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ようこそ、わが町へ

「ようこそ、ミナト先生」

近所の劇場で嵐の相葉雅紀さん主演の舞台公演があり、チケット当選できたので、観劇しました(ファンクラブに入っていますが、自分名義で第一希望当選したのは「untitled」以来です)。
現地は、グリーンの洋服を着た人がたくさんいらして、懐かしの嵐コンを思い出す光景。わたしも、相葉さんプロデュース、嵐ブレストin宮城のずんだ色Tシャツを着ていきました。

相葉さんの役どころは、本名を隠して生きる、悩める青年。
生きる場所を探す彼は、たまたま通りがかった山あいの村で非常勤の音楽教師という職を見つけ、村民から「ミナト先生」と慕われ、良好な関係を築いていきます。でも、彼の中には常に、もともとの自分と、この村での自分との、葛藤がある。ふとしたときに見せる、葛藤ゆえの行動……。村人の前では気さくに謙虚にしていたのに、一人になると、頭を抱えたり、物を足で蹴っ飛ばしたり。偶然、ネットの生配信で顔が映ってしまい、素性が発覚してからのお互いの変わりようは残酷で、青年は村を去ることを決めますが、そこへ幾人かの村人がやってきて――というのが、おおまかなあらすじです。

相葉さんは、ファーストシーンからラストシーンまで出ずっぱりで、セリフも長い長い独白を筆頭に、圧倒的に相葉さんの持ち分が多くて、ふだんお芝居を見慣れないわたしも、相葉さんの熱演に思わず前めりになってしまうほど集中して観入りました。

誰をも「ようこそ」と全面的に歓迎して受け入れるのが、どれだけ難しいか。本人に責任のない理由であっても、なにか事件がおきると、人間関係はもろくて、崩れるのはあっという間。そういう煩わしさを避けて生きるのは楽だけれど、人はひとりでは生きていけない。

結局のところ、この青年はどうするのかまでは描かれないのですが(それが作品のテーマではないから)、ただ残念だったのは、最後が主人公のセリフで終わらなかったということです。あそこはやはり、主人公の相葉さんが何かを言って、スポットライトが当たって、幕引きとなってほしかった。
自分がライターなら、なんて言わせたかったかなー? なんて、考えてしまうのでした。
相葉さんは9月にホラー映画の公開が控えていて、そちらも楽しみです。






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