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もやブロ#39 地方スタートアップが人材採用をするにあたり考えたこと

こんばんは。越後湯沢で移住支援から地域づくりをやっている、きら星(株)社長のもや(伊藤綾)です。

さて、2021/7/1に待望の社員・ハッシーの入社を迎えました。
入社1ヶ月が立ちましたので、仲間を受け入れる前に感じたこと・受け入れた後に感じたこと・これからのビジョンなどを赤裸々に語っていこうと思います。

きら星(株)ってどんな会社?

弊社は、2019年2月に創業した、まだ生まれたばかりのローカルベンチャーになります。

MISSION:地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくす
VISION:地方をワクワクでアップデートする
VALUE:移住における自治体のプロフェッショナルパートナー

主な事業内容としては、
①自治体向け、移住サポートサービス受託業務
②自治体向け・移住戦略コンサルティング業務
③移住サポートの一環として、有料職業紹介事業
④不動産賃貸業(シェアオフィス・コワーキングの運営含む)
で、①②のBtoGモデルが売上の約52%(2020年度)となっております。

行政受託をしているところもあり、1年間は継続した売上が確保できること、賃貸業含めた①④のストックビジネスが安定基盤としてあるので、現在3期目(8月決算なので)とはいえ2期目で黒字化し、経営は軌道に乗っているという状況です。

のっけから、早期離職の嵐

実は、2020年度にも仲間を3名ほど迎え入れたのですが、皆1年も経たずに退職してしまいました。ちなみに、最短記録は、約2週間でした(苦笑)

退職理由の細かいことは公の場なので控えますが、
・経営者との相性
・仕事のやり方が合わない
というざっくり2点のミスマッチがあったと思っています。

辞めた方もしんどかったと思うんですが、、、
まあ経営者自身もそれなりにダメージくらいました。

会社経営していたら、当然織り込むべきリスクだし、早期離職を防げなかった経営や組織運営をしていた時点で、私は優れたリーダーではないと思います。
それでもやっぱり、早期離職によりしんどかったのは事実です。

"採用する"がトラウマに

人様の企業に、求職者をマッチングする商売をしていてよく言うわと思うんですが、"採用する"ことへの恐怖が芽生えてしまいました。

気を使わないといけないのはしんどい
またすぐに辞められたらどうしよう
相性が合わなかったらどうしよう

しばらく、誰かと一緒に働く=恐怖、という精神状態が続いていました。

※ちなみに、労働時間はホワイトだったことを弁明しときます。定時で帰れ、出勤できないケースでは有給を当たり前に使え、起きれないなどの場合でも時差出勤もOKという感じだったので、ベンチャーあるあるのデスマーチ状態ではなかったと思う。

業務委託パートナーと、その限界

社員がいなくなってからは、ビジネスパートナーは外部委託に求めるようになりました。

自分の求めるアウトプットを、自分が求める形で出してくれる。
時間管理をしなくてもいいので「あれ、出勤してないやないか」とか、まあ諸々のモヤモヤっとした部分を気にしないでもいいことと、プロフェッショナルなので全部をディレクションしなくてもいいという楽さに、かなり救われました。

しかし一方で、コア業務(個人情報を扱う部分)は外部のパートナーとの仕事ができないので、1人で回していく必要があり、手詰まり感を感じていました。

これ以上は、誰かと一緒に事業を作っていかないと、ミッション(消滅可能性都市をなくす)を達成できない。辞めたらどうしよう、怖いといつまでも言ってはいられない。

克服するために、何をやったのか?

外部のパートナーである、ソーシャルビジネスドライブのやっくん・岩田さんに手伝ってもらい、採用要件を明確化・言語化することにしました。

それまでは、どんな状態だったかと言うと・・・
・業務フローも整備されていない
・細かいことを説明している暇もない
・プライベートも含めたケアなどはできない
そんな体たらくでした。

ベンチャーに勤めたことがある人なら「あ〜ベンチャーあるあるだね〜」と理解もしてもらえそうですが、そんな状態の改善は非常に難しいことです。

本当は、毎朝ミーティングをし、毎週1on1をし、何かあった時にすぐに感謝し褒めて、いつでも不安点を解消できるように話しかけられるような状況を作っていけば、現状の私と一緒に働ける人ももっと増えるんだろうなと思います。

もちろん、事業への共感とかは、大大大前提です。
事業の共感性が高い上で、以下の採用要件を設けました。

・自分で自分のメンタリングができる人
・"作業"ではなく"仕事"をつくりだせる人
・自分で物事を行動指針に則って判断できる人
でないと、精神的にもたない職場環境だよなと思っています。

なので、スキルとかHR系の事業経験とか云々ではなく、メンタリティと仕事の進め方がマッチしている人というところを最重要視しました。

つまるところ「スキルよりマインド」です。

採用要件を明確化して、何が起こったか

シンプルに、採用基準に迷わなくなりました。

HR系出身者の方とかも面白がってエントリーしてもらったりもしました。地域づくりをやりたいとか、ソーシャルビジネスをやりたいとか、そういった観点でのエントリーもいただきました。

一瞬、そういう「即戦力になりそうなひと」だったり「地域に縁があって想いが強そうなひと」に目がいくこともありましたが、

お話してみて、採用要件に合わなければ見送り
合えば、現地に実際に来てもらってリアルを見てもらう

まあ当たり前かもしれませんが、判断軸とプロセスにブレがなくなりました。

ハッシー内定。不安は払拭されたのか?

