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【デジタル社会の小心者】モバイルSuicaを使えない

様々なものが電子化、デジタル化する昨今の社会

まだまだ若者の自分にとっては非常にありがたい。わざわざ色々なところに電話する必要も少なくなってきてるし、紙で何かを提出する機会も減った。スマホやパソコンで手続きが済んで非常に気楽だ。

財布なんて持たなくても、スマホさえ持ってれば何とかなる時代。きっと将来的にはスマホすら必要がなくなるだろうな。それだけ技術の進歩は素晴らしい。

でも、その技術が素晴らしすぎる故に理解できず怖くなってしまう時がある。何となくの理屈は理解してるんだけど、信頼ができず怖くなってしまう。

私が今怖いのは、『スマートEX』『マイナンバーカード』だ。

一つ断っておきたいのは、「マイナンバーは情報漏洩するから危険!」とかそういう思想の話ではない。スマートEXもマイナンバーカードも運営している企業や政府のことは信頼している。


スマートEXは、スマホで新幹線等のチケットを購入して、それをモバイルSuicaと連結させれば改札にスマホをピッとやるだけで新幹線に乗れるというもの(多分)。新幹線に乗る時、わざわざ券売機で切符を買う必要がなくなるという優れものだ。

しかし、怖くて使えない。めちゃめちゃ便利なのは分かってるんだけど、いざ自分で使うとなると怖くなってしまう。

私が恐れているのは、

「よーし、新幹線に乗るぞー! スマートEXでらくらく乗車だ!」

と思って改札にピッとスマホをかざすと、改札が真っ赤に点灯し、改札のドアが開かずにバイ~ンとなってしまうこと。そして、後ろにいる人の迷惑になること。それが何よりも怖い。


マイナンバーカードは、『身分証としての利用』とか『住民票の発行や変更といった公的な手続き』での利用ならば問題なくできる。そこに恐怖は感じない。

使えないのは、『保険証としての利用』だ。便利な時代になったもので、マイナンバーカードを作って保険証を連携させていれば、マイナンバーカードが保険証の代わりになる。それどころか、自身の通院記録や処方された薬といった情報が電子化されいつでもどこでも確認できるようになる。薬が処方された時に「おくすり手帳忘れちゃいまして……」と申し訳なさそうな声を出す必要もないわけだ。便利すぎる。

しかし怖くて使えない。便利なのは分かっているんだけど、怖い。

「時代はマイナンバー! 保険証なんて持ち歩かないぜ!」

と思って意気揚々と病院に行き、握りしめたマイナンバーカードを受付の機械にかざすとエラー画面が表示され「このマイナンバーカードは保険証として利用できません」といった文字が表示されてしまうこと。そして、受付の人に冷たい目で見られること。それが何よりも怖い。

それが怖いから使えない。普通に電車やバスに乗る時はsuica使うし、マイナンバーカードは手続きをしっかりと完了させ、マイナポイントもたっぷりもらった。しかし、スマートEXや保険証の利用は怖くてできないのだ。

何故怖いのか

その他の電子機器やカードは普通に使っているのに、何故これらに恐怖を感じるのか。

その答えは繋がりの不明瞭さ代替案が無い事だと思う。

繋がりの不明瞭さは決して技術的な問題ではなく、私自身がそう思ってしまっているだけだと思う。suicaやモバイルsuicaの利用は簡単だ。カード式のsuicaだったら駅とかに買いに行って券売機で入金すればいい。モバイルsuicaはスマホにアプリを入れてメアドとかをちょちょいって入力すれば利用できる。

しかし、スマートEXは違う。必要なものはモバイルsuicaとスマートEXのアカウントだ。まず、インターネットブラウザからスマートEXのページにログインし、自身が乗る新幹線の切符を買う。そして、それをモバイルsuicaと連携させ、連携させたモバイルsuicaが入ったスマホを改札にタッチする。

このスマートEXとモバイルsuicaの連携が恐怖の根源だ。

スマートEXで切符を買うことはできる。モバイルsuicaの登録もできる。でも、その二つを連携させることに対しての自信が無い。

改札を突破するまで「本当に連携できているのか?」という恐怖に怯えることになってしまう。

モバイルsuicaの画面上に『連・携・完・了』とか表示されれば多少安心できるが、そんな邪魔な表示は無い。私は切符を買った時に同時にモバイルsuicaを連携したであろう過去の自分を信用して改札に向かうしかないのだ。過去の自分なんて一番信用できない存在だ。過去の自分は夏休みだからって溜まった課題を放置して遊びまくり、夏休み最終日の自分を苦しめる存在だ。信用できるはずがない。

マイナンバー保険証も同じだ。マイナンバーカードを作った時に保険証連携の手続きをしたであろう過去の自分を信用するしかない。今の自分にマイナンバーカードと保険証が一体となっていることを確認する術はないので、過去の自分を信用しながら病院の受付に突撃するしかないのだ。

代替案が無いというのも恐怖の根源の一つ。むしろ繋がりの不明瞭さよりこっちの方が重いかもしれない。

もし、モバイルsuicaとスマートEXの連携が上手くいっておらず、改札で止められてしまった場合、私にはどうすることもできない。

新幹線は10分後に発車してしまう、切符売り場は長蛇の列、そもそも新幹線の切符を買えるほどのお金は持ち合わせているか不明。そういった状況になってしまったら、もう詰みである。その新幹線に乗ることはできず、約束の時間に遅れてしまうだろう。

そんなことになるぐらいなら最初から確実に改札を突破できる紙の切符を買った方がいいだろう、と思ってしまう。逃げの紙切符なのだ。

マイナンバー保険証が機能しなかった場合も同様だ。

病院の予約を取り、時間通りに着いたが、マイナンバーカードが保険証として利用できず、保険証の提示ができない。そもそも全ての病院や薬局にマイナンバーカードを読み取る機械が実装されているわけではないため、こちらの不手際に関わらずマイナンバーカードの利用ができないかもしれない。そうなった場合も詰みである。一応、治療費を満額支払えば解決できるが、それを払えるほどの現金を持っている可能性は低い。

それならば、確実に使える保険証を使った方がいいだろう、と思ってしまう。逃げの保険証なのだ。

これが代替案が無いということ。間違いなく便利にはなっている世の中だけど、しっかり気をつけないと詰むポイントが増えている。それが今の社会。

元々常に最悪な事態を考えてしまいがちで予防線を張りまくって保険に保険をかけて石橋は叩きまくってから渡る慎重派で小心者の私だからこんなことを考えて不便な生活を送ってしまっている。

誰かどのカードが何と連携しているのか確実に一目で分かるような装置を開発してくれ。それか私に「なんとかなれ~」と思って行動できるような勇気をくれ。

デジタル社会は老人だけでなく、私のような小心者にとっても厳しい。勇気ある人間に生まれたかったなぁ。


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『藻野菜/@Moroheiya0225』

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