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日本以外の場所で過ごしたことがある生徒(や保護者)の経験(したこと、するかもしれないこと)を少しでも想像するために読む本

日本以外の場所で過ごしたことがある生徒(や保護者)の経験(したこと、するかもしれないこと)を少しでも想像するために読む本

●リーペレス ファビオ
『ストレンジャーの人類学――移動の中に生きる人々のライフストーリー』

※ 移動してきた子(や親)が抱えているもの、意識している周囲の視線とか姿勢に、ハッとしました。さらされている状況から、その子が選びうる行動や思考を身近に感じました。受容されていることや受容されていないことにすごく敏感になる、そういう子(や親)が少しでも安心して他の子と関係を築ける状況を作っていくにはどうしたらいいんだろうと考えさせられた。また、移動を経験した子や親を抑圧する状況、肩身の狭さを強く感じさせてしまっていること(一方的な価値観が押し付けや、その子に否定的な自己評価をもたせうる出来事)が学校でおこっていないか思い返して確認してしまいました。300ページあるので、時間のないときは序章→終章→1〜6章の順で読むといいなと思います。

● 金 春喜
『「発達障害」とされる外国人の子どもたち――フィリピンから来日したきょうだいをめぐる、10人の大人たちの語り』

※特別支援学級に子どもを通わせることになった保護者の、学校には言えなかった思い、なぜそれが言えなかったのか、なぜ〈感謝〉して受け入れたのか、の声がズシンと胸にきます。
身近には国外で過ごしてきた経験のある子はいないけれど、、、という場合であっても読んでおいてよかったと思う本。
保護者の声も先生の声もすごくリアルで、違和感なくジワーっと入ってくる感じでした。

まとめ
保育や小中高の教育の本を読んでいても、保護者と学校と医療の連携のありかたや、どうそれをつくるかという話はよく出てきます。しかし、安易にそれを推し進めるのってどうなんだろうということを(教員の実力不足とか、家族関係のせいとかどこか一点に責任を押し付けることはにせずに!)考えられる本をあまりなかった(知らなかった)から、勤め先の仲の良い先生にもお薦めしたいと思った本でした。

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