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自己観察から見えたもの 2

自己観察から見えたもの


『自分の欲と感情』


自分の『欲』を見つけるということは、
あれが良いなぁという「羨ましい」というものを見つけたり、これが好きだなぁ!これは私嫌いなんだよね、という『自分の感情』を見つけることの先にあるものだと思った。
『欲』とは「私はこうしたい!」「私はこれが好き!」そういう感情から発生するものだから。
(ちなみにGoogleで「欲とは」と検索すると 1、欲しく思う。願い求める。2、満たされることを求める心。と書いてあった。)

そして、『感情』というものを考えた時に、ふっと思い出したことがあった。

私は小学生の頃から漫画を描いていて、若い頃の夢は少女漫画家になることだった。何度か雑誌に投稿したりしてきたこともあったが、結局その夢は叶わずに30代になった。雑誌に投稿して、絵を褒められることはあったが、ストーリーの評価がいつも低かった。

漫画のストーリーとは、キャラクターの感情とそこから現れる行動の連鎖だ。
私は漫画を描く時に、感情が描けない。どうしても説明漫画になってしまう。
面白い漫画は豊かに感情が描かれている。
漫画は主人公が他のキャラクターとやり取りしたり、心を通わせたり、そういう物語の中で変化していく感情を読者が読めるから面白いのだと思っている。
なので、漫画を描くうえで感情というものはとても大切なものだ。
でもそれが中々難しい。わかっていても、感情が描けない。

昔は少女漫画家になることが夢で、一度は諦めたけれど、やっぱり漫画を描きたいと私は思っていた。
そして、どうせ描くなら感情が描かれている面白い漫画を描きたい。
そんな時、X(旧:Twitter)で畑中雅美さんのツイートを読んだ。
漫画を描いている人の悩みに答える形で、「ぐっとくるモノローグとそうじゃ無いものの見分け方の練習」が書かれていた。
感情表現が未熟な相談者に、こういう練習をやってみたら良いよ!と提案されていた。
それを見て、感情が描け無いと思って悩んでいる私にぴったりかも!と思ってその練習をやってみることにした。

練習方法は
1:小説・漫画のかき写し
 ・ノートに1日1ページ分、自分がグッときた言葉を選んで書き写す。
 ・ページを埋めたら、好きなフレーズとか面白いと思ったところに赤線を引く
 ✳︎自分の気持ちに正直になって線を引く!なければ引かなくていい
2:エッセイを書く
 自分の言葉で、他人に対して自分の考えている意見や感じ絵いることを表現する練習
 ・左ページに書き写し、右ページにエッセイを書き、プロの表現との比較をする
 ・書けたら印象的なフレーズ、ここはグッとくるポイントだなと思うところに赤を引く
 ・そして左ページのプロの文章と比べてみる
1ヶ月それを続けてみる。すると、1ヶ月経つと左側に自分が好きだと感じる、プロのフレーズがぎっしり溜まっている。そこに自分の嗜好性が出る。
そして、左側を読むことで見えてきた自分の嗜好性を理解した上で、今の自分が書ける最高の言葉を使ってネームを描いてみようというものだった。
https://mond.how/ja/topics/abz883t8h5hk1w1/953ot139hyktnr4)

私は2023年の8月25日からその練習を開始した。


『モノローグ練習とエッセイ』

このモノローグの練習をやっていく中で、
最初の約1ヶ月は、小説や漫画の書き写しの部分は自分が好きなものからどれにしようかなぁと選んで、楽しく書き写した。文章のリズム、漫画だとモノローグやセリフのリズム、短い文章でどれだけのことを伝えるのか色々考えながら書き写すのが楽しかった。漫画は読み始めると、ついつい物語に入り込んでしまうので、この方法だとモノローグに集中できてとてもいいなと思った。

自分のエッセイを書くのは、四苦八苦した。日記はよく書くけど、それは1日にあったことの記録として書くことがほとんどで、自分が感じたことを書くことはなかったから何を書けばいいのかなと悩み、慣れるまでなかなか難しかった。何も思いつかない時は、目の前にあること日々の生活のことを書いてそれに自分がどう思うかを添えた文章にした。

8月25日から書き始めて、約1ヶ月後の9月22日。
となりの雑談にハマっていた私に、友達が桜林直子さんのnoteもいいよとおすすめしてくれた。桜林直子さんのお喋りはとても楽しく学びがあって面白い。桜林直子さんは本も出版されているし、プロの文章なのでそのnoteをモノローグ練習として書き写しても良いかもしれないと思い、小説や漫画も書き写しつつ桜林直子さんのnoteの文章も書き写すことにした。

