シェア
moyami
2024年9月26日 20:16
窓ガラスに幾千もの光の粒が映る。夜景は風に靡かない。ただ、そこに居る。私の髪は風によって靡いていく。顔に、横浜の風が吹きかかる。眺めているのか、見渡しているのか、それとも、見つめているのか。この街と、仲良くなれたようなそんな気がした。高層階ビルの窓から零れ落ちてきたかのような、煌びやかな雨が降る。アスファルトは雨を、私の足を、弾いていく。私は、東京という街を思い出しながら、東
2024年9月14日 12:52
豆電球をつけなければ寝れない時期があった。あのオレンジ色のぼんやりとした灯りがないと、目をぎゅっと瞑っても、大きな暗闇が私を食べようと襲いかかってくる。電球の暗さのことなんて気にも留めなくなった頃には、こんな思い出すらも、思い出せなくなっていた。床に寝転び、そのまま真上を見ていると、オレンジ色の灯りを放つソレが、餅のように呼吸していた。真っ暗闇の中で、自らが燃え上がり、け
2024年9月4日 01:49
18時30分になると、秋の訪れを感じる。秋が来る。でも、夏は終わらない。スズムシが鳴く夜に、君は夏と秋のどちらを想像する?少年が、スマホの画面を横に持ちながら歩いていく。回り出したあの子と 僕の未来がそんな音を垂れ流しながら。若者は、ゆっくりと歩く。1秒後にもまだ同じ場所にいて、まだ次の足を前に出していない。じゃりっと、砂を踏む音が聞こえる。ゆっくり、進むその若者
2024年9月1日 19:04
夜が明ける。黒に、蒼さが混じりだす。白いカーテンが揺れて、蒼色が透けて、映画のワンシーンのようにそこに立ちすくんでみる。光を拒絶するような蒼白い空間というのは、太陽が顔を出すまでのほんの一瞬のことで、ほんの一瞬だからこそ、私は、白いソファに寝転んでみる。こういう静けさを愛さなければいけないんだ、というような使命感が私を包み込んでいく。こういう、蒼白く、太陽が昇るまでの一瞬の静けさ