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ぽぽら春日部モヤモヤカフェ(2020年11月)

11月28日(土)にモヤモヤカフェを開催しました!

 今回のモヤ友の皆さんのお話は、いつも以上にいろいろと考えさせられる内容でした。自分らしい進路を選択するためのモヤモヤから、登校拒否とひきこもりのこと、コロナ禍で子どもたちに向けた学校イベントのモヤモヤまで。コロナ禍においては、誰もがより一層不安や悩みを感じていると思います。モヤモヤカフェでご紹介するモヤ友の皆さんの活動が、何か暮らしの中でのちょっとしたヒントになったり、見方・考え方を前向きにスイッチさせる助けになればこんなにうれしいことはありません。今月のモヤ友の皆さんのお話しをお楽しみください。

1.6334と就労モヤモヤ
「自分に合っていない進路や生き方を選んじゃっている人は少なくない!?」 

【モヤとも】小沼 克年さん(働かせ屋、元就職訓練・相談員)

小沼さん2

 今、日本の義務教育は小学校の6年、中学校の3年で、その後大体の人が全日制や通信制の高等学校などに進学して3年、さらに大学全入時代と言われて久しい大学の4年間に進むことがわりと自明の進路となっています(6334)。でも、「その進路決定って本当にいいの?」ときちんと考えている人があまりいないんじゃないかとモヤモヤしているので、今日はそんなことを話したいと思っています。
 私自身は手に職がつけられればいいと、あまり考えなしに小学校教員の免許が取れる学部(大学)に入りました。(大学生の時に)子供と遊ぶだけで楽そうだと思って応募したバイトが、実は虐待を受けた児童を支援する施設で、子どもたちの怒鳴り合いは四六時中だし、最初は本当にハードで嫌でした。でも、答えなんてない中で「何がその子にとって望ましいか」を考えることが全然苦にならなくなったんです。そんなことを続けているうちに、縁あって(卒業後に)越谷市の障害者就労支援センターで働くことになりました。
 そこで多かったのは、大人の発達障害や軽度の知的障害の方で、職場でのホウレンソウや朝の挨拶などの基礎的なトレーニングをやっていました。学力も大事だけど、世の中での立ちふるまいや処世術って学齢期に人から教わらない。教わらなくてもできる子もいるけど、できないままで社会に投げ出されちゃって、「障害」と診断される人、されない人、仕事を無理やり続けている人、どこかで脱線しちゃう人、そんな人たちをたくさんみてきました。
 どちらの経験にも共通するのは、「これをやれば解決する」というものがなかったこと。人によって抱えている生きづらさとか、できない理由は違うし、本当に個々によって特性が違う。こうじゃないか、ああじゃないか、と10回やって9回失敗してということを繰り返しやっていかないと、その人にあった方法は見つからない。
 6334も絶対じゃない。私も自分の得手不得手がよく分かっていなくて、自分の適性を考えないまま奨学金で進学し、(借金をしてまで)大学に行く必要もなかったんじゃないかという気もしています。私だけの問題かというとそうではなく、子供をレールから外したくないという理由で大学受験をさせようとする大人は多い。それぞれの個(性)をみて、個にあった進路決定を考えられる機会がもっとあってほしいなと思っています。レールから外れることに対して、良いも悪いも分からないし、若いうちのほうが失敗しても取り返しがきくのだから、学校に行く、進学するのが当たり前というところに寄せすぎなくてもいいんじゃないかな?と、そういうことも考えられる大人を増やしていけるような活動をしたいと思っています。


2.楽しくボランティアモヤモヤ
「コロナのなかでも届けたい思い。“楽しく、楽しく、楽しくね”」」 

【モヤとも】細谷 知恵さん(放課後子ども教室ボランティアコーディネーター)

