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理系大学院生の就活事情 ~院生は就職に有利なのか?~

自分自身の就活の備忘録としてこの記事を書きます。


結果から先に述べると、本選考はESを50社ほど提出し、内々定は合計6社からいただきました。

【内々定先】
・大手人材
・大手IT
・ITコンサル
・総合コンサル(BIG4)
・大手SIer
・政府系金融機関


理系院生ですが、研究職や技術職などの理系職は見ておらず、文系就職を目指していました。そのため、提出したESの数も理系院生の割に、かなり多くなっています。


内々定先以外にも、幅広い業界の選考を受けていました。

【実際に選考を受けていた業界】
・総合商社
・政府系金融機関
・コンサル・シンクタンク
・食品・飲料メーカー
・人材・教育
・IT
・ベンチャー


いわゆるミーハー就活生でした(笑)
ただ、自分が本当にやりたいこともしっかりとあり、最終的な志望度としては、政府系金融機関と総合商社が第一志望だったのですが、どちらも最終面接で落ちてしまいました(泣)


なので、しくじり先生としてのアドバイスも出来ればと思います。


また、僕自身のスペックはいたって普通であり、「学会で研究の発表をし、受賞経験がある」わけでもなく、「サークルを立ち上げてリーダーを務めていた」わけでもありません。


ごく普通の田舎の一般家庭、むしろ一般家庭よりも劣っているような環境で育った普通の学生でも、「それなりにあがいて頑張ればなんとかなるんだよ!」というのが分かってもらえると嬉しいです。

(ただ、それなりに頑張ることは必要です!)


■ 就活していた期間について

就活していた期間は下記の通りです。

【就活期間】
・就活開始|修士1年の4月末
・就活終了|修士2年の6月中旬


大学院に入学してから割とすぐに始め、約1年間就活をしていました。その間、もちろん研究も行っていたので、「就活と研究をどのように両立していたのか」「どのようなスケジュールで就活を進めていったのか」などについて、理系大学院生の視点で書いていきたいと思います。


とはいっても、僕の研究室は世間一般の院生がイメージするようなブラック研究室とは違い、コアタイムもなく、学生にかなりの裁量が任されていたため、自由度は高かったです。その点を認識したうえで、読み進めていただけますと幸いです。


■ 就活を知る編(修士1年 4月~6月)

大学院へ進学した当初、博士課程へ進学することは考えておらず、民間就職だけを考えていました。


しかし、特にやりたいことも決まっていなかったため、「とりあえず就職活動というものを知ろう!」という感じで、4月末にレクミーの「就活スタートダッシュセミナー」のようなイベントに参加しました。


ここで、意識の高い(人がいいとは言っていない)高学歴学生と交流できたのはかなり大きかったと思います。田舎出身の僕にとっては軽いカルチャーショックでした。


また、いきなりGD(グループディスカッション)でフェルミ推定をやらされたりして、「あ、就職できないな」と思いました(笑)


ただ、トップ就活生のレベルを知ることができた点に関しては、今後の自分が目指すべき方向性が定まったので良かったと思います。


これを機に、「ロジカルシンキング」「地頭力」というものについて考えるようになりました。就活ではこの「ロジカルシンキング」がかなり重要になってきます。


レクミーは高学歴向けの就活支援サイトであるため、おすすめします。就活中はレクミー主催の合説や少人数座談会などに参加して、幅広い業界の研究をしていました。


少人数座談会の場合、参加するだけでAmazonギフト5000円分がもらえたりしたので、個人的には重宝していました(笑)


また、個別に優良企業を紹介してくれたりもするので、登録しておいて損はないと思います。


5月になると、修論の研究テーマが決まりました。ただ、この時期はゴリゴリ実験をすることもなく、まったく研究はしていませんでした。それよりも、研究に関連する論文を読んだり、統計解析の勉強をしたり、院の授業に出たりしていました。


土日に、インターンシップセミナーや合説に参加して、インターンや企業に関する情報を入手していました。


6月は「Goodfind」という就活支援サイトのセミナーに数回参加しました。参加したセミナーは、GDロジカルシンキングに関するものです。これも勉強にはなりました。参加している学生のイメージとしては、意識の高い文系学部生と理系院生が多かったです。自分よりも優秀な文系学部生を見て、素直に「すごいな~」と思いました。


