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おすすめsteamゲーム「q.u.q.」

steamで英語の勉強になりそうなインディーズゲームを捜していたところ、こんなゲームに出会った。


基本的には選択肢で進むビジュアルノベルゲームだ。

世界を崩壊に向かわせる〈蜃気楼〉が空に浮かび、大地は砂漠に覆われている。人々は街を高い壁で囲み、そのなかで自治しながら暮らしている。

少女〈Hacchi〉が砂漠に倒れているシーンからこの物語は始まる。
〈Hacchi〉はこの世界に呪いをもたらした元凶を破壊するため、街から出て砂漠を旅することになった――のかもしれない。あるいは、街から追放されたのか。灼熱の太陽に焼かれ、空腹と喉の渇きに飢えながら、ただ死を待つのみの彼女のもとに、顔面に穴のあいた暗い影――〈stranger〉がやって来る。

「水を、きみにあげよう」
「お腹は空いていないかい。空いているだろう?」

〈Hacchi〉は言う。

「ほっといてくれ。私を助けられるのは私だけだ」

「生きる」ということのすべての意味が抜け落ちてしまったこの世界で、それでも生き続ける意味とは何か。不条理な運命の中で、〈Hacchi〉はなにを選び、どう生きるのか。だれのために世界を救うのか。

10年間帰らない主人を待ち続ける古時計〈smart clock〉や、自分の役割にうんざりしている〈apostle〉たち、週刊少年ジャンプに持ち込みを続けながらも自分の作品の抽象的かつ超現実的な世界観を担当編集者に理解してもらえないと嘆くヒゲナシエビ……。

さまざまな個性的かつ深く掘り下げたくなる登場人物たちは、何度も再起動して会いたくなる人々ばかりだ。

音楽も絵も、素晴らしく抒情的で落ち着いている。
短いながらも、エンディングが多く、隠し要素や選択肢を選ぶ際の緊張感もある、なかなかに充実したゲームだ。

日本語訳もされており、パッチをあてなくてもプレイできるのが嬉しい。
私のプレイした英語訳は口が悪く性格が粗暴な〈Hacchi〉の魅力が存分に伝わってきた。訳者の素晴らしい力量によるものだと思う。

価格が235円というところに驚く。もったいないと思うが、多くの人にプレイしてもらい易い金額帯でもあると思う。

キノの旅が好きな人は必ずはまると思うので、ぜひおすすめしたい。

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