見出し画像

スターバックスの抹茶ラテ

緑色のものが小さいころから好きだった。七五三の着物も自分で選んで緑色の生地で祖母に仕立ててもらったし、振袖も緑地のものにした。街中で見かけるミニクーパーが緑色だと気分が高まるし、いつかミニクーパーを買うなら緑色一色のカラーリングにしたいと思っている。飲食においては抹茶のものが好きで、紀文の抹茶豆乳は私にとって栄養起爆剤に等しい。
近所でたまにまいばすけっとさんがお安く売ってくれる。好き。

抹茶飲料、抹茶を用いたお菓子の類は世の中にごまんとあるが、大概が抹茶の持つ苦さが宇宙の彼方にすっ飛んでしまっているようであまり私の好みではない。苦さが程よく残り、その上に乳製品やら甘みがあるのが抹茶加工品の醍醐味だと思っている。
ちなみに、抹茶そのものも好きである。陶芸が趣味だった祖母とともに、祖母の作品で抹茶を飲んだりもした。物心ついたころだった。

幾多ある抹茶製品の中で私が一番好きなのは多分スターバックスの抹茶ティーラテだと思う。今日飲んできた。おいしかった。甘いのがしんどいので、ライトシロップにしてもらう。日によっては低脂肪乳やら豆乳にしてみたりもする。こんなことができるのがスターバックスの抹茶ティーラテの好きなところである。
本当に好きなのは低脂肪乳、ライトシロップでエクストラパウダーにしたときで、抹茶のガツンとした苦みと風味が一番よく味わえる。しかし口周辺と口腔内がもれなく真緑になるので、人目を気にしなくてよいときにしたほうがいい。仕事の合間に飲むのはリスクが高い飲み物である。

スターバックスの抹茶ティーラテにはいろいろな思い出がある。

生まれも育ちも東京のそこそこ都心に近い場所だった私は、生意気にも中高時代のテスト勉強をスターバックスで展開する学生だった。Macではなく、ありとあらゆる教科書、参考書、ノート、ルーズリーフを領域展開していた。その時、大概領域に巻き込まれていたのが抹茶ティーラテである。
勉強しているときはお土産にもらったタンブラーを使うことが多かった。ささやかな環境への配慮と、圧倒的な見せつけである。ちなみに一度だけタンブラーに抹茶フラペチーノをいれていただいたことがあり、みじんも飲めず公開した。
長時間ユーザーに比較的心の広い各店舗には感謝である、おかげで勉強を頑張れました。

もう一つ、苦い思い出もある。抹茶さながらである。
好きだった人との待ち合わせまで少しだけ時間があって、あまりにも若く上がっていた私は駅近くのドトールの抹茶ティーラテに浮気した。ただ時間があるといってもたかだか15分とかそのくらいだった気がして、15分の間にドトールに腰を据えに行った自分が今でもよくわからない。ただ、今でも15分の時間のつぶし方はピンとこない。
さていざ当人と落ち合い、カフェに行こうとなった。とはいえ当時はまだ高校生、こじゃれたカフェも思い浮かばず、流れるままにスターバックスにたどり着いてしまった。そして15分前の記憶などすぐに消え、本命の抹茶ティーラテに再びたどり着いてしまうのだった。瞬間抹茶ラテ飲料は人生の最高潮を記録し、以降更新されていない。

人生の何かしらのシーンで抹茶ティーラテが登場する。ものすごい頻繁に飲むわけではないけれど、ところどころ要所で飲んでいるあたりが付かず離れずの親友のような気がしてよい。

長い休みの1日目に飲んだ抹茶ティーラテのふちには、昔はつかなかったはずの口紅の跡がついていた。

画像1


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?