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曲がりながら、加速する



なんてことはない。どこにでも、ある話
同居人の運転する車は、時として棺桶ボックスに、なりそうになる


同居人の運転は、別に危機感のあるものではない

距離開けすぎの、車間距離
どんな場所でも、法定速度
優しい、発車
優しい、ブレーキ
センスの良い音楽


模範的な車が国道を走る。私たちの間に会話は無かったが、天気の良さが車内に穏やかな雰囲気を匂わす。


運転に性格が出るとは言うのは、あながち、間違いでは無さそうだ。外の景色の早さを見て、そう思った


同居人は「皆が守るべきルール」というものを、特に、自分自身に対して厳しくしている。それは法律以外にも、家のルールでもそうだ。


左折するときは、無駄に歩行者の存在を、確認しに行く
右折するときは、3回くらい、歩行者がいないことを確認する


乗っていて安心するし、真面目な人だと、改めて認識した

ただ1つだけ。気になるところがあった


曲がりながら加速する


90度に曲がるときではなく、緩やかに曲がる道で、なぜか加速する

車内で少し「G」を感じた。右に曲がる時に、体の左側が扉にくっつく


「カーブのときには、アクセル踏まなくて良いよ」

と、言ったこともあった。70m進んだあたりで「そう?」と自覚の無い返事。もしかして意識していないのか


「ちょっとGを感じた」と笑い話にする方向で、話をもっていこうとした。正直私の中では、運転している人に「運転の文句を言う」というのはご法度なので


同居人は返事をすることなく、運転に集中していた。別に怒っている様子ではなく、全く他人事のような雰囲気で聞き流していた


さて、『曲がりながら加速する人の性格』とは何か考えてみた。思いつかない。他のところは良いのに、なぜ曲がる時に加速するのか


わからない。


何でも全て理解する必要もないか。って考え、時としてやって来る「G」に、体を委ねることにした






いただいたサポートは、同居人と飲むコーヒー代にあてていこうと思っています。さらに余ったら、近くのロールケーキ屋さんでケーキを買えればと思っています。