そのあたりから、桜林直子さんの文章やとなりの雑談で聞いたことについて自分で考えたこと感じたことを私はエッセイにして書くようになった。
自分の欲のこと、自信について、思い込みの蓋のこと、色々書いた。
その中で、私は周りの目線ばかり気にして、周りにどう思われるかばかりが気になって、自分自身が何を感じているのか全然見ていなかった!ということに気づいた。
簡単にいうと、自分が今何を感じているのか考えたことがなかったし見たこともなかったので、自分の感情が分からなかったのだ。
エッセイを書くということは、自分の気持ちと向き合うことだった。
自分が今、何を考えているのか、感じているのか、それを真正面から見据えて自分で文章にして、それを目で見てまた自分の中に取り入れる作業だった。
頭の中でぐるぐる考えていただけとは違い、エッセイという文章にすると自分が考えていたことを再度自分で咀嚼するような感覚だった。
自分で感じたものをエッセイという形にしてアウトプットし、自分で読んでまたインプットする。そうすることによって、「あぁ、私はこう感じたんだ」という思いを自分の中でさらに強固にすることができた。

私は普段、家で1人で仕事をするのだけど、作業中はほぼ作業通話という形で同業の友人たちとお喋りしている。
ポッドキャストのとなりの雑談を教えてくれたのもその友人たちだった。
毎週火曜日にとなりの雑談は配信されるので、それに合わせてよく話題にも登る。今までもよくお喋りしていたが、エッセイを書くようになってから「私はあの話を聞いてこんなふうに感じたんだよね。こんな風に考えたんだよね。」と自分の気持ちを話すことが増えていった。それを聞いて友達たちが、「私にはその気持ちわからないなー、面白いね、なんでそう感じるの?」「その気持ちわかるー!私も同じように感じた!」などなど質問してくれたり共感してくれたり、議論することも増えていった。

質問してくれると、改めて「私はなんでそう感じたんだろう?」と自分を深く掘っていく感覚があった。そして、私とは違う考えの友達の意見も聞いて「そんなふうに感じる人もいるのか、なんでそういう風に考えるんだろう?教えて!」と面白さを感じ、自分の感じたものに共感してくれる友達には「だよね~!わかるって言ってもらえて嬉しい!」と喜びを感じた。違う感覚の友達も、同じ感覚の友達も、どちらにも言えることだけれどどの友達も私の感じたものを否定してくる人はいなかった。「そんな風に感じるのはおかしい。間違っている」とジャッジされたら、多分私は二度と自分の気持ちを話さなかっただろうと思う。
自分の気持ちを話しても、良い悪いでジャッジされない。ありのままの私を受け入れてもらえる、安心できる環境がそこにあった。




『100のリスト』


モノローグ練習と並行して、自分の欲を出す練習もしたいと思った。
2023年8月31日から同じ土グループの友達と一緒に死ぬまでにやりたい100のリストを作ってみよう!ということになった。

自分の欲を見つけたい、と思っても、瞬間的に「とはいえお金がないし無理だよね」「私がそれをやる意味はあるんだろうか?」「やりたい!だけでやって、それで何になるの?」などなど、否定的な言葉が自分の「やりたい!」という欲をすぐ横から打ち消してくる。
だけど、となりの雑談を聞いて、私には絶対に欲を出すことが必要だ!と気づいたので、まずは書き出してみることにした。
書いたものをやるかやらないかはまた別でいい。書き出すだけなら誰の迷惑にもならない、お金もかからない。

初めは10個考えるのにも苦労した。
友達と一緒に作業通話をしつつウンウン考えながら書いた。

・スイスにいく
・クルーズ船に乗る
・化粧を習いにいく
・ネイルサロンに行く
・シミ取りに行く
・脱毛に行く
・なめらかさんのイヤリングを買う
・新しい鞄を買う
・家事代行に家の掃除してもらう
・子ども、自分のいらないものを捨てる

書いていくうちに「これよくない?」「なんでこれがしたいのー?」「それ良いねぇ!」などワイワイ喋りながら、こんなことやりたくてーと妄想話もしながら楽しく書き出せるようになった。
今までは「こういうことしたいけど、無理だよね」とやりたいことを思いついた瞬間打ち消していたけれど、思うのも考えるのも自由なんだな。考えるだけでも楽しいものだなぁと思った。そしてそれを友達と喋って、良いね~!と言い合えるのも楽しかった。