細谷さん2

 牛島小学校でボランティアコーディネーターをしている細谷です。小学校のPTA会長を1年間やった時に、PTAと地域の方とが学校を介したつながりしか持てないことにモヤモヤしていて、地域のボランティアと学校、PTAをつなぐ橋渡し役が必要な時に(お手伝い)できればという気持ちで始めました。
 最初は「何をすればいいんだろう?」という感じでしたが、牛島小学校には「お父さんの会」という保護者のお父さんの会や、「倉松川を愛する会」という裏の川の清掃をすることから始まった会があって、まずはその活動に参加することから始めました。
 もう一つ、牛島小学校には放課後の学校を使って子どもたちに何か遊び場をつくってあげようという「放課後子ども教室」という活動があって、こちらはお手伝いを始めて2年ぐらいになります。今年はとにかくコロナの騒ぎで、部活も動かない、小学校もほとんど活動自粛というなかで、放課後子ども教室をどう動かしていいのか、皆悩みに悩みました。
 (そんな中で)豊野中学校の吹奏楽部のマーチングを牛島小学校の子どもたちに見せてあげたいという思いを企画にして実現するチャンスだと思い、動き始めました。ただ、11月23日(月・祝日)に予定していたこのイベントは、この3連休が自粛の3連休となってしまって、本当に悩んだ結果、中止とさせていただきました。チラシを作って募集をかけ、外での演奏なので多少の人数は大丈夫だと思っていたのですが、実際は300人ぐらいの応募があり、その時点で「あれ?これ外で見るけど大丈夫なんだろうか?」と不安に思ってしまいました。嬉しい反面、感染予防をしながら楽しんでもらえるのか、他の大きなイベントが中止しているのに素人が企画したイベントをやってもいいものなのか、と不安が勝ってしまった。地域の方には「残念」と声をかけていただきましたが、(中止について)正解か不正解かは分かりません。
 準備期間がもっとあれば二部制にするとか抽選にするとか考える余地もあったので、ちゃんと準備期間をとることと、いろんなことを想定して、もうちょっと仲間(保護者の方)を増やして意見をとれるようにしたら良かったのかなと今回のことで学びました。(チャンスが)今年しかない中学3年生、小学6年生の子たちもいるので、やはり今年何か思い出に残る別のことを考えていきたいです。
 去年亡くなった倉松川を愛する会の会長さんが「楽しく、楽しく、楽しくねだよ、細谷さん」と教えてくださいました。今回の企画も、自分の中で不安ももちろんあったけど、「絶対に楽しくなる」「みんなが絶対喜ぶ」という気持ちを伝えながら、そこは曲げずにいきたかったんですけど、最後不安に押されてしまった。そこは次の課題です。でも、練り直す価値はあるかなと思っています。今回はすごく残念ではあったのですが、勉強になったので今後に生かしていこうと思っています。


3.不登校モヤモヤ
「高速道路を走れない子、走りたくない子のために」 

【モヤとも】高橋 恵子さん(不登校を考える親の会・かすかべ)

高橋さん2

 豊春地区で20年、不登校の子を持つ親の会を開催しています。長男が学校に行かなくなったのが中学1年生でした。行かなくなったときが不登校の始まりだと思って、よくその時のいじめや他の原因を探したりしますが、布団をかぶって「行けない」となったときはもう力尽きたとき。実はその前がずっと長くて、なかには発達障害とかもあって、人と感覚が違うことへの違和感があったりする子もいます。先生や友達の何気ない指導や言葉で傷ついたりすることは、きっかけになっているかもしれないけど、それがなくなったら学校に行けるかというと、そういう問題ではないんです。私たちも当初は「なんで行かないんだ?」「どうしたら行けるのか?」ということばかり考えていたんですけど、いろいろな方の話や子どもたちの話を聞いていると、どうやらそうじゃないらしいということが20年かかって分かってきました。大概の親はやっちゃいけないことばかりやって子どもをさらに傷つけてきた。先程の小沼さんの話の「親はレールを外させたくない」はまさにそれで、うちの会はレールを外れちゃった人、外れかけて親も子も不安の最中にいるという人たちの会だとも言えます。
 最近は学校年齢を離れた 20代後半〜30代 とか 40代 の方のひきこもりというケースもあって、親はもう70代とかそういう方も飛び込んで来ます。病院も行かないし、学校はもちろん、お風呂も入りたくないとか、友達とも会いたくないとか、そういうケースがすごく増えていて、もう少しひきこもりのことも勉強しなくちゃなと思っています。(会では)その日来た方がそれぞれの近況報告をしたり、お子さんや家族のことで気になっていることとかを話し合っています。そこで話すことによってモヤモヤが解決するわけではないけれど、「あ、みんなそうなんだね」とか「うちもこんなことあった」ということだけで本当に安心して帰られるので、こういう場をずっとやっていることが大事なんだなと思い、続けているところです。
 先日(NHKで)松山ケンイチが主役のひきこもりのドラマを見て思いましたが、進路をどの道で行くかということは、ある意味高速道路を「赤い軽自動車で走りたいですか?」それとも「トラックで走りたいですか?」ぐらいの選択肢しかなくて、「そもそも高速道路を走りたくないよ、一般道でいい」とか「私は外に出ないで家にいたいよ」という選択肢が与えられていない中で、子どもたちは走らされているような感じがしました。
 いいとか悪いとかじゃない。立ち止まらざるを得なくなっちゃった我が子を前に、(学校に)行ったほうがいいのはみんな分かっているけど、それでも動けない。「不登校はその子にとって必要な充電期間です」と言った方がいますけど、充電できるかどうかは、家がその子にとって本当に休めるような環境になっているかが大事です。(細谷さんのお話しのように)地域にはお子さんたちと元気に、学校を中心に地域の人たちとつながっている方もいます。そういうつがなりが地域にあることがとても大事で、子どもは引きこもっていても孤立はしないのでないかと思っています。


 モヤモヤカフェは、暮らしのなかで感じるちょっとした疑問や悩み、ワクワクするアイデアを、コーヒーやお茶を片手におしゃべりをする場所です。これからもコロナ禍においても春日部で活動する個人個人の思いを紡いでいきたいと思います。
 次回のモヤモヤカフェは12月19日(土)を予定しています。次回もモヤ友の皆さんからお友達を紹介してもらう予定です。次回のゲストは後日ご案内しますので、ぜひ楽しみにしていてください。

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