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断酒、スリップしてしまいました

【相談】36歳休職中男性

こんにちは。私は先日アルコール病棟で3か月入院して退院した者です。現在リハビリ施設で、AAの12ステップを学ぶために勉強をしています。

自分の欠点を全部ノートに書きだし、その欠点によって困った人や私が嫌いな人、少し近寄りがたいなと思っている人にたいして、そのような過剰を抱いている理由も書き出しています。

ステップを進める中で、彼ら彼女らに直接会って、謝罪して、人間関係の埋め合わせを行うことは結構重たいですが、自分を飲酒欲求から断ち切るためには必要なのかなと思っています。
自分自身の調査だけでは何も変わらず、行動しなければ変わらないことは、AAだけではなくいろんな人が言ってますからね。

私はまだスポンサー(アル中から回復してAAの12ステップを踏んだ人が自分の12ステップの経験を教えてくれる人)はいません。探してすらいません。
AAに行っても、なんかあまり人間性が合いそうな人がいないんですよね。一回お願いして、性格が合わないから変えてくれっていうのも面倒くさいし、毎日連絡しろとか強制してくる支配的なスポンサーがいるらしく、それって全然12ステップ踏んで酒辞めてるって事実があるだけで、お前の人間性全然変わってなくない?とも思うわけです。

そんなこんなで、リハビリが終了して、職場復帰したらスポンサーもつけず、自助グループに所属もせずに、AAにはしっかり参加して分かち合いは行っていこうと思いながら、毎日のリハビリは楽しく頑張っています。

でも、先日大きくスリップしてしまいました。個人的にもつながっているお客さんから電話がかかってきて、アル中で休んでいることを大きく非難されませんでした。連絡を定期的に取らなかったことが癪に障ったらしいです。
でも、彼はたまに連絡してもいいよとは言ったものの、僕は彼に特に幼児はありませんし、私は休んで復活したらまた連絡しますと伝えています。
それなのに人格否定をされながら、連絡がなかったことを咎められながら、「そんなんだからアル中になるだよ」「お前のためを思って怒ってんだよ、怒るのも疲れんだよ」と馬鹿にされました。

なんだかすごい剣幕で怒られて、言われた内容よりもその迫力みたいなものにビビってしまって、私の心には大きな穴が開いてしまいました。
その穴を埋めるために気づいたら酒を飲んでいて、最初はチューハイ1本くらいだけだったんです。でも全然悲しみが埋まらなくて、気づいたら10本以上飲んで潰れていました。
それから毎日同じくらい飲み始めて、特に迷惑をかけた認識はないのですが、とにかく飲酒量がすごくて止まりません。

以前の入院前よりずっと酒の量が増えています。多分このままだと死ぬと思います。死ぬのはわかっているんですが酒を辞めることができないです。
ブレーキがない車に乗っている感覚です。右手に缶チューハイの冷たい感覚がないとなんだか落ち着きません。

リハビリにはまだ通っているのですが、そのうち通えなくなってくると思います。また、入院生活で次は間違いなくがっちゃんこ部屋行きです。
死にたいとまではまだ思いませんが、社会復帰の自信は無くしています。
どうか、アドバイスをください。

【ななにいに@メンタル兄貴の回答】
アルコール入院中(一か月経過)の私にそれを聞きますか!?ありがとうございます。ソーバー(断酒期間)一か月ですが、少し思うところをお話ししたいと思います。

AAの12ステップは結構しんどくて重いですよね。まだ行ってはいませんが、将来行うと思うと戦々恐々としています。リハビリ施設でそれを行っているあなたはすごいと思います。

ただ、対人関係でしんどいことがあってスリップしてしまったんですね。
スリップすることは「まあ、飲みたかったし仕方ないや」くらいに思った方がいいでしょう。結構しんどいことがあった後、大酒飲んでしまって、後悔して、反省して、明日気持ちを新たにスタートする人が多いんですが、3時間後には手が震えだし、ランチでグラスビールを頼み、足りなくて食事後にコンビニでストロング缶を買ってしまい、用事中はずっと手足が震えて、終業後コンビニに駆け込んで缶ビールとストロング缶を掃除機のように吸い込んで、気持ちよくなって、気持ちが大きくなって赤ちょうちんに入ってほかのカウンター客にクダを巻く姿を想像できます。

飲んだのは別に良くないですか?確かに自分との約束は破ってしまったかもしれませんが、その約束自体が実は意味のないことで、それはマゾヒズムですらなく、ただ目的もなく自分の体をタコ糸で縛ってるだけの行為と変わらないと思います。
自分の感情に逆らうというのは難しいことです。やりたいことがあったらやり、飲みたかったら飲めばいいんです。底打つまで飲めばいいんです。
そもそも断酒しようとしているアル中は飲酒欲求を自分に沸き起こした時点で負けなんです。その事実を認められないからどんどん酒が進んでしまうんですね。「せっかく入院したのに前の俺に後戻りだ」とか「スポンサーにいうべきかどうか」とか「次のAAでワンデーメダルもらいたくないな」とか、いろいろあると思います。でも悔しいという感情すらも受け入れてください。すべてあなたの「あるがまま」の感情です。それに逆らおうとするからいけないんです。

「じゃあ酒飲みたくなったら開き直って飲めってことか?」と思われるかもしれませんが、そういうことではありません。
「酒を飲みたいという感情」を受け入れるんです。争ってはいけません。それで飲んでしまっても気にする必要はありません。また「酒を飲みたい」という感情が湧いてきたら、その感情を受け入れるんです。それを繰り返しているうちに、自分の感情のコントロールがだんだんできてくるようになります。
ストロング缶一本飲んで、もう一本すぐ飲みたくなることは我々アル中患者にとっては普通のことだと認識して受け入れるんです。感情を受け入れたとき、でも飲む決断をしたのならあなたは飲めばいいんです。そして、その飲んでいる感覚、気持ちいいのど越しを思えておくんです。

お客さんに叱られた話に関しても、その感情を受け止めるんです。そして、感情が喉元を過ぎるのを待つんです。それでも酒飲まないと解決しないと思うんだったら頓服として酒を飲むんです。あとは先ほどの繰り返しです。でも、「飲んで悔しい」「飲みたいけど飲むのを辞めたい」「酒を飲みたくなるなんてなんてダメな俺なんだ」とは思わないでください。自己憐憫に陥るということは、自分で自分の心を、脳を攻撃していることになります。
誰か構ってくれる人はいるかもしれませんが、自己否定は何のメリットもありません。

スリップしても前向きに頑張っているあなたはすごいと思いますよ。
「12ステップと12の伝統」に書いてある一日の貸借対照表を作成することをお勧めしますよ。
一日のなかで、良い行動を取ったり、人の役に立てたり、うれしいことがあったらそれを資産の欄に書きます。
一日になかで、良くないことが起きたり、良くない行動をとった場合は、どうしてそういう行動をとってしまったのか詳細に点検します。
それを繰り返すうちに、自分は悪いことばかりある人間ではなく、長所も短所もある普通の人だということがわかるはずです。

応援しています。

ご相談ご質問はななにいにtwitterまでお願いします。


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