キャラクター作りは難しい

小説家志望ながら、キャラクター作りと恋愛小説が苦手な大山哲夫です。
キャラクターというのは、昨今の小説では最重要とされるほどの項目ですね。苦手とは言っていられない。しかし造形も描写も難しいですよ。
拙作を読んでいただいて得られるのは、「区別つかない登場人物が多い」「誰が誰だかわからない」とか、そんな感想です。まるで赤塚不二夫先生の「おそ松くん」の六つ子だけが登場する話でも読んだかのようです。彼らは彼らで、区別がつかない6人というのが特徴ですけど。
そんな「おそ松くん」も、近年では「おそ松さん」として現代風にされ、それぞれに濃いキャラづけがなされました。それだけ、キャラクター重視の風潮が高まってきているということなんでしょう。

さて、わたしが現在執筆中のものは、かなりキャラクターに力を入れています。キャラが弱いと言われてきた汚名を返上したいのです。
通っている小説教室の方々に見ていただいたところ、特に主人公の相棒ポジションのキャラの強烈ぶりは驚かれましたね。
ヒロインなんか、「アホすぎる」「主人公はどうして惚れたんだ」などと評価されました。あまりいいことを言われたわけではありませんが、わたしは心の中でほくそ笑みました。それだけおもしろいキャラにできただろうと。
それにしてもキャラクターの個性が強いと、執筆していてもいろいろといいことがありますね。まず、その場面・その状況で、キャラがどんな言動をするか、イメージしやすいです。
また、今まではセリフも「誰が話しているのかわかりにくい」と言われましたが、今回はそんなことも減りそうです。キャラごとのしゃべり方の癖なんかも自然とできる感じです。
これはいいですね。野球のピッチャーでいうなら、剛球・速球が使えるようなものです。「ドカベン」でいうと岩鬼みたいな。
わたしは今まで、キャラクターよりも物語の展開のおもしろさで勝負しようとしていました。球威で勝負できないわたしは、変化球とか、配球っていうんですかね、そういうので戦おうとしてきました。「ドカベン」でいうと里中ですね。
いやしかし、重い球や速い球を投げられるようになると、変化球の使い方にも幅が出て、戦術がグッとました気分です。これは「ドカベン」でいうと誰かな。不知火? 彼は速球であって剛球ではないイメージだな(むしろハエが止まる超遅球の印象が強い)。「キャプテン翼」でいうなら、パワーとテクニックを併せ持った皇帝シュナイダーあたりがいいんですが(野球ではない)。

いい気分だったのはよかったのですが。
まあありがたいことではありますが、さらなる課題が見えてきました。
まずですね、アホすきると言われたヒロインですが、それが魅力につながっていないという評価です。ただの変な人になっている。ヒロインがこれではまずいでしょう。挙句の果てには、サブヒロイン(こっちはそこそこいい評価)と、メインヒロインの座を交代させたらどうかとまで提案されました。いや、これは本当にまずい。
さらに、相棒キャラが強烈な分、主人公が薄いとも言われました。完全に相棒が主人公を食っていると。どうもキャラクターのバランスが悪いわけですな。個性の強いキャラがいれば、それに負けないキャラも作らなければいけない。あたりまえのことなのかもしれませんが、やっと気づかされました。
せっかく剛球を使えるかなと思ったら、コントロールが悪くてあまりストライクゾーンに入らない感じです。これじゃまるで、「新・巨人の星」の右投手として復活したばかりのころの星飛雄馬のようです。大リーグボール養成ギプス右投手用が必要ですな。

まだまだ、精進が必要なようです。自分でなんとかするしかありません。
今回は古い漫画のネタばかりで失礼しました。

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