をアレンジしていることが、ミスチルノ楽曲の歌詞に影響してそうですね。桜井さんは、そんな感じで、仮歌の響きやアレンジした曲をひんとに詩を発想しているようです。



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