見出し画像

映画『アアルト』アアルトを巡る小旅行inヘルシンキ

アアルトという人のことをみなさん知っていますか?

 こんにちは、映画チア部京都支部のきむらです。突然ですが、京都に住んでいた私は現在大学留学でフィンランドに来ています。今回はフィンランドを代表する人物のひとりにフォーカスを当てた記事となっています。

 みなさんアアルトという名前を聞いたことがあるでしょうか。北欧の文化や家具が好きな方、また京都在住・訪れたことのある方は聞いたことがあるかもしれません。
 アアルトことAlvar Aalto(アルバ・アアルト)は、フィンランドを代表する建築家であり家具や照明、生活小物などのデザインを手がけたデザイナーです。ユーロ導入前のフィンランドの貨幣にも彼の肖像画が描かれていました。

Alvar Aalto(アルバ・アアルト)

 2023年は彼の生誕125周年という記念すべき年。日本で彼の生涯を作品とともに描いた映画『アアルト』がこの秋10月13日より、シネ・リーブル梅田、UPLINK京都、シネ・リーブル神戸、他 全国の映画館にて上映されます。

一足早く観させていただきましたが、これは彼―アルバ・アアルト―に焦点を当てた作品であると同時に、彼の周りの人々についての作品である と観終えて真っ先に感じました。

彼の周りの人々とは?

 日本公開のサイトを見てみると、そして予告の動画を観てみると、彼の最初の妻アイノの存在が浮かんできます。

アルバと、最初の妻アイノ

本編の中でも、一際存在感が大きいのがアイノ・アアルトです。映画の中でのアルバとアイノの手紙のやりとりが、とても素敵で、二人によって紡がれる言葉がとても美しくて、彼らの建築・デザインの創造力を支える感性が垣間見えたように思えました。

彼女の存在が彼に与えた影響とはなんだったのだろう?

また、フィンランドという国が彼らの作品に与えた影響とはなんだったのだろう?

映画の余韻に浸り、そんなことを考えながら、私が留学しているフィンランドの大学にある図書館でアアルトの本を読んでみたり、インターネットで調べてみました。

そして今回、フィンランドの首都・ヘルシンキにある彼らの住んでいたいわゆる「アアルトの自邸」(The Aalto House)に行って来ました!

外から見るとこんな感じ。
お洒落な家が並ぶ住宅街の中で一際目立つ存在でした。

今回は事前にガイドツアーに申し込み、家の中も見せていただきました。

自宅兼アトリエとして使用されていたということで、1階は仕事場・応接間の空間。

映画内で言及されていた、森とフィンランドの人々の関係、自然と人々のつながりを大切にするアアルトらしさが溢れる空間でした。自然光が入ってくるように、そして庭が一望できるように作られた大きな窓が印象的でした。

ガイドさん曰く、写真の中央にあるランプは蜂の巣からインスピレーションを受けたもののようです。そう聞くと、暖色の照明が蜂蜜のようにも見えるかも…。

続いて2階。1階と比べてプライベート空間としての役割を果たしていたようです。

やはり自然の光が窓から入ってくる設計となっていました。

寝室があるのもこの2階。シンプルなのに無機質でなく、あたたかい印象を受けるのは、木の素材や自然に従った形(アアルトの手がける家具に代表される、波のような曲線など)があるからなのでしょう。

波といえば、彼らの苗字である「Aalto」とはフィンランド語で「波」という意味があるのだとか。この意味を知った上でもう一度映画本編を観てみると、また違った解釈が生まれるのではないでしょうか。

カフェアアルトへ

 そして、自邸に行った後は、カフェアアルトに行ってきました。
実はこのカフェ、2号店が京都にあったのです。1号店のヘルシンキ店と京都店のみだったのが、今年の春にヘルシンキ店のみとなってしまいました。

京都に住んでいた時に、2回しか行くことはできませんでしたが、京都にいながらフィンランドを、そしてアアルトの作品を感じることのできるとても思い出深い場所でした。

京都のカフェアアルトにて。(2021年10月撮影)
京都のカフェアアルトにて。(2023年2月撮影)
大好きなブルーベリーのタルトの美味しさに感動しました。

京都店ではスイーツしか食べていなかったので、今回ヘルシンキではずっと食べたかったサーモンスープを注文。

まだ秋とはいえ、フィンランドではすでにニットを着ている私。サーモンやジャガイモなど、具がゴロゴロ入ったあたたかいスープを食べて幸せを感じました。

そして、お店ではお腹がいっぱいになり食べられなかったので、ブルーベリーのタルトを持ち帰りで購入しました。

次の日に食べよう…と考えていましたが、我慢できず帰宅してすぐに食べてしまいました。(笑)

終わりに

 今回、フィンランドに留学中ということもあって映画『Aalto』と併せてアアルトにまつわる記事を書かせていただきました。京都はアアルトカフェの2号店があったということも含め、つながりのような何かを感じています。

フィンランド映画を決して多く観ているわけではありませんが、私が以前、観てよかった映画として挙げた『コンパートメントNo.6』のようにゆったりと時間が流れつつ、最後のシーンで涙が頬を伝うような映画が多いように感じます。そして私はそういう映画が大好きだということも感じました。フィンランドに住んで1ヶ月ほど経つ現在の私は、そういった作風はフィンランドの気候や森の多い地域性が大きく影響しているように感じますが、この留学を終えた頃私はどう感じているのでしょうか…。

今後、留学中にフィンランドでの映画体験についての記事なども書きたいと思っています。また読んでいただけたら嬉しいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

映画チア部京都支部 きむら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?