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抗力の効力〜あなたの製品サービスが受け入れられない理由〜

書籍のメモです。

以下の書籍を読みました。

「変化を嫌う人」を動かす: 魅力的な提案が受け入れられない4つの理由



結論から言うと、新しい製品やサービスをお客さんに届けようとする際に、抗力、つまり抵抗の作用を考えて設計する重要性を説いています。

イノベーションへの4つの抗力

新しいモノゴトを届ける際に抗力が発生する。
その抗力は以下の4つに分類されると著者はいいます。

  1. 惰性
    自分の知っていることやってることに固執しようとする強い欲求。

  2. 労力
    実行に移すためのエネルギー。労力には手間とロードマップが不明の2つがある。

  3. 感情的抵抗
    変化が引き起こす思いがけない否定的感情。他者や世間社会からどう見られるかどう言うふうに感じられるか。

  4. 心理的効力
    変化させられないとする衝動。

本書の冒頭にあったいくつかの例えがわかりやすかったので紹介します。

弾丸の速度

弾丸をより遠くまで飛ばすためにはどうすればいいのか。

弾丸が飛ぶ仕組みなんて言われてもぴんとこないかもしれませんが、中と言うのは弾薬を破裂させ、その空気圧よって弾丸を飛ばしています。

じゃあ火薬の量を増やす威力を大きくするというのがすぐに思いつくアプローチでしょう。

一方で、物体が飛んでいく際には抵抗がかかります。威力が大きくなればなるほど、抗力も大きくなるため、この力をなるべく最小化するような仕組みがないと、どれだけ威力大きくしてもそれは飛距離に結びつきません。

では、弾丸の構造はどうなっているのかと言うと、円錐型でさらにライフル銃の場合は、回転をかけることによって、この空気の抵抗を最小限になるように設計されています。

身の回りにある高速で動く乗り物、新幹線や飛行機、の先端に目を休めると同じような工夫がこらされているのがわかります。

つまり、ここのたとえでは、弾丸があなたが届けたい製品やサービス、そしてそれをプッシュするのが火薬、そして、それが世の中に受け入れられるられやすくするのか抗力の設計というわけです。

オーダーメイドソファー購買率の改善

これも書籍の序盤に紹介されていた事例です。

若い世代向けのオーダーメイドソファーを提供している会社は、広告やオンラインショップ、実店舗での体験会など、非常にに多くのユーザをアトラクトできていたが、なぜか購買のタイミングで離脱する人が多かったそうです。

最初は、購入のインセンティブを後押しするようなキャンペーン等のアプローチを試みていたが、一向に改善されなかった。そこで買わなかったユーザにインタビューを行い、深ぼってみたところ、いざ買うとなったときに1番の抗力となっていたのは、今あるソファーをどうするのか問題だった。

これは海外のケースなので、日本の粗大ゴミ回収との違いはわからないが、ソファーのような大きなものを破棄するのはとても労力がかかるだろう。検討者は結局として調べたり、手続きしたりするのが、最後の最後でめんどくさくなって購入にならないと言うケースだったよう。

この事実が判明したメーカーは、今あるソファーを無償で引き取り。それを生活支援をしているNPO等に連携するのをサービスで提供した。これによって購買率が大きく改善したと言う事例である。

まとめ

この書籍はありそうでなかったイノベーション、つまり新しい物事が受け入れられるためには抵抗の観点から製品サービスを設計したり、施策を行うことの重要性を教えてくれるます。

ともすると、私たちは火薬、つまり燃料をどんどん注ぎ込み魅力をプッシュするようなアプローチをとってしまいがちであるが、これは逆効果であることも多い。皆さん経験あると思いますが、ショッピングをしている最中に、ぐいぐい店員からお勧めされると引いてしまうのと同じです。

一方で、抗力となっているものは、表層的にはわかりづらい。こうしたインサイトを見つけるためには、ユーザインタビューを行ったり、しっかりと行動観察をしないと発見できないことが多い。

そういう意味では新しい製品を開始するとき、また効果的なマーケティングを行いたいときにユーザインタビューが近年注目されているのは、こういった理由も大きいのだろうと思います。

抗力を最小化する製品サービスの設計。こういう視点で世の中のサービスを観察してみると色々発見がありそうですね。

各抗力の詳しい内容や紹介と合わせて、また別の記事で調べてまとめてみたいと思います。

参照

英語の本体サイト

https://open.spotify.com/episode/26Yub2ZzNj0aztZ5bsTupN?si=S8NLWHRRQw2oEKodKTdp8Q


タイトル写真


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