自分の思いを聞いてもらえる、相手の思いも聞ける、そういう場が楽しかった。
最初は10個しか書けなかったけど、普段の生活の中でふっと「こういうの良いなーやりたいなぁ」と思いついたことがあると、「あ!リストに追加しなきゃ!!」と意識して書き込むことができるようになっていった。
今までは思いついた欲も、あっという間に通り過ぎて消えていってしまったけれど、それをリストに書かなきゃいけない!と思い、自分の「これやりたい!」を逃さないようになってきた。
今現在リストは43個目まで埋まっている。


『自分を知るワーク』


2023年9月22日から桜林直子さんのnoteを読んでいる。
読むと、となりの雑談の中でも語られていたワークのことも書かれていた。「自分を知るワークブック」というマガジンだ。
自分ことを知るための、自分を観察したり考えたりする方法が書かれているワークだった。(https://note.com/sac_ring/m/me7c7210dab5b)

詳しくは桜林直子さんのnoteを読んで欲しいのだが、簡単にいうと自分を観察するための4つのリスト(1、感情を知る(自分の好き・嫌い、上がる・下がる) 2、性格・性質を知る(私ってこうなんだよね) 3、できることを書く 4、生活を知る(お金の使い方・時間の使い方))をとにかく紙に書き出すというものだった。
時間をかけてじっくり書いていく中で、1、2、3、4がぐるぐる繋がっていて俯瞰的な視点で自分のことを観察できるようになるというものだ。

自分の欲を知りたい、自分の感情が知りたい、自分のことが知りたいと思っていた私は、別の友人と一緒にこのワークもやってみることにした。
自分が思いつくものを、1・2・3・4に当てはまるものをA4のコピー用紙が埋まるくらいとにかく書き出した。

初めはなかなか、思い浮かばなくて書けなかった。
それだけ、自分のことを見つめてなかったし、自分が何を感じてるのかを知らなかったし自分自身に興味をもってこなかったんだろう。
自分は何が好きか?何をしてるときに楽しいなぁ嬉しいなぁと感じるか?
反対に何が嫌いか?何が嫌だなと感じるか?
ワークをしている間、じっくりじっくり、自分の小さな声が聞こえてくるのを待って書いていった。
そして、数日かけてワークをやっていると、日常の中でも「私はこれが好きかも!」「これはそうでもないな」「私ってこんな考え方するんだ!」など、自分に意識が向いているのを感じた。
自分のことは当たり前すぎてスルーしがちで、全然見えていないことに気づいた。そして、友達と一緒にワークで書き出したものを見比べ、違いを知ることでより「こう考えるのは当たり前じゃなくて、私だからなんだな」と自分がよく見えるように感じた。逆に、友達のことも「そんな風な一面もあるんだ」「こういう部分は私とも似てるなぁ」と知ることも多く、とても身近に感じられてより仲が深まったように思う。

3のできることを書く、という部分では「靴紐を結べる」というレベルから全てを書き出す。そうすると普段は「これができます!って胸を張って人に言えるようなものは私にはない」と思っていたけれど、「私ってこんなにできることあるんじゃん!何でもできるじゃん!」という思考になっていった。
健康な体、ある程度自分で使える時間、ある程度自分で使えるお金。多くはないけど、全く無い!ってことは無い。
でもその中でも、「これをやろう」「これはやらない」と決めているのは、「自分がやりたいと思わないからやらない」という選択をしていたんだなぁと気づいた。
自分には無理。自分にはできない。なぜならそれは許されていないから。そういう思考で自分の気持ちに蓋をしてきたことが多かったけれど、大袈裟にいうと本当の意味で自分にできないものはないのかもしれないと思った。

『同時並行して自分と向き合う』

2023年の8月9月の夏、私はモノローグとエッセイを書くこと、死ぬまでにやりたい100のリストを作ること、桜林直子さんの自分を知るワークを書くことを同時並行して色々やり始めた。
友達と一緒にやって、それを共有し合うのが楽しかった。さらに、友達と比べて自分のことを観察して、「自分ってこんなこと考えてたんだ」「こういうふうに考えるのは当たり前じゃなくて、私だからだったんだ」と自分のことを知るのが楽しかった。
1人でやっていても、きっとここまで多くのことは見えなかったのだと思う。友達と一緒にやることで、どんどん深められていった。

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