映画評『シャドウ・プレイ』(ロウ・イエ監督)
今回オススメする映画のタイトルは、『シャドウプレイ』。
監督は、ロウ・イエさん。
この映画、とてつもない傑作ノワールだと感じました。
ロウ・イエ監督は、中国出身の映画監督。
インディペンデントな映画製作を行って、中国系のメジャー映画監督とは一線を画した存在です。
題材やテーマから、中国ではたびたび上映禁止の憂き目にもあっています。
上海でひそかに撮られた『ふたりの人魚』(2002年)は、中国本土で上映禁止処分となりながらも、ロッテルダム国際映画祭と東京フィルメックスではグランプリを受賞。
『天安門、恋人たち』(2006年)はカンヌ国際映画祭のコンペに入選したものの、その後5年間の映画製作・上映禁止処分を受けました。
禁止処分の最中に、中国ではいまだタブー視されている同性愛を描いた『スプリング・フィーバー』(2009年)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。
その後も精力的に作品を発表し続けています。
さて、新作の『シャドウプレイ』。
どんな映画なんだろうと思って、観始めました。
これが、とんでもない中国ノワールの傑作だったのです。
しかも娯楽大作です。
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