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自己観察から見えたもの 4


自己観察から見えたもの

『自信がない、という土台』


自分のやりたいことは「絵を描くこと」というのはわかったので、そこを「じゃあ具体的にどういう絵が描いていきたいのか?」を掘り下げようと思ったけれど、その前にやはり自分に自信がないことに引っ掛かりを感じていて、そこも掘り下げていくことにした。
口に出して自分自身を褒める方法はとても良かったけれど、それだけでは自分の自信のなさは根本からは変わらないと感じていた。

作業通話で話していて、「相手に対して、何かメリットがなきゃいけないっていう関係は、不健全だよね」という話題が出た。
言っている意味はわかるし、私も相手に対してはそう思うけれど、私自身に対しては「でも、私自身がそこにいることで相手に対して何かメリットがなければ、私はそこにいられない」と思っていることに気がついた。
やはり、ありのままの自分自身では自信がない。その話を作業通話で聞いてもらい友達から「間違えるのは当たり前。間違えても経験の一つ。みんな1人ではできないし、完璧ではいられない。だから、こうやってコミュニティにいるんだよ」と言葉をもらった。

なぜこんなにも自信がないのか。「相手に対してメリットがないと私はそこにいられない」と思うのか。
夜寝る時になぜだろう…。こういう風に考え始めてしまったのはいつからだっただろう…と深く考えていくと、幼い頃の親との関係があることに気づいた。

自分の周りの空気を読んで、そこの場が良い雰囲気になるようにと自分自身をその場の潤滑油のように演じてしまう癖が幼い頃からあった。
自分はおバカで、でも親の言うことをよく聞く良い子であることで家庭の雰囲気がよくなっていると思っていた。


親から怒られた時は、私が悪い子だから怒られるのだと思っていた。「私は悪い子なんだ!もっと良い子にならなくちゃ!」と。そして、親から怒られる私は「自分は悪い子!」と自分自身をジャッジしてしまっていた。
スパゲティを手掴みで食べたり、お風呂上がりパンツ一丁ではしゃいだり、そういうことでめちゃくちゃ怒られた。お行儀が悪いよ、と諭されたり躾されたりではなく、感情のままにただただ怒られるだけだった。親になった自分自身が子どもの頃の自分のそういう行動をみると「まぁ子どもあったらあるあるだよね」と笑うくらいのものだけれど。

そういう、些細な子どもらしいやんちゃさを、めちゃくちゃ怒られていた小さい頃のことを思い出し「私は子どもらしくいたかった。私は私のままでいいよって言われたかった!私は自分が悪い子で良い子を演じなきゃいけないのが嫌だった!私は私が悪い子だと自分でジャッジするのが嫌だった!」
という感情が自分から溢れてきた。
その自分の感情を、泣きながらXに書き連ねてアウトプットした。
自分の感情に対して素直になれて、過去の幼い頃の自分を大人になった自分がよしよしと慰めに行けた気がした。
私は自分で自分を「私は悪い子!」とジャッジしていたんだなぁと気づいたと同時に、悪い子でも良い子でもなく、私は私なんだ。私は私で良いんだ、私は私をジャッジしなくて良いんだ!ということにも気づいた。
その気づきは、幼い頃築けなかった『私は私のままで良い』という自信の土台をもう一度築き始めるために必要なものだった。

そして、「私は自分の気持ちを素直に出すことを許す。私は幼い頃の素直な気持ちを出すことを許す。」と口に出してみた。
どれだけ周りの状況が見えてても、気遣う気持ちもあっても、それとは別で私は私の気持ちを出してよかったんだと分かった。




『気持ちの変化。 自分の輪郭、私は私』


自分の自信の土台を築く一歩を踏み出した時、自分自身の感じ方が変わったのに気づいた。
今まで「私は何にでもなれる。演じられる。」と思っていた。
誰の要望にも応えられるし、要望されたらどんな色にも染まれる。それが私の良さだ!と思っていた。とても傲慢な考えだ。

でも、『私は私のままで良い』という思いに気づいた今は、たとえば仕事相手から「こういう感じの可愛いポップなキャラクターデザインをしてほしい」とお願いされても、「私はリアルタッチなイラストが持ち味なので、そういう絵は描けません。他にそういうのが得意な人を紹介しますよ〜!」ってはっきり言えるなぁと思った。今までだったら無理にでも努力して、相手の求めるものを追及しようとしていただろう。けれど今は、「私はそっちじゃない」「私はこう!」という自分の輪郭がしっかり感じられるようになった。
そして、それを相手が受け取るかどうかは相手次第で、「あ、そうですか!じゃあ紹介してください!」というのか、「じゃあ別の人に頼みますね」になるのか、「いやいや、それでもあなたに描いて欲しい!」となるのかは相手の選択なんだなぁと分かった。
相手の要望にマッチできなくても、それはそれでまた縁があった時によろしくお願いします!と思って手放せる。そんなふうに自分の感じ方が変わって面白いなぁと思った。

こんなふうに自分の感じ方が変わってきたのは、9月の終わり頃だった。

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