眠れないあなたはテレビをみていい(詩)+(エッセイ)
不安で眠れない、眠れない夜は、テレビ……テレビをみるといい。えっと、テレビにはいろんなものが放映されていて……宝石を売る。夜は、アニメーション。髪の色がカラフルな女の子たちが、遊んでいる……いいな、すごく、いいな……髪は、カラフルで、宝石は、カラフルだ。いい。すごくいい。
クォーツが、いい……しろい。パールも、しろい……アメジストは暗くて、ダイヤモンドは……とてもカラフルだ。アニメーションだったのかもしれない、ダイヤモンドは……。ダイヤモンドの声が、たくさんの女の子たちと、おなじ声で……ちがう声音で……遊ぶ。歌う。スプーンをもって踊るエンディング映像。カラフルだ、とても……。カラフルで、いい。
深夜に放映されているアニメーションのコマーシャル映像には、DVDを買ってほしいと、依頼するものが、ある……とても、いい。いいことだ……DVDの裏面は、とても、カラフルだった……と、思う、思います。光の射し方によって、虹色に、光って……女の子なのかもしれないな、DVDは。
BDは、どうだろう……BDのことはよくわからないけれど、液晶テレビはたぶん、カラフルだ。テレビをつけると、色があって……いい……女の子たちが遊んでいる。歌って、踊って、遊んで……とてもカラフルだ。テレビなのかもしれないな、女の子たちは……女の子たちは、どっちでもいいのかもしれないけれど。
「nostalghiaさんってあまり人を嫌いにならなそう」
と言われたことがないので、たぶん私は人間嫌いにみえるのだろう。
「生きもののうちでは人間がいちばん嫌い」
とは中勘助「銀の匙」の言葉だが、それはなにも特別なことではないと思う。……ということは、やっぱり私は人間が嫌いなのだろうか。たぶん、世の中には「私は人間が大好き!!!」っていう人もいる。諦めを含んだ受容だったとしても、そうやって思うことは尊いことだと思う。
私は人間のうちでは家族がいちばん好きだ……といえるかもしれないが、そう断定で語ることには後ろめたさがある。
「すべての不幸は家族の幸福から始まる」
と太宰治はあるとき確信に至ったようだが、否定できないことかもしれない。
内に向けた優しさは、外には暴力となって向かうこともある。家族しかり、民族しかり、国家しかり、イデオロギーで結ばれた複数の国家しかり。
せめて、そうはならないように、やさしさをもちたいと思うことしかできない。そう思うことしかできないのであれば、なおさらに。
価値多様性のなかで生きる現代の私たちは、せめて、普遍的で、共通するぶぶんを……やさしさと呼びたい。
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