また、Goodfind主催の選抜イベントに参加したりして、数社ではありますが、ベンチャーのインターン選考を受け始めたのもこの時期です。この時期のベンチャーの面接に来る学生はレベルが高いですし、面接になれるという意味でも、受けておいてメリットしかないと思います。


僕が初めて受けた面接は、メガベンチャーの集団面接であり、見事に撃沈しました(笑)東大、早慶レベルしかおらず、受け答えの仕方など、勉強になりました。


このような早い時期のセミナーに参加するメリットは以下の2点だと考えています。

【セミナーに参加するメリット】
1.優秀な学生から刺激をもらえる
2.就活の進め方の雰囲気がわかる


僕自身が感じた一番のメリットは「1.優秀な学生から刺激をもらえる」です。


これは研究室という閉鎖的な空間にいたままではなかなか理解できないと思います。研究室によっては「推薦でメーカーの研究職にいけるし~」みたいな人もいると思います。もちろん研究室にも優秀な院生がいるとは思いますが、自分自身の視野が広がるいい機会にはなると思います。


【まとめ】
・就活の軸がないため、とりあえずイベントに複数回参加した
・就活をどういう風に進めていくべきなのかを理解した
意識高い系学生に刺激を受けて、モチベがupした
・ベンチャーの面接を受けて、面接の雰囲気に慣れようとした

【アドバイス】
・自己分析を始めるのに早すぎることはない
・時間があるなら自己分析をして、それをもとにガクチカ作成



■ サマーインターンシップ編(修士1年 7月~9月)

7月は授業のテストがあったり、実験があったり、ゼミの発表があったり、学業面においてかなり多忙でした。学業:就活=7:3ぐらいで生活していました。ゼミ終わりに面接に行ったりしていました。


サマーインターンのES締め切りは7月中のものが多く、本当にしんどかったです。研究ばかりしていて、ESの締め切りを見逃さないように注意してください!


院生は忙しいので、どういう目的でインターンシップに行くのかは、明確にしておくとよいと思います。


インターンシップの目的は2つあると思います。

【インターンシップの目的】
1.業界研究、企業研究
2.早期内定


僕は「1.業界研究、企業研究」をメインの目的に、あわよくば内定がもらえたらいいな~ぐらいの気持ちでインターンシップに応募していました。


というのも、将来やりたいこともまだなかったので、とりあえず企業のことを知ろうと思っていたからです。そのため、ベンチャー、食品メーカー、人材、教育、金融、IT、コンサルなど、幅広い業界を受けました。(外資系は受けていません。)


サマーインターンの概要は以下の通りです。

【選考を受けた企業】
・約20社

【サマーインターン参加企業】
・5 days → 1社
・3 days → 1社
・1 day   → 5社
・辞退  → 3社


院生は忙しいと思うので、業界研究・企業研究がしたいなら、選考なしの1dayインターンに参加するのもありだと思います。ただ、選考がない場合、学生のレベルも正直劣ってしまうため、リターンは少ないことも多いです。サマーは選考のレベルが高いので、自分の実力を測る目的で選考を受けるのもいいと思います。


また、サマーは複数日程のものが多いため、他社のインターンとも日程が被りやすいです。しかし、何度も言うように、サマーの選考はレベルが高いため、受かりにくいです。受かって参加できればラッキーぐらいの気持ちで挑み、もし日程が被ったら辞退するか、別日程で調整できるか交渉すればいいでしょう。


僕は交渉しても日程の変更ができず、辞退しましたが、友人は電話で日程の変更ができていたので、交渉してみる価値はあるかと。


【まとめ】
・研究が忙しくなるが、ESの締め切りに注意する
インターンシップに参加する目的を明確にする
・腕試しで参加するのもいいと思う
・日程が被れば交渉してみる

【アドバイス】
・SPIなどのテスト対策を夏からしておくと後半がかなり楽(僕はそこまで勉強していなかったので、3月頃が大変でした)



■ 就活のモチベダウン編(修士1年 10月~12月)

夏にインターンシップに参加したのと、大学院のイベントにも参加したことから、就活へのモチベーションが少し低くなりました。


後期は授業数も少し増え、研究での出張なども増えたことから、物理的にも就活に避ける時間は減りました。この時期は、学業:就活=6:4ぐらいでした。授業を受け、研究も進めながら、秋冬のインターンシップを調べたりしていました。


