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時間のかかることをする意味『世界の果ての通学路』

どうもこんにちは。映画チア部の井上です。

新型コロナウイルスの猛威もだんだん収束してきていると思われる地域も出てきているようですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。ここ数日、春を通り越して夏めいてきたおかげで、時が経つのは早いなと、同時にこんなに長い春休みも初めてだなという少し複雑な気持ちです。

そろそろ学校が恋しくなってきました。

4月はどこの学校もお休みというところが多かったですね。私の学校ではつい先日、夏までのオンライン授業が決定しました。この機会に勉強するとは?ということに立ち返ってみようと思ったので、今日はこの映画をご紹介します。

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『世界の果ての通学路』(2012/仏/ドキュメンタリー)

いま、学校に通えないことで学校に行くこと、勉強すること、私たちにとっての教育の価値が見直されているタイミングだと思います。この映画は、なぜ学校に行くの?という問いに、言葉なしに答えてくれる、そんな作品です。

私がこのドキュメンタリーに出会ったのは高校生の頃です。私の家では年に一度ならずる休みしてもいいという謎ルールがありまして、土曜日の、なんだかよく分からない学年行事に参加したくなかった日に、ひとりミニシアターにふらっとでかけこの映画を見ました。

私は別にいじめにあったこともないし勉強しろと強制されてきたわけでもない、部活もそれなりにがんばって、友達も気になる子もいたりして、むしろ学校は大好きでした。なのでその日学校サボってミニシアターに行ったのは完全に気分です。

館内はお母さんに連れられてきたようなこどもたちがぽつぽつと。タイトルからして学校に行くことは素晴らしいこと!みたいな教育映画かなと思ってました。私は今から、学校サボってそういう映画見るのか〜と変な気持ちも少しありましたが、まあ関係ないやと割り切って座席へ…

で、帰る頃にはこの映画に出会ってよかったとパンフレットまで購入してるわけですが。決して 、学校行こう!学校は素晴らしい!の波に洗脳されたわけじゃありませんよ(笑)

なんとなく見てみようかなと思える手軽さ

この映画のいい点はたくさんあるんですが、前知識がいらないこと、それから見た後にどことなくポジティブな気持ちになれるところだと思います。ドキュメンタリーというと、特定の人物や場所から、その人が直面している問題や困難にフォーカスを当てる作品が多いように感じます。社会問題への関心や専門的な知識が必要、タイミングを逃してはいけないような作品も多数あります。

ですが、この映画は世界の子どもたちが学校に登校する姿をひたすらに追い続けただけの作品です。難しいことは抜きにして、(しかも77分という手軽な長さ!)誰もが楽しめる作品になっています。

魅力的な人びと

この映画には4人のこどもたちと彼らの兄弟、友達、家族が出演しています。どのこどもたちも違った魅力を持っていて、それぞれのかっこよさを秘めています。雄大な、時に厳しい自然の中を黙々と進む姿から彼らの強さが少しずつ読みとれます。彼らの周囲の大人たちも素敵で、こどもは宝だと、環境はもちろん、性別や年齢に左右されず、ひとりの人として尊重し、大切にしています。

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素晴らしいことだけじゃない環境の中で、ひとを信用し、こどもたちを尊重し、挑戦させること。簡単なことではありません。ドキュメンタリーは若い人になじみのないジャンルだと思いますが、この機会にぜひ一度触れてみてはいかがでしょうか。

映画チア部京都支部 井上

参考:世界の果ての通学路 パンフレット


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