見出し画像

「夜になるまえに」(レイナルド・アレナス)を読んでみた

死ぬまでには読んでおきたい本。

今回は、
「夜になるまえに」(レイナルド・アレナス)を読んでみた。

レイナルド・アレナスさんはキューバ出身の作家。
最後は亡命して、アメリカで亡くなっています。
この本はレイナルド・アレナスさんの自伝です。

数年前、親を連れてキューバ旅行にいったことがありました。

キューバには海が似合う

常夏の楽園、音楽に溢れた街。
とても幸せな旅だったのですが、「夜になるまえに」を読んでキューバのイメージが一転しました。
キューバ革命の後、こんな大変な時代があったのか、と。

歴史のモニュメント

キューバ革命やキューバ危機は映画でもよく描かれています。
『X-men 』シリーズにだって出てくるくらいです。
ですが、「夜になるまえに」でレイナルド・アレナスさんが活写したような芸術家の弾圧や相互監視社会については、寡聞にして今までずっと知りませんでした。
まるで悪夢のようなディストピアSFを読んでいる気にすらなります。

一歩裏通りに入ると静寂もある

「夜になるまえに」は、キューバ革命寸前のアレナスさんの少年期。
作家になってからのキューバ革命後の逃走と執筆の日々。
そして、アメリカへ亡命してから。
この3部構成になっています。

本書の中で繰り返し書かれていますが、アレナスさんはゲイ(文中ではホモと記載)で、弾圧の日々の中でも性愛だけはあきらめず、多くの恋人をもったようです。その記述の膨大さにも驚かされましたが、同時に数々のエピソードがこの本を愉快にもしてくれています。

キューバの見方が変わる一冊。
もう一度、キューバへいかなくちゃいけない。
そんなことを思いました。

「夜になるまえに」
(著:レイナルド・アレナス、訳:安藤哲行、国書刊行会)
2022年10月読。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?