HANABI~パクったりひらめいたりした話

Mr.Childrenの27thシングル「HANABI」は、フジテレビ系ドラマ「コードブルー ~ドクターヘリ緊急救命~」の主題歌として書き下ろされた楽曲でした。
ドラマプロデューサーがこの楽曲を「出演者の一人」と称するように、1stシーズン(2008)、スペシャル(2009)、2ndシーズン(2010)、3rdシーズン(2017)としりーずを通して主題歌に採用され、このドラマとのつながりはとても深いですね。
そのため、ミスチルファンというわけじゃないけど、「HANABI」は好きという型も多い気がします。
そんな「HANABI」のエピソードをいくつか書いていこうと思います。

●制作の裏話と楽曲に込めた思い(2008)

・レコーディングで大変なことはありましたか
【桜井】
「そもそもコードブルーの主題歌の話はいただいていて、それ用のもうちょっとポップな曲を書いていて。それをレコーディングしたんだよね?」
【JEN】
「うん、うん」
【桜井】
「で、その二日後ぐらいに、どっか・・・」
【JEN】
「引っかかってたんでしょうね」
【桜井】 「うん、引っかかってて。で、新しい曲を書いたやつが今の『HANABI』で。気がつけば、今のBメロのメロディが、前に録ったポップなやつのイントロと全く同じだったんですね。それは、自分の中でのパクリがあって(笑)」

・聞いた時の印象はいかがでしたか?
【JEN】
「非常に切ないなあーと思って」

・涙されたってお聞きしたんですけど?
【JEN】 「あーやってる時に?僕、そういうこと多いですよ。レコーディングしてる時、ボロボロ泣くことは稀ですけど」

・「HANABI」で伝えたかったことは何ですか?
【桜井】
「みんな、問題を抱えてるんだってことだと思うんですけどね・・・。本当は、言葉なんてどうでもよかった気もします。なんか、このムードと、切なさとか、強さとか、淡さとか、そういうものが、音楽の中にあるので、それだけで十分だった気もしますけど」

ジェームズ・テイラーをアコギで弾いていてうかんだイントロからできた曲があったようなのですが、それに物足りなさを感じていて、コードブルーの緊迫感や情熱などをイメージして作り直したのが『HANABI』となったようです。
気がつけばジェームズ・テイラー由来のイントロがBメロ担ってたそうです

また、これもセルフパクリとでも言いましょうか、『HANABI』のサビ前のタメは、リスナーに『名もなき詩』を思い起こしてもらえるようにあえて加えたそうですね。

●歌詞がひらめいた出来事(2015)

滞らないように 揺れて流れて
透き通ってく水のような
心であれたら

作詞: Kazutoshi Sakurai

桜井さんは、「HANABI」制作の頃、犬1匹、金魚3匹、メダカ20匹、カメ2匹、ハムスター1匹を飼っていて、休日にはそのペットたちの世話をしていたようなんです。
その中でも、金魚の世話がきっかけで、「HANABI」の歌詞が浮かんだと言います。
冬場、金魚の水を変える時、夜のうちに水を溜め、カルキ抜きの薬を入れておいて、暖かくなった昼に水を変えていたそうです。
そういうやり方を繰り返していたら、どんどん金魚が弱っていって、死んでしまったようなんです。
そこで、ペットショップに聞いてみたら、「水は絶えず動かして新鮮な空気を取り込んでおかないと死んでいってしまう。腐ってしまう」と言われたそうです。
この言葉で、桜井さんに何かが降りてきたようです。
腐らないように、常に動かしておかないといけない水と同じで、人の心も楽しんだり悲しんだり、常に動いてないといけなくて、でも、そうやって、心を揺り動かしていくことで、澄んだ心になって行くんじゃないか・・・という思いから、この楽曲の詩ができたと言います。

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