相変わらず志望業界は絞れないまま、人材、IT、ベンチャー、食品メーカーを受けていました。レクミーの少人数座談会にも参加して、Amazonギフトを稼いでいました。


○ モチベは下がるが少しやる

就活のモチベは下がりましたが、「やらなければ不安なのでやる」という感じでした。10月からはインターン参加者優遇の本選考が始まったり、通常の本選考を開始する企業もちらほら出てきたので、本選考を2社受け始めました。結果的に、この2社からは翌年に内々定をいただきました。このことからも、インターンに参加して、人事の方と仲良くなったりしておくと、かなり選考にも有利な気がします


また、早期内定を持っておくと、余裕を持って第一志望に挑戦できますし、「こいつは○○企業の内定を持っているから優秀なんだろうな」と人事に思わせることもできます。


ちなみに、2社のうち1社はサマーインターンの選考で落とされてもいるので、インターンに落ちたからといって本選考が不利になるとも限りません。しかし、企業によっては、インターンの選考において一度WEBテストを受けると、本選考で新しくWEBテストを受けられなくなる(インターンの結果を使いまわし)ので要注意です!


ンターンの選考に落ちると、今後1年間選考そのものを受けられなくなる企業もあるので、そちらも要注意です!(P&Gとかそうだったはず)


モチベは下がるものの、面接が通ると再びモチベが上がり始めたりもしました。就活も研究も、モチベが高いときに集中して取り組むことが多かったような気がします。


○ 激務の方が生産性が上がる?

12月は研究の進捗報告発表が2回、授業の発表が1回、実験もしなければならない、、、などの超絶多忙を極める中での就活でした。週2~3で面接や1dayのインターンに参加していたので、毎日予定が入っていました。


しかし、忙しい中で成果を出す必要があったので、効率的に研究にも就活にも取り組めていたような気がします。


そして、「来年こそは就活の軸を明確にしよう!」という決意のもと、実家に帰省しました。


【まとめ】
・インターンの選考が本選考に影響するかは企業次第なので、しっかりと調べることが重要
・秋ごろから本選考を開始する企業・業界があるので、この時期から選考を受けておくと心の余裕が生まれるし、優秀さのアピールにもなる


■ ガチ自己分析編(修士1年 1月~3月)

(執筆中)


■ 本選考編(修士2年 4月~6月)

(執筆中)


■ 院生就活のメリット・デメリット

ここからは僕自身が院生として就活をしていて感じたメリット・デメリットについて書いていきます。

【メリット】
1.学部生より研究について詳しく話すことができる
2.学部生より話せるエピソード数が多い
3.「論理的思考力」と「泥臭く努力できる能力」は評価してもらいやすい
4.研究を言い訳に面接などの日程調整がしやすい
5.給料や入社後の待遇において、学部生より優遇されることもある


メリット1.「学部生よりも研究について詳しく話すことができる」

これが一番のメリットではないでしょうか。学部の卒論と修論のテーマが異なる場合は、単純に話すエピソードが2倍ですし、「なぜテーマを変更したのか?」という質問に対して、自分自身の意思決定の価値観を話すことができます。


研究内容の話をする場合、小学生を相手に話しているつもりで、論理的にわかりやすく説明することが大切です。あとは、その研究が社会にとってどう役立つのかまでは考えておくべきです。


メリット2.「学部生より話せるエピソード数が多い」

サークルにしてもバイトにしても、学部生よりも経験が長いです。経験が長い分、話せるエピソードも多くなるはずです。話せるガクチカが多いことに越したことはないのでしょう。


複数のガクチカを話すことで、自分自身の興味関心の幅の広さ好奇心旺盛であることのアピールができます。また、各エピソードにおいて自分の強みや意思決定の一貫性を示すこともできます。就活において、「一貫性」は注意してみられていると思うので、意識してみるといいと思います。


メリット3.「「論理的思考力」と「泥臭く努力できる能力」は評価してもらいやすい」

「研究=難しいもの、しんどいもの」というイメージがあると思うので、「論理的思考力」と「泥臭く努力できる能力」は評価されやすい印象でした。この2つは自己PRとして前面に押し出してもいいと思います。


