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あなたが一番速く、遠くまで泳げる泳ぎ方で。

こんばんは、しめじです。
お久しぶりです。

かなり長い間放置してしまいました。
この間に、私が副担任で入っている学級の担任にいろいろ事情があっていきなり担任代行をすることになって俄に忙しくなったり、SNSに溢れる言葉に気持ちが滅入ってしまってそもそもウェブブラウザやSNSを開かずに2週間ほど生活したりしていたので、全く何も書かずにいました。

そもそもキャスターが余計な意見を口にするテレビのニュースは観ないので、2週間ぶりにTwitterを開いて、へー、こんなことがあったのか、みたいな感じでした。

今夜は、ちょっとした雑感を。

「自由形」が本当に「自由」で驚いた。

パラリンピックを、初めてと言っていいほどちゃんと見ています。
予てから、オリンピックやW杯で盛り上がるほうではなく、好きな競泳くらいしかまともに見なかったんですが、今回は東京開催だったので、どの種目も割と見られる時間に放送する、なおかつ、スケートボードやBMXなど、新しい種目もあったので、ちょっと関心を持ってみていました。あとは、どの種目もネットで中継されることになったので、スタートからゴールまで延々と自転車ロードレースを見てみたり。

そのまま、パラリンピックも見ています。
これまで、ただでさえ放送が少なかった上に、時間も合わないということでほとんど見たことがなかったんですが、今回は結構しっかり放送されている分は見ることができています。

その中で、感慨深かったのが、競泳の自由形。
例えばオリンピックの競泳だと、「自由形」は事実上クロール一択です。
ですが、パラリンピックの「自由形」は、本当に「自由」なのに驚きました。
クロール以外の泳ぎ方を選択している選手も、少なからずいるわけです。

物理的に、クロールという泳ぎ方が選択できない人、自身の身体的性質と照らし合わせた時に、クロールより速く泳げる泳ぎ方がある人、各選手事情と背景はさまざまなんだと思います。また、その選択に行き着くまでの紆余曲折は私には想像の及ばないものでもあったんだろうとは思いますが、何より胸を打たれたのが、自分が一番速く泳げる泳ぎ方を、誰よりもちゃんと自分がわかっているという確かさです。

当然、オリンピックだろうがパラリンピックだろうが、そこに出場するアスリートは誰もが超一流なわけですから、おそらく自分のことは自分で一番わかっているという次元まで自身の競技を突き詰めているんでしょうけれど、それを事実としてとても明確に現しているように思いました。

自分で自分に個別最適化をもたらすということ。

さてさて、ここからは教師っぽい話をしていきます。
(一応、教師という立場から書いているNOTEなので)

「個別最適化」というのが、ずっと日本の教育に課題として言われ続けてきたことです。
各個人の資質や能力、性向に合わせた学習の提供を目指す、つまりは各個人に最も合理化された学習を提供しようとすることです。

これが、とにかく日本の学校教育はできないと言われてきました。
そして、多分今でもできていません。
1対40で授業をする時点で、そもそもそれは望むべくもない話、というが実際だと思います(その中でも個別最適化を果たしうる方法としては、上越教育大学の西川教授が提唱されている手法(手法と呼ぶのが適切かはやや疑問ですが)が最も有力だろうと思います)。

一応、文科省も少人数学級とか言っていますが、40人が25人に減ったところで、それで個別最適化ができるかといわれると、そもそもが「人数の問題ではない」という話であるようにも思います。

「個別最適化」は、おそらく今の学校教育のシステムが根本から壊れない限りは無理で、生身の人間である教師(学校教員に限らないですよ)はAIに勝てない、と私は思っています。(これは、今までにも何度かNOTEの中で言ってきたことです)
その前提に立って、生身の人間である私たちにしかできないことを模索していく必要がある、とも。

なんですが。

これまでの「個別最適化」の文脈は、生徒のことを正確に、深く理解している他者(教師とか、AIとか)が、その生徒に適した教材とタスクを提供していくこと、を意味することがほとんどでした。
そして、これは、生身の私たちには限界があるわけです。

しかし、生徒が、自分自身の資質や能力について理解を深め、それに応じて自分で必要なものごとを探し出す、という形で個別最適化を果たしていくのであれば、それは生身の私たちにも手助けできる余地があるのではないか、と思うわけです。

あなたが一番速く、遠くまで泳げる泳ぎ方を教えてあげることはできないが、あなたが一番速く、遠くまで泳げる泳ぎ方を自分で見つけ出す手助けなら、できるかもしれない。

まあ、具体的に何をどうすればいいのかというところまでは何も考えてはいないんですが、これなら、できるかもしれないって感じ、ありませんか?
(書いてから思ったけど、めっちゃ今更な内容…)

では、今夜はこの辺で。

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