そんな最中に、エントリーしてきたのが橋本くん(通称・ハッシー)でした。

コンサル嫌いで有名?な私ですので、最初「うっ、コンサル出身か〜(なんかエントリーも理詰めな感じで箇条書きだしなあ)」というのが、実は、第一印象でした。(笑)

Zoomで面談して、いろいろ話を聞く中で、どうやらこのブログを読んでくれていたらしく、向こうも警戒心があったからか、なんだかすごい固いし、地域資本主義で回しながら日本の地方を良くしたいという想いはあるのはわかったんだけど「私と合うのか?マジメそうだし、とっつきにくそう」という不安はぬぐえませんでした。

しかしながら、採用要件にはぴったりマッチしそうだ!

という直感を信じて、その場で内々定を出して、湯沢に来て現場見てジョインするかどうかを判断してください。と言った記憶があります。

内定〜入社までに感じたこと

私の持論は「地方は情報が圧倒的に少ない。情報の非対称性が地方が弱い原因だ」ということなのですが、故に、いいことも悪いことも、たくさん情報発信するべし!がポリシーです。
また、地域で活動する上で「オープンマインドネス」というのは欠かせない。愛される条件だと思っています。

一方、ハッシーは、どうやら私のTwitterやらnoteやらを見ているらしいんだが、実名投稿はもちろんのことおそらくROM専なのかで、情報発信やエンゲージメントが上がってこなかったわけです。

人材採用にまだ疑心暗鬼になっている私にとって、それは「こういうポリシーを持って動いているどクソベンチャーにおいて、カルチャーが合っているんだろうか?」と、不安になってしまいました。

自分のやりたいことを叶えるために辞める!ってのは応援できるけど、合わないから辞めますというのは、もう嫌だってのが正直な気持ちとしてありました。

ともかく不安だったので、それはハッシーに直接聞くことにしました。やっぱり大事なのは、ちゃんとコミュニケーションをとることでした。不安を不安のままにしない、きちんとぶつかる。

そうしたら、ハッシーが「私はこんな一面もあります!!!」と、秘密を一つ明かしてくれました。やるときにはやる男なんだ、という証拠を見せられて、その不安は払拭され、いつの間にか楽しみになっていました(笑)
↑気になる方は、越後湯沢でハッシーにお酒を大量にご馳走してあげてください。ちょっと渋りながらも、こっそり教えてくれるはずでしょう。

入社後に感じたこと

・カタイ
・とっつきにくい
・情報発信してない
という主な不安は、多分、入社して1週間くらいして全くなくなりました。

今では、Facebookグループで運営している、きら星メンバーコミュニティ(会員同士のコミュニティ組織)で最もイベントを立てる男となり、マジメな雰囲気を醸し出しているけど、メンバー(利用者・会員)や社長をいじったりとムードメーカーという才能を発揮しています。

あと、料理上手なバーべ大臣としての才能も発揮しています(笑)

こんなことばかり書いていると、仕事の面が全くわからないんですが、情報とアウトプットのイメージを投げ込めば、高速で打ち返してくれます。
前向きに、貪欲に、いろんな場に出て動き、人材紹介業は全くの未経験はおろかBtoCも初めてという中で早速1件の仕事のマッチングを成約させました!
ブログのライティングとかにも初挑戦で、不慣れな仕事にも文句も言わず、取り組んでくれています。

うちのエース、すごくないですか?!とみんなに自慢して回りたいので記事を書きました(笑)

本当に入社してくれてありがとう。頼りにしています。

今後のビジョンとハッシーに期待していること

弊社のミッションは、地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくすこと。ビジョンは、地方をワクワクでアップデートする、です。

ハッシーに期待していることとしては、自分なりの「誰と」「どこで」「何をして生きる」を見つけてほしい。そして、それが最高にワクワクするもので、まわりをどんどん巻き込んでいってほしい。と思っています。

本人も、最初は地元に帰って起業なども考えていたようなので、最近の様子を見て「独り立ちさっさとできそうだから、3年後、誰とどこで何をしていきたいかを真剣に考えて」と伝えました。
起業するにしろ、きら星でどこかの支社長をやってるにしろ、ハッシーの人生が最高に楽しいものであることを真剣に願っています。

そうした最高にワクワクする自分の人生を生きる人が、地方にたくさん散らばっている状態が、私が目指す世界です。

まとめ

人材採用がうまくいかず、ダウナーな世界に落ち込んで、人を信じられなくなった中小企業の社長が、不安の波にのまれながらも、どうやって不安を解消したか、そしてその後どうなったかをダラダラと書きました。

ちょっと酔っ払ってるので、駄文で失礼いたします。

まとめると
・言語化された判断基準を設ける
・違和感がある場合は見送る
・不安はコミュニケーションで解消する

ということになります。

まあ、面白いかどうかは別として、自分の心の整理のために、書き記しておきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

そして、そんな私の不安にも寄り添ってくれたコーチ・山本くんに多大なる感謝を。


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「魅力的なまちで溢れかえっている世界を」作り「地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくす」ことをミッションに動くまちづくり会社社長。湯沢町で暮らす2児の母でもある。