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『どうぶつ みずそうどう』

大きな川のそばに村を作り、田んぼを世話するガエルやガメたち。
イタチやカニも引っ越してきて、川から水を引くのが難しくなります。
どうしたら、全員に公平に川の水を届けられるだろう?
ある日、ダルマガエルは穴の開いた桶からヒントを得ます。
みんなで力を合わせて作ったのは…!

サイフォン原理を利用した「円筒分水」の物語。なんともユニークです。
「円筒分水」は農業用水を均等に分けるための仕組みで、全国に200か所以上ある大切な施設なんですって。お恥ずかしながら知りませんでした…。
物語は、子だくさんなカエルの一家が稲を植える可愛らしいシーンからはじまります。自分勝手なことをするイタチや、長い物には巻かれるカニも、水がなくては死んでしまうので訴えはもっとも。お互いを受け入れて、アイディアを出し合って、問題を解決するプロセスが秀逸なんですよねえ。
素敵な絵とストーリーを楽しみ、気付いたら理科の知識も身につく嬉しい本です。

2023年度 全国学校図書館協議会・選定図書
かりじみな子・作/絵
ページ数:32ページ
対象年齢:4歳から
2023年5月

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