ただ、理系院生はこの2つがあって当たり前みたいなところもあると思うので、その点は注意が必要です。僕自身は、地頭がそんなに良くないと思っていたので、ロジカルシンキングに関する本を数冊購入し、勉強していました。


メリット4.「研究を言い訳に面接などの日程調整がしやすい」

面接の日程調整をするときの言い訳がしやすいです。学生の本分は勉強であるため、授業や研究を理由にされると、企業側も断りにくいはずです。逆に、「勉強を言い訳にするな!」みたいな無茶苦茶なことをいう企業があるかもしれませんが、そんな企業は早々に辞退しましょう。

日程調整は企業側にも迷惑がかかるので、なるべくしないことがいいとは思います。


メリット5.「給料や入社後の待遇において、学部生より優遇されることもある」

僕自身は募集要項の給料の項目をしっかりと見ていました。大学院で2年も研究を頑張っているのに、学部卒と同じ給料なのが嫌だったからです。2年間の努力は評価してほしいと思っていました。


また、入社後も院卒の方が出世が早いことも多いです。その辺が気になる人は、人事の方やOB訪問を通じて聞くといいと思います。


「学部卒も院卒も関係ねえ!結果がすべてだ!」という方にとっては、この点はメリットではないかもしれません(笑)


次は、院生就活のデメリットになります。

【デメリット】
1.ほかの優秀な院生と比較して評価される
2.学部生と同じような志望理由では受からない
3.研究職を目指すならば、研究内容の分野が同じでないと難しい
4.研究室が忙しかったり、教授の理解が得られなければ就活が厳しい


デメリット1.ほかの優秀な院生と比較して評価される

就活において院生が勝負するのは学部生ではありません。同じ院生です。そのことに僕が気づいたのは就活の後半でした。学部生だと私立文系から旧帝理系まで、レベルの幅がかなり広いと思います。しかし、院生の場合はほとんどが理系であり、正直言ってレベルの低い学生はほとんどいませんでした。自分と同じぐらいか、自分より優秀な学生ばかりでした。


院ロンダを考えている学部生は、その点も踏まえておくとよいでしょう。


「鶏口牛後」という言葉を実感しました。



デメリット2.学部生と同じような志望理由では受からない

志望理由に関しては注意が必要だと思います。


よく聞かれるのは「なぜ博士課程に進まないのか?」や、文系就職の場合、「なぜ理系職ではないのか?」などです。


文系学部生の志望理由でよく聞くのが、

・チーム経験でのやりがいに基づくもの
・リーダーを務めた経験に基づくもの
・海外で活躍したい

などです。


同じような志望理由を理系院生が言うと、面接官は

「え?大学院にまで進学してそんな志望理由なの?」

と思うかもしれません。


そう思われないためには、研究に紐づけることがいいのかな、と僕自身は思います。「研究では自分のやりたいことができない」「研究ではなくビジネスの分野でなければ成し遂げられない」といった志望理由だと、面接官も納得してくれる確率は高いと思います。

(執筆中)



■ 院生は就職に有利なのか?

就活においてめちゃくちゃ苦労したわけでもないけど、第一志望には落ちてしまった僕自身の経験から判断すると、どちらでもない気がします。


大学院に進学したことで、「なぜ院に進学してまで研究がしたいのか?」という点で、自分の価値観を熱く話すことができましたし、かなり評価もされました。


一方で、学部生よりも高い能力は求められますし、高学歴院生の中には化け物みたいに優秀な人もたくさんいます院生は院生としての枠で比較、評価されるため、就活でのライバルはそのような化け物みたいに優秀な学生になります。もちろん、このように優秀な学生ばかりではないので、そこまで気張らなくてもいいとは思いますが、僕が第一志望の最終面接で落ちた理由は、ほかの優秀な院生に劣っていたためだと考えています。学部生以上、院生未満みたいな中途半端な学生だったのでしょう(笑)


下手に大学院に進学、特にロンダして自分の実力以上の大学院に進学してしまうと苦労することもあるんだよ、ということはお伝えしたいです(笑)


【まとめ】
就活において院生はメリットの方が多いと思うが、比較対象になるのは同じような院生であり、優秀な院生たちとの勝負になることは知っておくべき。

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